「意外と運動してる」と知るだけで1ヶ月で900g減量できた!?

ヘルスポイント

今回はダイエットしたいけど運動する時間が取れない人に向けた内容です。

  • 「自分は十分に運動できていないのではないか…」と不安になってしまう
  • SNSでトレーニング動画を見て、「ああいう運動をしていない自分は努力不足だ」と落ち込む。
  • 「運動しなきゃ」と思うけど時間が取れない

「運動が大事」と思っていても、なかなか運動だけに使う時間は取れないですよね。実は、意識的にエクササイズをしなくても日々の仕事や日常生活の動作だけで足りているかもしれません。

 

「意外と運動してる」と知るだけで1ヶ月で900g減量!?

そもそも、エクササイズの効果の一部はプラセボ効果によるものなのかもしれません。「プラセボ効果」とは思い込みの効果のことです。実は、運動においてもプラセボ効果をうまく使えば、運動時間を増やさなくてもダイエット効果が期待できるのです。

 

2007年にハーバード大学などの研究者たちが発表した論文によると、仕事のエクササイズ効果を認識するだけで実際に健康にいいようです。

Mind-set matters: exercise and the placebo effect - PubMed
In a study testing whether the relationship between exercise and health is moderated by one's mind-set, 84 female room a...
内容

ホテルで働く84人の女性接客係を対象。

日々の作業の運動量を意識することによって、実際に生理的変化(体重や体脂肪率の減少など)が起きるかどうかを調べた。

  • 説明を受けるグループ:日々の仕事のエクササイズ効果に関する情報を与えられる。
    • 「ホテルの部屋の掃除は良い運動であり、活発な生活を送るためのアメリカ公衆衛生局長が推奨する運動量を満たしている」と伝えられた。
    • 仕事がどのように運動になっているかの具体例も示された。(例:ベッドメイキング(15分) → 約40kcal消費など)
  • 説明を受けないグループ:エクササイズ効果に関する情報を与えられなかった。

実験前と実験後(4週間後)で、体重・体脂肪率・血圧・BMI・ウエストヒップ比の測定を行なった。

 

結果
  • 客室係は実験前は66.6%が定期的に運動していないと報告していたが、4週間後において、説明を受けたグループは以前よりも多くの運動をしていると認識するようになった。
  • そして実際に、体重・血圧・体脂肪・ウエストヒップ比BMIが減少した
    • なお、ウエストヒップ比はヒップに対するウエストの割合。低いほどヒップに対してウエストが細いといえる。
    • 例えば、体重は平均2ポンド(約0.9kg)減少、収縮期血圧(上の血圧)は10ポイント低下した
  • なお、仕事以外の運動の量や食習慣に関して変化は確認されなかった

 

考察

つまり、「自分たちの仕事が運動になる」と認識しているだけで実際に体重や体脂肪率などが減少したのです。しかも仕事以外でのエクササイズなどは全く増やしていません。劇的に体重が減ったわけではありませんが、認識を変えるだけでわずか1ヶ月で運動効果が見込めるのは驚きの成果です。

 

多くの人が自分が運動をしていないと不安を抱きがちですが、実際には生活の中で意外と体を動かしています。例えば、日常の中での移動、階段の上り下り、積極的な家事などもエクササイズとして換算していいのです。

 

「どれぐらいカロリーを消費しているか」を把握するだけで運動効果が出る

アメリカ公衆衛生局では、大人が健康的な生活を送るために必要な運動時間は少なくとも1日30分と示しています。この研究でも運動時間の指標とされました。

研究で対象となったホテルの客室係は、1日25部屋を清掃するようです。歩くだけでなく、屈伸動作や押す・持ち上げる・運ぶといった肉体的な動作を行っています。1部屋あたり20分から30分かかるとしても、1日30分の運動量を明らかに満たしているでしょう。

 

研究ではホテルの客室係に対して情報を開示するとき、それの作業がどのぐらいカロリーを消費するかを示しました。(体重63.5キロの女性を基準)

  • ベッドメイキング(15分) : 約40kcal
  • 掃除機がけ(15分) : 約50kcal
  • バスルーム掃除(15分) : 約60kcal

アメリカの女性を対象にしているので、小柄な日本人の女性の場合はもう少しカロリー消費は少ないかもしれませんが、意外にもカロリーを消費していることがわかるでしょう。

 

また、この研究によって、世間で信じられている運動の効果も実際には思い込みの効果が強いかもしれないという可能性も示されました。なぜなら、一部の研究では実際の運動量を計測しているのではなく、自分がどれだけ運動しているかを自己報告してもらう形式だからです。なので、実際に運動をしたからではなく、「運動している」という思い込みによって健康効果が出ている可能性があります。

逆に言えば、「自分が意外と運動している」と認識することによって、実際に健康効果が出やすくなると言えます。これほど手軽なテクニックはないでしょう。

 

【実践】肉体的な作業で消費されるカロリーを考えてみよう

紹介した研究では、エクササイズ効果の説明は口頭だけでなく、個人用の配布資料やホテルラウンジの掲示板のポスターという形式で提供されました。ですので、この記事を読むだけでなく、日頃から「作業が良い運動である」ということを思い出せるように情報保管しておくといいでしょう。

