知能が高い人はユーモアで見抜ける!?

探究力

知能が高い人と言うとどんなイメージを持つでしょうか。真面目で厳格な人、もしくは少し変わった人というイメージを抱くのではないでしょうか。

下心を持って言えば人間関係において、付き合う相手の知能を見抜くことはプラスに働きます。なぜなら、ある研究では知能が高い人と一緒に居るだけで自分も知能を発揮しやすくなることが示されているからです。また、単純に頭がいい人と話をするのは新しい発見があり、理解も早いのでストレスもたまりません。

では、知能の高さを見抜くにはどこに注目すれば良いでしょうか

 

知能の高い人はユーモアのセンスも高い!

頭がいい人を見抜くためには、その人のユーモアセンスに注目してみるといいかもしれません。実際に、 2008年に発表されたコロラド大学ボルダー校などの研究によると、知能が高い人はユーモアのセンスも高いことが知られています。

 

根拠となる研究
  • 被験者:平均22歳の185人の大学生(スクリーニング)
  • 内容:ユーモアと一般知能検査のスコアが関連しているかどうかを調べた。
方法

被験者に対して測定した項目は以下の通り。

  • 一般知能(IQ):18項目の知能検査を用いて計測。
  • ビッグファイブ:50項目の尺度を用いて、外向性・調和性・勤勉性・神経症傾向・経験への開放性の5つの特性を評価。
  • ユーモアの測定:3種類のユーモア課題を実施。

 

実施されたユーモア課題は以下の通り。

  1. 人物プロフィール作成課題:6パターンの写真付きの人物について、名前・職業・1日の過ごし方などの項目を面白おかしく描写する。言語を使ったユーモアを計測した。
  2. メールへの回答課題:「1日だけ別の動物になれるとしたら、絶対になりたくない動物は何か? その理由は?」「結婚して数年後もワクワクする関係を保つにはどうしたらいい?」「100年後の世界はどうなっていると思う?」という3つの質問に対して、面白い回答をする。課題1と同じく、言語を使ったユーモアを計測した。
  3. イラスト制作課題:8種類の動物や人間を面白おかしく描く。言語を使わないユーモアを計測した。

なお、ユーモア課題は別の評価者によって、1から7の7段階で採点された。

 

結果
  • 一般知能が高いほど、ユーモアの課題のスコアも高い傾向が見られた。
  • ビッグファイブの外向性が高いほど、ユーモアの課題のスコアも高い傾向が見られた。
  • 男性のほうがユーモアの課題のスコアが高い傾向が見られた。
  • 性別の影響も考慮して、知能とユーモアの関連性を調べたところ、男性でビッグファイブの開放性が高い人はユーモアの課題のスコアも高い傾向が見られた。
要約・考察

研究で示されたことを要約すると以下の通りになります。

  • 知能が高い人や、外向性が高い人はユーモラスな人でもある
  • 男性では好奇心が旺盛でさまざまなことに興味を持つ性格の人はユーモアもある

 

まず、外向性が高い人のほうがユーモラスで面白いのは直感通りの結果でしょう。

ビッグファイブにおける「外向性」 とは社交的で活発的かどうかを示します。具体的には、根っからの人好きで好意的な感情を素直に示す、他人と一緒に居ることをいい刺激だと思い大人数の集まりが好き、はっきりと自分の意見を主張する、強い刺激やスリルを好むと言った特徴があります。確かに経験的にも外交的で明るい人の方がユーモラスな人というイメージです。

 

大事なのは知能が高い人もユーモラスで面白いという点です。知能が高い人というと学者のような真面目で厳格な人を思い浮かべますが、実際には知能が高い人はユーモアの才能もあるようです。

逆に言えば知能が高い人を見抜きたいときには、その人がユーモアのある面白い人なのかどうかに注目してみればいいでしょう。

コメント