アイデアを量産する科学的に正しい「ぼんやり」の使い方

社畜にならない創造性マニュアル

創造性を高めるには、3つのステップが鍵となります。

  1. 【入力】実行系ネットワークを使う
  2. 【ぼんやり】デフォルト・モード・ネットワークを使う
  3. 【ひらめき】実行系ネットワークとデフォルト・モード・ネットワークを協調させる(メタ認知)

実行系ネットワークとは何かに集中しているときや情報をインプットするときに働く脳のネットワークです。主に前部帯状回という領域で働きます。

対してデフォルト・モード・ネットワークとはぼんやりしているときに働くネットワークです。ぼんやりとしていると言っても、脳のなかでは情報の整理がされており、何かに集中しているときよりも脳の活動が活発になると言います。デフォルト・モード・ネットワークは創造性を発揮するのに欠かせません。主に内側前頭前野、後部帯状回…などの領域で働きます。

 

徹底思考:実行系ネットワークを使う

アイデアを得るためにはまずは頭をひねって考えることが大事です。アイデアを得るための情報を探したり、思考したりするときに使うのは実行系ネットワークです。

 

思いつきたいことを分割せよ!

アイデアについて思考するときは目的を分割するようにしましょう

例えば、「youtubeを始めるために面白いアイデアを出したい」という大きなを達成するときは、小さな目標に分割してから考えるのです。

  • すでにみんながやっている企画を組み合わせて新しいアイデアをつくる
  • 自分の得意なことを活かすアイデアをつくる
  • youtubeは暇つぶしエンターテイメントという色が強いので、それとは対象に実用的なアイデアをつくる

みたいな感じで、より具体的な指針を定めておくと、考えやすくなるでしょう。

 

目的を定めてから情報収集するべし

何かのアイデアを考えるときにいきなり情報収集するのは間違いです。なぜなら目的を定めないまま情報を収集しても、ウンチクが増えるばかりで使える情報が手に入りづらいからです。

 

情報を集める前に「こんなアイデアがほしい」という目的を定めておきましょう。目的が明確であれば、必要な情報だけを抽出することができます。

例えば、最近は書店で「メンタル強化系」や「ストレス解消系」の本をよく見かけます。そのまま読むのではなく、自分なりの目的を決めてから読むと新しいアイデアが出てきます。例えば「不登校解決に使えるメンタル強化を知りたい」とか、「子育てに活かせるような心理学の知識がほしい」のように具体的なテーマを設定するのです。

「プログラマーとして新しいアプリをつくりたい」とか「起業のヒントを得たい」といった目的でもいいと思います。意外なテーマを定めるほど新しいアイデアはひらめきます。

「起業のヒントを得る」というテーマで恐竜の本を読むとか、「新しいゲームを企画したい」というテーマで化学の本を読むとか。

 

僕はよく読書をするときに先に読書ノートをとります。読書ノートというと読み終わったあとに書くイメージかと思います。しかし、いきなり資料を読むと最初から最後まで読み切るのが目的となってしまい、時間をかけて読んだ後に「意外と使える知識が少なかったな」ということが起きます。

先に「こんな知識がほしい」と決めておくことによって、読む場所も厳選されてくるので時間短縮につながりますし、集中力も保つことができます。

 

知識を人に説明する

効率的に情報収集をしたあとは、収集した知識を自分のものにしていきましょう。オススメなのは人に説明したり、独り言を言ったりすることです。

 

なぜなら、知識を説明している最中に頭のなかが整理され、新しいことを思いつくからです。

僕もブログを書きながら「前に書いた記事も参考にできるな」みたいな感じでひらめくことがあります。自分の言葉でまとめるという作業はとても大事なのです。

 

情報をインプットする時間を決めておく

スマートフォンをいじり続ける習慣をやめましょう。

なぜなら、情報をインプットしすぎると情報に忙殺され、適切な脳の働きを促すことができないからです。

 

アイデアがひらめかない人は実行系ネットワークとデフォルト・モード・ネットワークのバランスがとれていない人です。常にスマートフォンで情報を処理しているため実行系ネットワークが働きっぱなしで疲弊している状態になっています。

