今回はDHA・EPAが脳にいい理由って何なの?というお話です。
DHAが脳にいい理由
基本知識として、DHAはオメガ3脂肪酸と呼ばれる脂肪です。オメガ3脂肪酸にはいくつかの種類があります。
- DHA
- EPA
- アルファリノレン酸
EPAやアルファリノレン酸も体のなかでDHAに変換されて活用されます。ですので、DHAが脳にもたらす作用を知っておきましょう。
脳の細胞膜として働く
DHAが脳に良いと言われる一つ目の理由は脳の情報伝達に関わるからです。
人間の細胞を包んでくれている細胞膜は脂質によって構成されています。特に脳の神経細胞にとってオメガ3脂肪酸は欠かせない脂質です。実際、人間の脳の60%は脂肪によってできています。
脳の神経細胞同士の情報伝達には脂質が必須です。
脳細胞は別の脳細胞に電気信号を伝えることで活動します。細胞から細胞に情報を伝えているのが「軸索」という部分です。そしてその軸索を包んでくれているのが「ミエリン」という脂質なのです。
- 軸索:脳細胞から脳細胞へ情報を伝える銅線。
- ミエリン;軸索を通る電気信号が漏れないように包むチューブ。脂質でできている
いわば、軸索の部分が銅線で、ミエリンの部分は電気が漏れないようにするチューブみたいなものです。
オメガ3などの良質な脂質が不足するとチューブが作られません。
チューブがきちんと作られないと電気信号が漏れだしてしまうので情報伝達がうまく行われなくなります。つまり、脂質が不足することによって脳の正常な働きが損なわれてしまうのです。
様々な物質に変身して活躍
DHAが脳にいい理由である二つ目は 脳に欠かせない物質に変身して活躍してくれるからです。
DHAは「プロスタグランジン」という物質に変身してくれます。プロスタグランジンは脳の中で炎症を抑えたり睡眠の質を高める働きがあります。
炎症と睡眠に関して少し説明を加えましょう。
脳の中で炎症が起き続けると脳細胞が傷ついて認知症などの原因になってしまいます。
また、睡眠の質が下がると脳の機能が落ちやすくなります。というのも、人間の脳は寝ている間に脳をで生じた老廃物を掃除します。睡眠に問題が出ると適切に掃除できないので、これまた認知症の原因となってしまいます。
つまり、DHAは間接的に脳のメンテナンスに関わっているのです。
実際、2018年にレイラ・ジャンカルド達が行った研究では、50人のうつ病患者たちにオメガ3脂肪酸を摂取してもらったところ、不安感の軽減、感情の制御の向上、睡眠の改善などの結果が出ています。
ということで今回はDHAが脳にいい理由って何なの?というお話でした。
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