興味のあることが見つかっても学び続ける好奇心が沸かない
読書を始めてみたけどモチベーションが続かない
「自分は人よりも知識がある」と過信している節がある
今回は一生知的好奇心を保ち続けられるスーパー能力、「知的謙遜」についてのお話です。
「知的謙遜」で知的好奇心・忍耐力が向上
知的謙遜を高めることで物事への好奇心を高めることができます。
「知的謙遜」というのは自分の知識の限界をきちんと自覚できる能力のことです。
デューク大学↓が行った実験によると、知的謙遜のレベルが高い人はさまざまな点で優れていることが分かっています。例えば、
- 物事への忍耐力が高い
- 好奇心がある
- データを正しく判断する能力や、中立性が高い
- 自分とは異なる意見を受け入れることができる
デューク大学の実験。
- 被験者を集めて、「自分の知識の限界をどのぐらい知っていますか?」のような問いかけで知的謙遜レベルを測定
- その後「難民は全て追い出すべきだ!」と言った極論に関するエッセイや、健康に関するデータについて読んでもらい、それぞれがどれだけ客観的な根拠に基づいているかを判定してもらった
- その結果、知的謙遜レベルが高い人ほど、忍耐力・好奇心・中立性が高く、自分の意見とは異なる意見でも受け入れることができ、データやファクトを精査するのが上手いことがわかった
「自分の知識は完璧だ」と思ったらそこで学ぶことを止めてしまいます。「自分はまだまだ知らないことがある」と謙虚な姿勢を持つことで、知的好奇心や忍耐力を維持することができるのです。
知的謙遜の4つの要素
さて、ご自身の知的謙遜レベルはどれぐらいでしょうか。知的謙遜には4つの側面があります。
- 知識や情報と自分のエゴを切り離せているかどうか
- 他人の意見を尊重することができるかどうか
- 自分の意見を柔軟に変えることができるかどうか
- 自分の知識や専門性を過信しすぎていないか
今回特に注目してほしいいのは4です。自分の知識が少し増えると、「他の人が知らないことを俺は知ってる!」みたいな自信過剰に陥ります。
しかし、自信過剰は知的好奇心の敵です。「もう学ぶ必要はない」と思ってしまうと、そこで成長が止まってしまいます。
知的謙遜を高める方法
言葉で説明すると知識の穴に気づく
知識がある人は自分が自信のあるジャンルに関して、実際よりも「よく知っている」という風に思い込んでしまうのです。
これを防ぐためには自分の知識を積極的に発信してみましょう。
言葉に出すことによって自分の知識の限界に気づくことができます。
というのも、実際に言葉にして説明してみると曖昧な部分に気づくことがよくあるからです。これは「説明深度の幻想」と呼ばれ、頭のなかで分かっているつもりでも言葉にしようとすると上手くまとまらない現象です。
例えば僕は恐竜に関するコンテンツをつくっていますが、頭のなかで「完璧だ!」と思っていても、ブログとして文章にしてみると「この恐竜ってどこ住んでたんだっけ?」「こういう生態になった理由って何だったっけ?」と自信がなくなるときがあります。
まさに自分の知識の穴に気づくときです。穴に気づくからこそ「もっと知ろう!」という好奇心が高まります。
知識を積極的にアウトプットするのはジグソーパズルをするのと同じです。ジグソーパズルでもピースを集めて眺めているだけではまったく進みません。枠に当てはめていくことで足りないピースが分かってくるし、ハマるピースが見つかったときには嬉しいものなのです。
知的好奇心を高めるのもこれと同じで、積極的にアウトプットして形にしていくプロセスで、自分に足りない部分に気づくようになります。
[memo]
親切心を持てば「自分は何でも分かる」と過信せずに済む
知的謙遜レベルを高めるもう1つの方法は誰かのために教えてあげることです。
ウォータールー大学が行なった実験↓では、社会のために役立つ行動したり他人に親切をしたりする人は、認知バイアスにとらわれにくく、自分のことをきちんと判断できると言われています。
※認知バイアスとは考え方や認識の偏りのことを言います。
ウォータールー大学が267人の学生を対象に行なった実験。
徳の高さを診断
まず参加者たちに、「他人や世間の役に立つことを重要視したいですか」「自分が信じていることを忠実に信念を貫いて行動していますか」といった質問をして、徳の高さをどれぐらい重要だと思っているかを調べた。
2グループで比較
その後全員を二つのグループに分けた。
- 「今自分が抱えているトラブルに対して良い解決策を出してください」と考えてもらったグループ
- 「あなたの仲の良い友達が書かれているトラブルに対して良い解決策を出してください」と考えてもらったグループ
※人間は普通自分に対してのアドバイスを考えるより、他人へのアドバイスを考えるときの方が合理的になれます
第三者から判定
その後、出された解決策がどのぐらい 優れているかを第三者に採点してもらった結果、徳の高さを重要視している人は自分の問題であってもバイアスにとらわれにくく、 いい解決策を出せたことが分かった。
つまり誰かに対して日頃から親切をしている人は、あらゆる場面で的確な判断をするができるのです。
理由としては、「誰かを助けたい」と思っても助けられなかった経験や、「こうすればよかった」という後悔の経験がある人は、自分の限界を知っているため過信する傾向も少ないのでしょう。
確かに僕も他人に聞かれてから自分の知識の足りなさに気づくことがよくあります。僕は栄養に関しても少し勉強しています。しかし、いざ「この疲労感がとれないんだけどどんな食事したらいいのかな?」と聞かれると、とっさに出てこなかったりします。
「まだ自分は分かっていないんだな」と気づくことができ、自分の力量を的確に判断できるのです。
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【今日のクエスト】知っていることはドンドンアウトプットしよう
SNSで発信したり、人に説明してみたりすると自分の知識の穴に気づくことができます。
【獲得経験値】
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