 

ステップ1:「日常運動リスト」を確認してみよう

筆者調べではありますが、日常の作業や動作で消費されるカロリーをまとめてみました。スクリーンショットをとっておきましょう。

行動 実施時間 消費カロリーの目安(50kg) 消費カロリーの目安(60kg)
掃除機をかける 15分 41kcal  50 kcal 
雑巾がけ・風呂掃除 15分 44kcal  53kcal 
皿洗いや食器片付け 10分 15kcal  18 kcal
料理 30分 50kcal   60 kcal
洗濯・干す・たたむ 15分 25kcal   30 kcal 
窓拭き・モップ掛けなど床掃除 15分 40kcal  48 kcal 
階段を上る 2分 7kcal   8 kcal 
階段を下る 2分 6kcal   7kcal 
イヌの散歩 30分 75kcal  90kcal 
読書(立って) 30分 45kcal  54kcal 
子どもと遊ぶ(座って) 30分 55kcal  66kcal 
会話(立って) 10分 15kcal  18kcal 
参考サイト
消費カロリー早見表|タニタマガジン | タニタ
ご自身の消費エネルギー量を知り、生活習慣を見直してみましょう。家事・育児・日常生活・趣味・仕事中といった日常生活の動作ごとに消費カロリーをまとめています。ぜひ参考にしてください。タニタ マガジンは、「世界の人々の健康づくり」に貢献するため日...
家事エクサで簡単ながら運動|運動紹介|乾癬情報ナビスペシャルコンテンツ|SORA
協和キリン提供サイト「乾癬情報ナビ」の乾癬とメタボリックシンドロームに関するスペシャルコンテンツです。家も綺麗になって一石二鳥な運動として、家事エクサとその消費カロリーなどについて紹介しています。

意識的な運動をしていないという人でも、「これぐらいなら普段からやっている」という項目も多いのではないでしょうか。

 

ステップ2:リストの中で自分ができそうな項目を10項目ピックアップしてみよう

今回は基準として1日あたり200kcalの消費を目指してみましょう。一日あたり200kcalから以下のように計算でき研究で示されたものとおおよそ同じぐらいの減量効果が期待できます。

  • 1日200kcalは、体脂肪約30g分に相当
  • 週5日続けると、1週間で約1000kcal=脂肪約140g
  • 1か月で約5600kcal=約0.8kgの体脂肪減少効果が見込める。

 

例えば、体重60キロの人と仮定すると、1日当たりの運動量は以下のようにシミュレーションできます。

例:1日の消費カロリー(合計 約275 kcal)
朝(出勤前・家事時間)
  1. 乾いている洗濯物をたたむ(15分) :30 kcal
  2. 掃除機をかける (15分) :50 kcal
  3. 駅の階段を上る( 2分): 8 kcal

小計:88 kcal

 

昼(仕事・移動など)
  1. 仕事前や休憩中に同僚と立ち話する(10分):18kcal
  2. 駅の階段を下る:7kcal

小計:25kcal

夜(帰宅後・リラックスタイム)
  1. 風呂掃除する(5分):18kcal
  2. 料理 (30分) :60 kcal
  3. 皿洗いや片付け (10分): 18 kcal
  4. 子どもと遊ぶ(トランプやままごと遊び)  :66 kcal

小計:268 kcal

 

シミュレーションでは9項目を達成していますが、無理なエクササイズは何ひとつ行っていません。いちいち計算するのが面倒でしょうから、目安として体を動かしたり立ち上がったりする動作を8~10項目ぐらい取り入れてみるといいでしょう。

 

ステップ3:目につくところに掲示して運動している実感を得よう

ステップ1で示した「日常運動リスト」をスクリーンショットして紙に印刷し、目につくところに貼っておきましょう。「今日は何項目達成したか?」と確認することで、「今日もちゃんと動けている」と実感しやすくなります。

 

ステップ4:「動く時間」ではなく「動く機会」を増やす

ステップ3までで示したように、いつも行っている日常的動作を意識するだけで健康効果はあります。しかし、中にはデスクワークが中心で体を動かす機会がそもそもない人もいるでしょう。その場合は、意識的に動く機会を増やしてみましょう。

  • 電話中に立ち歩く。
  • 台を用意して洗濯物を畳むときは立ちながら行う。
  • 簡単な買い物はカートを使わずに行う。
  • 駅でエスカレーターを避けるなど。

 

まとめ

  • 「自分は運動できていない」と感じていても、実際には日常生活の動作で多くのカロリーを消費している。
  • 「自分が運動している」と認識するだけで、体重や体脂肪率が減少する。
  • 掃除や洗濯などの家事を運動として意識することで、1日200kcalほどの消費が可能。

運動の時間が取れない人でも、日常の家事や動作を「運動」として意識することで健康効果を得ることができます。大切なのは「時間を増やすこと」ではなく、「日常の動きを運動として認識すること」です。

 

 

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