今回はメンタルの弱さや繊細さを活かしたい人に向けた内容です。
メンタルが弱い特性を持っていると、社会でも日常生活でも生きづらさを感じるため、「こんな性格が嫌だ…」と嫌悪してしまいますよね。しかし、実は弱いメンタルが創造的活動につながることが示されています。
アーティストは精神病が多い…わけではないが、メンタルは弱い
アーティストなどの創造的な人は「精神が普通ではない」と思われている一面もあります。では、メンタルの弱い人はいっそのこと、どっぷりと負の感情に浸り、創作活動に励んでみればいいのでしょうか?
答えはノーです。どっぷり負の感情に浸らなくても、少しメンタルが弱い傾向があるだけでアーティストの素質はあるかもしれません。
内容
作家40名、音楽家40名、アーティストではない40名(対照グループ)をランダムに抽出。性格特性と精神疾患などを調べた。
結果
- 音楽家や作家において、その家族でも創造的活動をしている人が多かった。音楽家で100%、作家で82.5%だった(対照グループは15%)。
- 特にアーティストの子どもは、執筆・演劇・音楽・ダンス・絵画などの創造的な活動に従事している割合が高かった。
- アーティストの家族には精神疾患の発生率が高かった。特に気分障害(うつ病など)が多かった。
- しかし、アーティスト本人は対照グループと比べて精神疾患はやや多いものの、ほとんど変わらなかった。
- 対照グループと比べると、アーティストのグループでは神経症傾向が高い傾向が見られた。また、外向性・協調性・誠実性・開放性も高い傾向が見られた。
考察
研究のポイントを簡単にまとめると以下のようになります。
- アーティストの家族は精神疾患が多いものの、本人が精神疾患にかかっている割合は特別高くなかった。
- アーティストはメンタルが弱い(神経症傾向が高い)傾向がある。
「アーティストは精神がやられやすい」という世間のイメージはやや誇張されていると言えるでしょう。しかし、アーティストが性格的に不安を感じやすかったり、気分の浮き沈みが激しいことは確かなようです。
理由は、芸術的な活動にメンタルの弱さが役立つと考えられるからです。
- メンタルが弱い人は作品を一種のセラピーとして捉えている側面があります。
- メンタルが弱い人は周りの状況や自分の内面が正しくないと考え、それを変えようと動く側面があります。
注意点として、この研究は作家と音楽家だけを対象としているため、その他の分野のアーティストでも同じことがいえるとは限りません。また、アーティストとして活動しているかどうかだけを基準にしており、実際に創造性を測るテストが行われていません。なので、この研究だけではアーティスト=神経症傾向が高い人が多いということはわかりましたが、神経症傾向が高い人=創造性が高いと言い切ることはできません。
メンタル弱者ほど今の現実や状況を変えようとする
メンタルが弱い人は、他人が気づかない違和感に敏感で、「何かが正しくない」と感じると、そのままでは落ち着けません。音楽や絵画などのアートとして自分の気持ちを昇華しようとする過程で、作品が生まれるのです。
例
- 街中で見た広告の言葉が無神経だと感じ、「どうすれば人を傷つけない表現にできるか」と考え始める。
- 友人関係の中で感じた違和感を整理するために、詩や絵にして表現してみる。
- 自分の内側で渦巻く不安を、音や色で具現化することで、ようやく安堵を得る。
このように、「世界をよりよい形に修正したい」「心の中の混乱を外に出して整えたい」という動機が、創作行動を生み出すエネルギー源になります。
アーティスト気質=精神疾患にならないまでもメンタルがブレやすい一面のある人
【実践】メンタルの弱さを創作活動に活かしてみよう
ステップ1:メンタルの弱さが創作につながるイメージを持ってみよう
「自分がこう感じる世界こそ真実だ」「自分の視点を見せたい」という思いが、他人の常識を超えた表現を生み出します。メンタルの落ち込みから想像の流れをシミュレーションしてみると、以下のようになります。
- 不安・苛立ち・喪失感を感じる
- それをどうにか整理しようと、言葉・音・映像・形などの外の世界に投影し始める
- 作品という形に昇華され、他者と共有できる意味に変わる
こうしたプロセスは、例えば絵画のカンディンスキーや作家の太宰治にも見られます。
ステップ2:メンタルの弱さを深掘りしてみよう
メンタルが弱い性格と一口に言っても、さまざまな特徴があるでしょう。例えば以下のうち自分がどれに当てはまりやすいかを考えてみましょう。
例
- イラッとしやすく衝動的。
- 些細なことで不安になったり落ち込んだりする。
- 自意識が強く、他人の評価や批判を深く気にしてしまう。
ステップ3:創造的な活かし方を考えてみよう
例:イラッとしやすい性質を活かす
- シチュエーション:頑固な高齢者と話したときにイラッとした。
- 創造:「『昔はこうだった』」とか昔の常識を持ち出す老害って、自分が最新の教養を身につけてないって言っているようなものじゃん。恥晒してるって気づかないのかね?」とパンチの効いた皮肉を考案
- →小説や脚本のセリフとして活かす。
例:抑うつ的な性質を活かす
- シチュエーション:仕事で後輩がどんどん成果を出し、自分だけが取り残された気がして、ふと無力感に襲われた。
- 創造:「もうだめだ。ボクのキャリアはExcelに人生を捧げた世代の化石として終わるのだろう。ChatGPTくん、君が代わりに出世してくれ」
- →くすっと笑える自虐ネタを創作。
例:自意識過剰な性質を活かす
- シチュエーション:女子に笑顔で話しかけられたのに、「きっとバカにされてる」と思ってしまう。
- 創造:「あれ? 笑ってたけど、俺に気があるのかな?いや、そんなわけない。ただの社交辞令の笑みだろう?。…いやまさか、…俺の格好をバカにしたのかぁ!?」
- →ラブコメのモノローグとして、主人公の“考えすぎる内心”をテンポよく描写。
まとめ
- 「メンタルが弱い=ダメ」とは限らず、繊細さや不安の感じやすさは創造性の源になりうる。
- 作家や音楽家などのアーティストは、神経症傾向が高く、不安や感情の揺れを創作のエネルギーに変えている。
- 研究によると、アーティストの家族には精神疾患が多いが、本人の発症率は一般人と大きく変わらない。
- 不安・嫉妬・孤独などの負の感情も、物語・音楽・絵などに形を変えることで価値へ転換できる。

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