実行系ネットワークがダラダラと働きっぱなしだと、本当に集中しなければいけないときにうまく働かなくなります。実行系ネットワークのエンジンが切れると、ぼんやりと別のことを考え出します。集中したいときに別のことを考えてしまうのはデフォルト・モード・ネットワークが不適切な形で働いているということです。集中(実行系)とぼんやりの(デフォルトモード)をメリハリをつけて使いこなさないといけないのです。

 

ひらめかない人の習慣:情報を入力し続ける(実行系ネットワークを使い続ける)→ぼんやりして別のことを考え始める(不適切なデフォルト・モード・ネットワークが働く)
ひらめく人の習慣:情報を入力する時間を制限する→良質なぼんやりが増える(適切なデフォルト・モード・ネットワーク)→集中したいときには集中できる(適切な実行系ネットワーク)

 

問題から離れてぼんやりする:デフォルトモードネットワーク

さて、ひらめきのために必要な情報収集・思考を繰り返した後は、ぼんやりとする時間をつくりましょう

ぼんやりとする時間には脳のデフォルト・モード・ネットワークが働き、頭のなかの情報や記憶を整理してくれます。整理された頭で再び問題に取り組むと、先程は思いつかなかったような視点で物事を考えられるようになります。

 

デフォルト・モード・ネットワークを活用する時間術

体内時計で集中タイムとぼんやりタイムを決めておこう

1日のなかで集中する時間(実行系)とぼんやりする時間(デフォルトモード)を決めておくようにしましょう。

オススメなのは自分の体内時計によって使い分けることです。人によって朝が得意とか、夜のほうが頭が冴えるなどの個人差があると思います。実際に人間には体内時計の遺伝子があり、生まれつき朝型・夜型などのクロノタイプが決まっています。

最も新しいクロノタイプの分類は朝型(ライオン型)・昼型(クマ型)・夜型(オオカミ型)・不眠型(イルカ型)の4つの分類です。例えば、夜型の人は朝にはエンジンがかからず、午後3時ごろから頭が冴えてきて夜にピークを迎えます。ですので朝にぼんやりタイムを設け、午後には情報の収集、夜は思考を巡らせるなどの工夫をするのがいいかと思います。

 

90分→30分でスイッチする

集中タイムのときにも、数時間まるまる集中し続けるのではなく、適度に休憩をはさんでぼんやりタイムをつくりましょう。オススメは90分→30分という周期を繰り返すことです。

例えば、午後3時から午後8時の間に集中する場合、「3時から90分集中→30分休憩・5時から90分集中→30分休憩→7時から90分集中8時半まで」といった感じです。

 

科学的に正しい「ぼんやり」の仕方

ぼんやりテク1.焦点を合わさずにぼーっとしよう

まずはその場でできるテクニックです。視線の焦点をその場でぼーっとしてみましょう。

脳の働きは視点の動きにも影響されます。焦点を一定に合わせないことで良質なぼんやりを実現できます。「瞑想をするときに目を閉じると寝てしまう」という方にもオススメできます。

 

ぼんやりテク2.カフェなどがオススメ。予測可能な音を聞こう

予測可能な音や規則的な音には注意力を散漫にさせ、デフォルト・モード・ネットワークを起動させる働きが期待できます。

お経を読んでいる声や、木魚をポコポコ叩く音などを聞いていると眠たくなってしまうことがありますよね。

 

カフェなどの雑音がする環境がオススメです。カフェでは聞き取れないぐらいの話し声が聞こえてきます。「聞き取れないぐらい」というのがミソでして、聞き取れてしまうと情報を処理する実行系ネットワークが働いてしまうんです。

自然のなかに行ってみるのもオススメします。鳥のさえずり、川のせせらぎ、葉がこすれる音などを聴きながらぼんやりするのは至福のひとときです。

場所を移動するのが面倒だという方には、環境音を聞けるyoutubeの動画やホワイトノイズを聞けるスマホアプリなどがオススメです。

 

