物語の悪役は極悪非道なものの、魅力のあるキャラクターが多いです。アニメやドラマを見ていても、「敵キャラなのに惹かれてしまう」ことがありますよね。
今回は悪役に惹かれてしまう理由を考察していきます。
なお、以下のアニメに関しての内容に触れるので内容を知りたくない方はチェックしておいてください。
- 鬼滅の刃→遊郭編 第7話「変貌」、第11話「何度生まれ変わっても」
- Dr.STONE→
- 第1期 第17話「百の夜と千の空」
- 第2期(Dr.STONE STONE WARS)第10話「人類最強のタッグ」
- 第3期(Dr.STONE NEW WORLD)第18話「滅びの煌めき」
悪役が人気なのは内面のギャップにある!
悪役はときにヒーローよりも人々を惹きつけます。例えば、人気アニメ「鬼滅の刃」でも剣士だけでなく悪役である鬼のキャラクターが人気です。
悪役に惹かれるのはいろいろと理由があるでしょう。
- 社会の常識にとらわれない思想や信念がかっこいいから
- 悪役は大抵能力が高く、強い部分に憧れるから
しかし、一番魅力を感じる理由は悪役の中にある善の部分に惹かれるからかもしれません。
2023年にミシガン大学の研究者たちによって発表された研究によると、悪役に惹かれるのは悪役のギャップを感じるからだと示されています。

内容
4~12歳までの434名の子どもと、277名の大人を対象。複数の実験を行い、人々が物語の悪役をどのように捉えているかを調べた。
結果
- 子どもは悪役の行動も感情も非常にネガティブと捉えており、過激な悪にはきちんと「悪い」と評価できることが確認された。
- 子どもも大人も、「悪役の真の自己」を、ヒーローのそれよりも一貫してネガティブに評価しました。
- しかし興味深い点として、悪役に対して「真の自己が表面的な行動と異なる可能性が高い」と判断される傾向があった。
- それに対して、ヒーローに対して「本当は内面的には悪いヤツなのでは?」と認識する傾向は低かった。
考察
つまり、「悪役は見た目とは裏腹に、本当は内面的にいい部分があるのでは?」と認識する傾向があったのです。
確かに、ヒーローに対しては素直に「正義感のあるいい人だな」という印象を抱き、その隠れた内面にはなかなか注目しません。しかし、悪役にいい部分が見え隠れすると、ギャップを感じて好きになりますよね。
実際に、敵対していた悪役が、より強大な敵を倒すために主人公とタッグを組むという展開は王道でしょう。
さて、今回は筆者が個人的に好きなアニメキャラクターの悪役を2人ピックアップしてみます。悪役のギャップという視点で分析してみましょう。
鬼滅の刃→上弦の陸(ろく) 妓夫太郎
鬼滅の刃 遊郭編 第7話「変貌」で初登場。それまで炭治郎が苦戦を強いられた上弦の陸「堕姫」の背中から現れた堕姫の兄にして、真の上弦の陸。
その醜い見た目と嫉妬心をむき出しにしている口調が特徴的。残虐性と不気味さが印象的で、音柱である宇髄天元と炭治郎たちを苦しめた存在です。
しかし、第11話「何度生まれ変わっても」では、貧しい暮らしや生まれ持った醜さによって虐げられていた過去が描かれ、視聴者の共感を呼びました。

Dr.STONE→氷月(ひょうが)
第1期の第17話(「百の夜と千の空」)で初登場。クールで理知的な武人。口調は丁寧で、「ちゃんと」が口癖。
「淘汰」を信念に持ち、優秀な人間だけが選別されるべきだという冷徹な思想を持っています。
第2期「Dr.STONE STONE WARS」の第10話「人類最強のタッグ」では、それまで従っていた司を裏切り、千空&司と敵対する形になります。千空と司が「科学と武力」のタッグを組んで、氷月に挑む展開は激アツです。
司と氷月は、科学文明を否定して滅ぼそうとする司帝国のツートップでしたが、 同じ最強でも2人のスタンスの対比は印象的でした。司は戦いで死んだ仲間の名前を覚え、供養していたのに対し、氷月は無能な人間のことなどお構いなしでした。(本当は自分が殺したのに。)
しかし、第3期「Dr.STONE NEW WORLD」の第18話「滅びの煌めき」では、石化王国に追い詰められた科学王国のジョーカーとして頼られたことで、千空たちに信頼を寄せ始めます。そして、尾張貫流槍術(おわりかんりゅうそうじゅつ)を極めた地道な研鑽の過去が明かされました。
筆者個人的には、物語のテーマとして一貫して言われてきた「科学はアホほど地道な積み重ね」とリンクした瞬間だと感じました。そのため、視聴者としても「氷月が味方になってくれた!」とすんなり受け入れることができました。「ちゃんとしましょう」という口癖は、自分が誰よりも研鑽を積み、厳格に生きていたことの証なのでしょうね。
第2期から第3期にかけて、「司を裏切る黒幕」というポジションから、主人公たちを助ける「ジョーカー」としての展開は見事です。さすが「ちゃんと」してますね。


まとめ
悪役はただの敵キャラではなく、物語に深みを与える存在です。
鬼滅の刃やDr.STONEのように、敵が過去や信念を持ち、人間らしさを見せる瞬間に私たちは心を動かされます。次にアニメを見るときは、「この悪役の本当の内面はどんなものだろう?」と注目してみると、より作品を楽しめるはずです。
なお、今回取り上げた鬼滅の刃は、「無限城編 第一章 猗窩座再来」が劇場で上映中(2025年9月9日現在)。敵キャラである鬼が人間であったときのエピソードなどにも注目して見てみるといいでしょう。


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