出世する人の特徴は「まじめ」だけじゃない?昇進しやすい10の特徴

性格を活かす・見抜く

今回は管理職やリーダー職を目指している人に向けた内容です。2024年にゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンなどの研究者が発表した論文によると、性格が出世のしやすさに関わっているそうです。

  • 「チームは上司やチームの方針を尊重して協調性を発揮している。」
  • 「熱意を発揮してアピールしている。」

もしかすると、これらの取り組みが出世においては逆効果になっているかもしれません。出世に本当に有利な性格を把握して、自分の性質を出世にうまく活用できるように工夫してみましょう。

 

ビッグファイブとは?24の性格で昇進しやすさがわかる!

「ビッグファイブ」とは、人間の性格を5つの特性でとらえる心理学の代表的モデルです。5つの特性は「外向性・協調性・勤勉性・神経症傾向・開放性」と呼ばれます。

  • なお、それぞれの特性はさらに細かな「下位特性」に分かれ、性格のニュアンスをより正確に把握できます。
  • 例えば、「外向性が高い」と言っても、「社交的」なのか「主導的」なのかで人柄のイメージは異なります。

 

また、ビッグファイブを診断するテストにはいろいろあります。今回紹介する研究で用いられたのは「Reflector Big Five Personality」という性格テストで、以下のような下位特性が設定されています。

Personality
Personality
因子 主な下位特性 概要
外向性 社交性・活力・率直さ・主導性・熱意 社交的で活動的な性格傾向。人との関わりやリーダーシップで発揮される。
協調性 信頼性・同意性・従順性・寛容さ・思いやり 他者との調和を重視し、協力的・思いやりのある傾向。
勤勉性 完璧主義・達成欲・計画性・慎重さ・自己管理 責任感が強く、目標達成に向けて粘り強く努力する傾向。
神経症傾向 不安・怒りやすさ・解釈傾向・感情変動性・抑うつ ストレスや不安を感じやすく、感情が揺れやすい傾向。
開放性 想像力・好奇心・美的感受性・柔軟性 新しい考えや体験を受け入れる、創造的で探究的な傾向。

 

勤勉性は安定して有利に働き、協調性の一部は昇進に不利になる!?

2024年にゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲンなどの研究者が発表した論文によると、出世しやすい性格が調べられています。勤勉性や外向性の一部が高い人は出世しやすく、神経症傾向が高い人は出世しづらいと示されています。

 

Longitudinal Effects of Employees’ Big Five Personality Traits on Internal Promotions Differentiated by Job Level in a Multinational Company - Journal of Business and Psychology
Promotions are central to individual career success. For organisations, it is crucial to identify and develop employees ...
内容

多国籍卸売企業の従業員1774人を対象。

性格(ビッグファイブ)がどのように昇進の可能性に影響を与えるかを調べた。なお、性格は「Reflector Big Five Personality」という性格テストを使って調べ、ビッグファイブの下位特性のレベルまで調べた。

 

一般職・初級管理職・上級管理職など昇進の難しさによってレベル分けして調べた。

  • 一般職:管理職ではない現場の社員。
  • 初級管理職:チームリーダーや小規模な部署のマネージャー。
  • 上級管理職:部下数が多く、より大きな責任や権限を持つマネージャー(部門長や副社長など)。

 

調べる際、対象を二つのグループに分けて比較。

  1. 調査期間で昇進した従業員(一般職内への昇進or一般職から初級管理職への昇進or初級管理職から上級管理職への昇進)
  2. 調査期間で昇進しなかった従業員

 

結果(全体での昇進しやすさ)

結果を総合すると、昇進しやすい性格は以下の通りだった。

  • 神経症傾向が高いほど昇進しづらい傾向があった。
  • 勤勉性が高いほど昇進しやすい傾向があった。
  • なお、昇進が難しい役職になるほど性格の影響は出づらい傾向があった。

 

下位特性を見てみると以下の通り。

  • 昇進しやすい下位特性の性格:想像力(開放性)、完全主義(勤勉性)、達成欲・意欲(勤勉性)、主導性(外向性)
  • 昇進しづらかった下位特性の性格:従順さ(協調性)、他者への信頼(協調性)、過剰な解釈傾向(神経症傾向)