ぼんやりテク3.睡眠時間をしっかり確保し「まどろみ」を意識する

眠りに落ちる前にはまどろみの時間帯があります。半分起きていて半分寝ているようなウトウトしている状態です。

このようなまどろみの時間は脳のθ波(シータ波)によるものです。人間は起きているときにはβ波(ベータ波)が出ており、布団に入って目を閉じるとα波(アルファ波)が出始めます。目を閉じてしばらくするとθ波が出てまどろみの時間帯を経て、完全に眠りに落ちるという流れです。θ波が出ている際にはデフォルト・モード・ネットワークが活性化しており、究極のぼんやり状態と言えます。

 

しかし、睡眠不足に陥っている人はθ波をすっ飛ばしていきなり眠りに落ちる傾向があります。「寝付きがいい」と言えば聞こえはいいですが、睡眠の理想はジワジワと眠気が来てゆっくり眠りに落ちるパターンです。

数秒で眠りに落ちるような人や、「スマホを触って気づいたら寝てた」という人は睡眠が不足している可能性があります。まずはしっかりと睡眠時間をとりましょう

 

ぼんやりテク4.歩行瞑想を行う

次は移動中にも使えるぼんやりテク「歩行瞑想」です。歩行瞑想は歩きながらのマインドフルネスだと思ってください。

歩きながらも考え事をしてしまうという方にオススメです。やり方はかんたん。歩いているときに歩いていることだけに集中するだけです。右足を踏み出した→地面についた→左足を踏み出した→地面についた…という身体の感覚を意識し続けましょう。意識が他のことにそれたら再び自分の動きに戻してくださいね。

まずはゆっくりと部屋のなかでウロウロしながら試してみることをオススメします。ソロリソロリと。

 

移動中に使いたい場合は、自分のお尻の穴と体幹を意識するといいです。

お尻の穴をギュッと締めることを意識しながら歩いてみましょう。お尻に力を入れると体幹がしっかりとして、腕のちからを抜くことができます。そうするとゆったりと歩くことができるので、ぼんやり脳を活性化しやすいです。

 

ぼんやりテク5.マインドフルネス・イーティング

マインドフルに歩くテクニックがあれば、マインドフルに食べるテクニックもあります。「マインドフルネス・イーディング」です。これまたやり方はかんたん。食べるときに食べることだけに集中するだけです。

 

理想としては一口一口、味覚・自分に起こる変化・舌に乗る感覚・食感・食道を通る感覚・胃に落ちる感覚…などを意識して食べると効果的です。

 

しかし、一口ずつマインドフルに食べるのは結構時間がかかってしまいます。ですので時間がない方はスマホやテレビを見ずに、よく噛んで食べるということだけ意識していただくだけでOKです。

ゆっくりと咀嚼するだけでもセロトニンというホルモンを分泌させることができます。セロトニンや安らぎホルモンであり、精神衛生に関わるホルモンです。デフォルト・モード・ネットワークとも関連があると考えられています。

 

実行系ネットワークとデフォルト・モード・ネットワークを協調させる(メタ認知)

ひらめくときにはメタ認知が起こっている

人間が何かをひらめくときには自分を客観的に観察する視点に切り替わっています。(自分の思考を第三者の視点で見つめることをメタ認知と言います。)

何かがひらめきそうなとき、「ちょっと待てよ…」という言葉を使ったことがないでしょうか?これはまさにメタ認知が起こっている証拠で、第三者の視点で自分自身に話しかけていることが分かります。

 

ですから、ひらめきたいときにはメタ認知を促すことが重要なのです。メタ認知を促すには自分に対して以下の2つの質問をしてみましょう。

  1. 「これって意味ないのかな?」
  2. 「どうしても〇〇しちゃうんだよな」

 

「これって意味ないのかな?」

思考が煮詰まってしまったときには「これって意味ないのかもな」という質問をしてみましょう。

例えば、「youtubeで動画配信するアイデア」というテーマで考えてみたとします。「ゲーム実況動画」「大食い動画」「メイク動画」「ドッキリをやる」「講義をする」などなど様々なアイデアが出ることでしょう。

