「運動習慣が身につかないのは、性格のせいかもしれない?」
こんな疑問を抱いたことはありませんか?実は、性格と身体的な活動量には密接な関係があることが、過去の研究によって明らかになっています。
外向的・勤勉な人はよく運動するが、メンタルが弱い人は運動を避けがち!?
2006年に発表されたビクトリア大学の系統的レビューでは、外向的な人や勤勉な人ほど、より活発に体を動かす傾向があることが示されています。一方で、神経症傾向が高い人は、やや運動量が少なくなる傾向があるのだとか。
では、なぜ性格が運動習慣に影響を与えるのでしょうか?今回の記事では、この興味深い研究結果を詳しく解説しながら、自分に合った運動習慣を見つけるヒントを探っていきます。
2006年に発表されたビクトリア大学による系統的レビューによると、外向的な性格を持つ人は身体的な活動量が多いことが知られています。

方法
過去に行われた33件の性格と活動量に関する論文を精査。なお、ピックアップする論文の基準は以下の通り。
- ビッグファイブなどの性格(外向性・調和性・勤勉性・神経症傾向・開放性)を計測している研究であること
- 身体的に活動的なグループと活動的ではないグループを比較した研究であること
結果
- 神経症傾向が高いほど、わずかに身体的な活動量が低い傾向が見られた
- 外向性が高いほど、やや身体的な活動量が多い傾向が見られた
- 勤勉性が高いほど、やや身体的な活動量が多い傾向が見られた
要約・考察
研究で示されたことを要約すると以下の通りになります。
- 外向性や勤勉性が高い人のほうが身体的な活動を積極的に行う
- 神経症傾向が高い人は身体的な活動をあまり行わない可能性がある
性格特性のうち、外向性・勤勉性・神経症傾向について軽くおさらいしておきましょう。
- 外向性:社交的、活発的かどうか
- 勤勉性:意志力や責任感が強いかどうか
- 神経症傾向:不安やストレスを感じやすいかどうか
勤勉性が高い人に運動習慣があるのは納得の結果でしょう。真面目で先延ばしせずコツコツ物事に取り組むことができる人は、運動の習慣も身につけていそうです。
また、外向性が高い方が身体的に活発であるという点もイメージがつきやすいです。外向性が高い人は人との交流や、活発な活動を好む傾向があるからです。またスリルを求める傾向から、多少危険なスポーツでも積極的に挑戦しそうです。
逆に、神経症傾向が高くメンタルが不安定な人は、やや運動をしない傾向にあります。理由としては、不安を感じやすい人は運動の機会を回避したり、先延ばししたりする傾向があるからです。加えて、健康への不安や、自分の体型への不安といったネガティブな理由で運動をしても、運動習慣が持続しにくいとも言えそうです。
【実践】友だちを巻き込んだ運動や、習慣化の工夫に取り組んでみよう!
私たちの性格は、生まれつきのものだけでなく、環境や経験によっても形作られるものです。そのため、「自分はもともと運動が苦手な性格だから…」と諦める必要はありません。
もし、外向性や勤勉性が高い人が運動を続けやすいなら、運動を「社交的な場」にしたり、習慣化の工夫を取り入れたりすることで、どんな性格の人でも身体活動を増やせるはずです。
ステップ1:友だちを巻き込んだ運動に取り組んでみよう
「自分は外向性が高い方かな」と思う人は少しの工夫で運動習慣が身につくでしょう。友達を誘って一緒に運動に取り組むことでモチベーションも続きやすいです。
1. ペアウォーキング & ジョギング
公園や川沿いを友だちとおしゃべりしながら歩く・走るのは、運動のハードルをぐっと下げてくれます。目的地を決めてカフェ巡りや観光気分で歩くのも楽しいですよ!