 

結果(一般職内での昇進しやすさ)

一般職内だけを分析すると、昇進しやすい性格は以下の通りだった。

  • 勤勉性が高いほど昇進しやすい傾向が見られた。
  • 年齢や性別地域を考慮した場合、協調性が高いほど昇進しやすい傾向がありました。
  • 神経症傾向が高い人ほど昇進しづらい傾向があった。
    • なお、年齢や性別地域を考慮した場合、神経症傾向が不利な影響はなくなった。

 

一般職内で、下位特性に注目した場合は以下の通り。

  • 昇進しやすい下位特性の性格:社交性(外向性)、活力(外向性)、主導性(外向性)、想像力(開放性)、達成欲(勤勉性)、素直さ(外向性)
  • 昇進しづらかった下位特性の性格:内向性・控えめさ(神経症傾向)、熱意(外向性)、同意性(協調性)

 

考察

研究のポイントを簡単にまとめると以下のようになります。

  • 全体の傾向としてメンタルが強く、勤勉な人ほど昇進しやすい。
  • より細かく見ると、「達成欲」や「活力」「社交性」が高いのは有利。
  • 「他人を信頼する」「従順である」などの側面は不利に働く場合もある。

 

神経症傾向(=不安になりやすい性格特性)が低く勤勉性(=きっちり計画建てて動く性格特性)が高い人ほど昇進しやすいのはイメージ通りでしょう。協調性に関しては有利になる側面と不利になる側面があるようです。

  • 神経症傾向に関しては、ネガティブ思考で気分が不安定な場合、仕事のパフォーマンス低下しやすく、自意識過剰な傾向からリーダー的行動を避けやすいからです。
  • 勤勉性に関しては、勤勉で責任感があり、自己効力感と意欲が高い方が仕事の成果を上げやすいでしょう。
  • 協調性に関しては、
    • 一般職の昇進では、有利に働きました。あまり競争が激しくなく、チームワークが求められる職種では有利に働くと言えます。
    • 全体での昇進では、協調性が高くても低くても関係がなかったようです。むしろ、協調性のなかの「他人を信頼する」「従順である」などの性質は不利に働くようです。

 

また、研究によると、キャリア初期段階では性格が昇進に与える影響が大きいようです。なぜなら、上司や人事が性格や対人スキルなどの特徴を重視するからです。逆に、より高いレベルの昇進では個人の性格よりも実績や人脈、能力といった要素が重要視されるのでしょう。

 

詳細に分析!出世に有利・不利な性格早見表

出世の種類 全体 一般職内 一般職→初級管理職 初級管理職→上級管理職
有利になる性格 勤勉性 協調性 勤勉性
不利になる性格 神経症傾向 神経症傾向 神経症傾向
有利になる性格(下位) 想像力、完全主義、達成欲、主導性 社交性、活力、主導性、想像力、達成欲、率直さ 活力、想像力、達成欲柔軟性自己管理 達成欲計画性
不利になる性格(下位) 従順さ、他者への信頼、解釈傾向 内向性・控えめさ、熱意、同意性 熱意、他者への信頼 解釈傾向
※太字は年齢や性別地域の影響を考慮しても効果が残ったもの。

 

出世する人の10の特徴

研究の内容を踏まえて、以下にそれぞれの性格が昇進において有利・不利になるイメージをまとめてみました。性格自体を変えることは一朝一夕ではできないので、今の自分に当てはまる部分を探してみましょう。

 