そこで「これって意味ないのかもな」というメタ認知の質問をしてみましょう。

  • 「ゲーム実況動画」「メイク動画」→すでにやっている人がたくさんいる。自分だけの魅力を出すにはどうしたらいいだろう?
  • 「大食い動画」→頑張っている姿を見てもらうなら、大食いである必要はない。「食べっぷりの良さを見るのが気持ちいい」という需要に応える他の手段はないだろうか。
  • 講義をする→専門的なことはネットでは信頼性に欠けるのではないか。信頼できる情報発信者であることをアピールするには?何かを教えて「へぇー、そうなんだ~」と思ってもらうだけで意味があるのか?
  • ドッキリをやる→ドッキリを見ることにどんな意味がある?ワクワクするような他の手段はないか

このように第三者の視点を取り込むことによって、自分のアイデアの意義を見出すことができます。誰に向けてのアイデアなのか、どんなことに役立つのかというのを明確にしていきましょう。

 

また、人間はアイデアを思いついたときには快感を覚え、自分のアイデアが最高であるかのように錯覚します。そこで一度冷静な目を取り戻し、「これって意味ないのかな?」と自問してみましょう。

 

「どうしても〇〇しちゃうんだよな」

次に投げかけてみるべきメタ認知の質問は「どうしても〇〇しちゃうんだよな」です。

 

無意識に同じようなアイデアをつくっているときに、突破口となってくれる質問です。例えば、恐竜の魅力を伝える面白いコンテンツはできないか?というテーマで考えたとしましょう。

  • 恐竜のコンテンツをつくるとしたら?→恐竜学と学校の科目を絡めながら解説する・恐竜を育成するゲームをつくる・恐竜を戦わせるカードゲームをつくる・恐竜の生態を推理する謎解きクイズをつくる…
  • 「どうしても○○しちゃうんだよな」という視点を取り入れてみる
  • 「どうしてもゲーム性を持たせるアイデアに偏っちゃうな」「どうしても実用性を求めちゃうな」のような感じ。自分の発想の癖をつかむことができます。
  • それを踏まえて「だったら手軽に取り組める恐竜ゲームとは対象的に、めちゃくちゃマニア向けの恐竜講義をする」「何かの役に立てるという発想を捨てて、『そんなの何の役に立つの?』と笑っちゃうぐらいのシュールな知識を詰め込む」みたいなアイデアも出てきます。

 

「どうしても○○しちゃうんだよな」という質問を投げかけることによって、別のベクトルのアイデアを得ることができるのです。

 

ひらめきサイクルを自覚する

さて、創造性を発揮するための思考の手順について解説してきました。

ひらめきを得るためには、徹底的に思考する・情報収集する→一度問題から離れてぼんやりとする→もう一度思考するということを繰り返しながら、行き詰まったときにはメタ認知を加えてみるという流れを意識しましょう。

  • テーマ:「youtubeでできそうなテーマを考える」
  • 徹底思考①テーマを細かくする:「好きな恐竜の知識を発信するためには?」
  • 徹底思考②情報収集:「動画コンテンツでウケそうなネタはないかな」
  • 徹底思考③知識を整理:集めたネタを頭のなかで整理する

~~問題から離れてぼんやりする段階に移行~~

  • ぼんやり①焦点を合わせずにぼーっと
  • ぼんやり②雑音を聴く
  • ぼんやり③まどろむ
  • ぼんやり④歩行瞑想
  • ぼんやり⑤マインドフルネス・イーティング

~~再思考する~~

  • メタ認知①「これって意味ないのかな?」
  • メタ認知②「どうしても○○しちゃうんだよな」

 

思考のプロセスは以上のようになります。いつどこでひらめきが出てくるかは分かりません。少し考えるだけでひらめくこともあります。ぼんやりと歩いているときにひらめくこともあります。再思考の段階でひらめくこともあります。

いいアイデアをひらめいたときには、どんなルーティーンを組んでいたか覚えておきましょう。自分のひらめきやすい環境を覚えておくと、いつでもひらめきを生むことができます。僕の場合は立ち机にノートを置いて、歩きながら復習しているときによく思いつきます。

例えば、問題から離れて散歩しているときに思いつくことが多ければ、散歩のルーティンを欠かさないようにしましょう。

 

【今日の心トレ】「ぼんやり」に専念する時間帯を設定しよう

【獲得経験値】

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