2. バドミントン & テニス
ラリーを続けることが目的なので、勝ち負けにこだわらずに楽しめます。軽く打ち合うだけでも運動になるので、初心者でも気軽に挑戦できます。
3. フリスビー & キャッチボール
公園でフリスビーを投げ合ったり、キャッチボールをしたりするのも、意外と良い運動になります。アウトドア気分を味わいながら、リラックスして体を動かせます。
4. ダンス(TikTokやエクササイズ動画)
TikTokのダンスチャレンジや、YouTubeのエクササイズダンスを友だちと一緒に挑戦するのも楽しい!「これできる?」と競い合いながら踊ると、自然と運動になります。
5. ボルダリング
一緒にルートを考えながら登るので、ゲーム感覚で楽しめるスポーツ。成功したときの達成感を共有できるのも魅力です!
6. 卓球
狭いスペースでできるスポーツなので、軽く遊び感覚で楽しめます。ダブルスでチーム戦をすると、より盛り上がりますよ!
7. ヨガ & ストレッチ
ジムやオンラインレッスンに参加して、一緒にヨガをするのもおすすめ。友だちとペアヨガに挑戦すれば、笑いながら楽しく体を動かせます。
8. ボーリング
ガチなスポーツではないけれど、腕や脚を使うので意外と運動になります。チーム対抗戦にすると、さらに盛り上がること間違いなし!
9. サイクリング(サイクリングロード巡り)
友だちと一緒にサイクリングロードを走ると、爽快感があって気持ちいい!途中で休憩スポットを決めて、美味しいものを食べるのも楽しみの一つ。
10. トランポリン(室内施設)
最近人気のトランポリンパークは、楽しくジャンプしながら全身運動ができるスポット。大人でも童心に帰って楽しめるので、思いっきり体を動かせます。
ステップ2:内向的な人でも続けられそうな運動方法を実践しよう
「自分はどちらかというと内向的だな」と思う人は、無理に賑やかなスポーツをやる必要はありません。一人で静かに取り組むことができる運動方法を探してみましょう。
1. ウォーキング & ジョギング(自然の中で)
静かな公園や川沿いなど、人混みを避けた場所でウォーキングやジョギングをすると、リラックスしながら運動ができます。音楽やポッドキャストを聴きながら、一人の時間を楽しむのもいいでしょう。
2. ヨガ & ストレッチ
ヨガやストレッチは、落ち着いた環境で自分のペースで取り組める運動です。特に、家でできるオンラインヨガやYouTubeのヨガレッスンを活用すれば、人と接することなく続けやすいでしょう。
3. 自宅での筋トレ(自重トレーニング)
ジムに行くのが苦手な人は、自宅でスクワットやプランクなどの自重トレーニングをするのがおすすめ。アプリや動画を活用すると、一人でも効果的に取り組めます。
4. サイクリング(ソロライド)
一人で景色を楽しみながらのサイクリングは、内向的な人にぴったり。特に、自然の多い道をゆっくり走ると、気分転換にもなります。
5. スイミング
水の中は静かで、人と会話をする必要もないため、スイミングは内向的な人に向いています。一定のリズムで泳ぐことで、瞑想のようなリラックス効果も期待できます。
6. ダンス(自宅で)
人前で踊るのは苦手でも、家で好きな音楽をかけながら一人でダンスをするのは気軽に楽しめます。動画を見ながら真似するだけでも、良い運動になります。
7. ピラティス
ヨガと似ていますが、ピラティスは体幹を鍛える運動です。呼吸を整えながら動くことで、心も落ち着きます。オンラインレッスンや動画を活用すると、静かな環境で楽しめます。
性格に合った運動習慣を見つけてみよう!
自分の性格の傾向を理解し、それに合った方法で運動を取り入れることで、無理なくアクティブな生活を送ることができるのではないでしょうか?
「運動と性格」の関係を知ることで、自分にぴったりの運動習慣を見つけてみましょう!
【関連知識】

↑2005年にオーストラリアのアデレード大学が発表した研究では、外見を改善する理由で運動すると逆に外見へのコンプレックスが高まってしまうことが知られています。やはり運動を行うときには、「日々を健やかに過ごすため」「運動するのが楽しいから」といった前向きな理由を持つのが望ましいと言えます。
コメント