  • 想像力:新しいアイデアを生み出す、創造性
    • 新規事業の提案や、社内の改善プロジェクトで発揮されやすい。
    • 例:課題を前にして「今までにない方法を試してみよう」と発言し、チームに新しい方向性を与える。
  • 完璧主義:細部までこだわる、ミスを許しにくい性格傾向
    • 「正確さ」が重要な職種で有利。
    • 例:プレゼン資料の表記揺れやデータ誤りを事前に潰し、信頼を得る。
  • 達成欲:目標を追う意欲が高い傾向
    • 営業・研究・企画など、明確な成果指標がある仕事で発揮される。
    • 例:ノルマ未達の時も自ら戦略を見直し、最後まで諦めずに数字を伸ばす。
  • 主導性:他者を率いる、主体的に動く傾向
    • チームでのリーダーシップや、意思決定の場で力を発揮。
    • 例:会議中、方向性が曖昧なときに「ではこう進めてみましょう」と提案できる。
  • 社交性:他者と関わることを好む傾向
    • 対人関係が成果に直結する職場で強い。
    • 例:部署間の壁を越えて情報をつなぎ、プロジェクトを円滑に進める。
  • 活力:行動量・エネルギーを出して動く傾向
    • 行動力が評価される企業文化(営業、スタートアップなど)でプラス。
    • 例:他のメンバーが迷っている間に顧客訪問を重ね、チャンスをつかむ。
  • 率直さ:言いたいことをはっきり言う傾向
    • 意思疎通が早く、上司や部下との関係をクリアに保ちやすい。
    • 例:曖昧な指示に対して「目的をもう少し具体的に教えてください」と伝えられる。
  • 柔軟性:変化に抵抗が少なく、新しい考え方や環境に適応できる傾向
    • 急な方針転換や組織再編でも冷静に対応し、成長のチャンスを見出せる。
    • 例:「新規事業への異動」や「デジタル化推進プロジェクト」で早く流れを掴む。
  • 自己管理:自分を律し、目標に向けてコツコツ努力できる傾向
    • 営業や企画など結果を積み重ねる職種で強みを発揮。
    • 例:在宅勤務などの誰にも見張られない環境でも安定して成果を出せる
  • 計画性:物事を順序立てて考え、先を見据えて行動できる傾向
    • スケジュールやリスク管理に強く、チームを安定して引っ張る。
    • 例:「この人に任せれば安心」と思われるマネージャーに。

 

出世しない人の6つの特徴

「従順さ」や「信じやすさ」など一部の協調性の性質は不利になることもあります。

  • 従順性:他者に譲る、控えめな姿勢
    • 自分の意見を出さず指示待ちに見えることも。
    • 例:会議で自分の意見を言わず「上司が言うならそれで…」と終える。
  • 解釈傾向:物事を悲観的な見方で解釈する傾向
    • 失敗や批判を過度に個人的に受け取りやすく、挑戦を避ける傾向。
    • 例:一度のミスで「自分には向いていない」と思い込む。
  • 信頼性:他者を信じやすい
    • ビジネス交渉などでリスクを見抜けない場合も。
    • 例:相手の言葉をそのまま信じて確認を怠り、トラブルが発生。
  • 内向性・控えめさ:感情を抑える、控えめな性格傾向
    • 存在感が薄く見えやすい。
    • 例:成果を出しても自己アピールせず、上層部に評価されない。
  • 熱意:ポジティブな感情を外に表現しやすい傾向
    • 「感情的」「軽い」と捉えられる場合がある。
    • 例:部下の失敗にも明るく対応するが、上層部には緊張感がないと映る。
  • 同意性:他者と意見を合わせようとする傾向
    • 衝突を避けるあまり、意思決定が遅くなったり、説得力を欠くことがある。
    • 例:チーム内で意見が割れたとき「どちらでもいいです」と合わせてしまう。

従順性・同意性・信頼性は協調性の下位特性です。協調性が高いことはチームプレイを行う上では有利になりますが、激しい出世競争の中では不利になる可能性があるということです。

 

まとめ

  • 2024年のゲオルク・アウグスト大学の研究では、「性格」が出世しやすさに影響することが示された。
  • 特に「勤勉性」はキャリアを通して出世しやすい。キャリアの初期から中期では「外向性の一部(主導性・社交性など)」や「開放性の一部(想像力、柔軟性)」が昇進に有利に働く。
  • 「控えめさ」「悲観的な解釈傾向」は出世を妨げる傾向がある。意外にも「従順さ」「他者への信頼」「活力」も出世では不利。
  • キャリア初期(一般職レベル)では性格の影響が大きく、上級職ほど実績や人脈の比重が高まる。

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