今回は、運転の安全意識を高めたい人に向けた内容です。家族などの同乗者に「運転が怖い」と言われたことはありませんか?例えばこんなシーン。
- 前の車がゆっくり走っているときにイライラ。「なんでそんなに遅いんだ」と思いながら、気づけば車間を詰めていた。
- 右折レーンで後続車が続いていると「早く行かないと」と焦って、他のことに注意散漫になってしまう。
- 「まあ大丈夫でしょ」と交通ルールを軽視する。
このように、運転ではその人のクセがにじみ出るものです。そこで今回は性格と事故の関係について解説します。実は、自動車事故を起こしやすい性格が存在するのです。
事故を起こしやすいのは、メンタルが弱い人と勤勉ではない人
2025年にシーラーズ医科大学などの研究者たちによって発表された論文によると、勤勉性(=きっちり計画建てて動く性格特性)が低い人や神経症傾向(=不安になりやすい性格特性)が高い人は事故を起こしやすいことがわかっています。
内容
662人のサンプルを対象に、運転者の性格(神経症傾向、外向性、開放性、勤勉性、協調性)と交通事故を起こしやすいかを調べた。その際、サンプルを2つのグループに分けて比較。
- 事故歴ありのグループ
- 過去1年以内に事故歴なしのグループ(対照グループ)
結果
- 事故歴ありのグループでは、神経症傾向が高い傾向があった。
- 一方、外向性、協調性、勤勉性は、対照グループよりも低い傾向があった。
- 特に、高い神経症傾向と低い勤勉性が事故リスクにつながることが示された。
考察
神経症傾向は、情緒不安定、怒り、焦燥、不安などのネガティブ情動を持ちやすい性格です。ストレス状況下で運転に悪影響を与えやすいと言えます。例えば、運転における怒りやストレス耐性低さが事故リスクを高めることが考えられます。
勤勉性は、計画性・規律性・慎重さなどを含む性格です。勤勉性が高いほど交通ルールをよく守り、慎重で安全な運転を心がけるのは、イメージ通りと言えます。
また、外向性に関しては、過去の研究で外向性が高いほど事故リスクが上がりやすいとされることもありましたが、この研究では示されませんでした。外向性が高い人は、刺激を追求しリスクを楽しむ傾向があるため、危険な運転にもつながりそうです。しかし、外向性が高いから危ない運転をするという単純な関係は確認できなかったようです。
【実践】自分の性格から運転の傾向を知ろう!
ステップ1:自分の性格を把握してみよう
まずは運転の危なさに関係する神経症傾向と勤勉性の性格を診断してみましょう。


ステップ2:神経症傾向が高い人の運転の傾向を知ろう
神経症傾向が高い人には以下のようなリスクがあると考えられます。
イライラしやすく、他車の行動に怒りを感じやすい
- 前を走る車が制限速度以下で走っていると「遅い!」と感じ、無意識に車間を詰めてしまう。
- 信号が変わった瞬間に発進しない車にクラクションを鳴らしたくなる。
- 焦りから判断を誤ったり、相手の行動を誤解して危険な距離を取ってしまう。
焦って判断を誤ることがある
- 右折レーンで後続車が続いていると「早く行かないと」と焦り、対向車の距離を見誤ってギリギリで曲がってしまう。
- せかされる感覚に弱く、冷静な判断ができなくなる傾向がある。
不安から注意が散漫になる
- 「ぶつけたらどうしよう」「後ろの車が近い」と不安が頭をよぎり、前方への集中が途切れる。
- ミラーばかり気にしてブレーキのタイミングが遅れる。
- 注意しているつもりが、結果的に見るべき場所を見ていない状態になりがち。
ステップ3:神経症傾向の高さへの対策を立てよう
- 怒りを感じたときの合図を決めておく
- 例:「クラクションを聞いた瞬間に深呼吸1回」など、自分のトリガー対策を習慣化。
- 不安を減らすための「予測運転」練習
- 例:「もし前の車が急停車したら」「もし右折してきたら」と常に先読みをしておくと、突然の事態に驚かない状態を作りやすい。
- ストレス時には運転しないという判断を持つ。
- 例:運転ができる家族がいれば、「私は気持ちが疲れやすいから、精神的に疲れているときには運転を担当してもらっていい?」と取り決めておく。
ステップ4:勤勉性が低い人の運転の傾向を知ろう
勤勉性が低い人には以下のようなリスクがあると考えられます。
ついスピードを出しすぎる
- 目的地までの時間を気にして、信号が青になると一気に加速。
- 周囲の流れに合わせるよりも、自分のペースで走りたくなる。
- 「慣れた道だから大丈夫」と思って油断しやすい。
「まあ大丈夫だろう」と確認を省略する
- 駐車場からバックで出るとき、ミラーや後方確認をざっと見ただけで発進。実際には死角に自転車がいたことに気づかずヒヤリ。
- 確認する習慣より直感で動くクセが出やすい。
ルールを意識するより感覚で動く
- 黄信号で「まだいける」と交差点に突っ込む。追い越し禁止区間でも「見える範囲に車がいない」と判断して追い越す。
- 感覚頼りの運転が多く、リスク予測が甘くなる傾向。
ステップ5:勤勉性の低さへの対策を立てよう
- 運転ルールを「ルーティン化」してテンポよく確認する。
- 1:シートポジションOK?(背もたれ・距離・ペダル確認)
- 2:ミラー3点チェック!(ルーム・右・左)
- 3:ベルトカチッ!(音で完了感を得る)
- ここまで10秒。体を動かすルーティン動作で自然と集中が入る。
- 子どもや家族と一緒に「安全チェック・ゲーム」にすると、家族全体の安全意識も上がる。
- 例:「ミラーよし!」「ベルトよし!」「スマホOFFよし!」を掛け声にして確認。
- 「1分の余裕」を意識して出発する。勤勉性が低いタイプは「時間ギリギリ」から焦り運転になりやすい。
【実践②】この人の車には乗らないほうがいい!?性格から運転の傾向を見抜く!
今回紹介した研究の内容を人を見抜くテクニックとしても使ってみましょう。
ステップ1:運転や移動に関する話題を軽く振ってみよう(運転→性格)
例
- 「昨日の帰り、渋滞すごかったね」→「まあ急いでたからちょっと飛ばしちゃった」
- 「車線変更は慎重にしてる?」→「あまり気にしないよ」
- 車に小さな擦り傷やへこみが多いことを観察→「この傷はどうしたの?」→「まあぶつけちゃったけど気にしてない」
以上のような返答があれば、焦りやすい・衝動的・注意不足など性格傾向がつかめるでしょう。
ステップ2:神経症傾向や勤勉性に注目して、運転スタイルを予測してみよう(性格→運転)
普段の振る舞いから性格を把握していれば、その人の運転の傾向も知ることができます。
- イライラしている、怒りっぽいor不安によってパニックやヒステリックを起こしやすい→神経症傾向が高め→焦りやイライラによって事故を起こしやすいかも
- 慎重さや計画性の欠如が見える発言→勤勉性が低め→確認不足やルールの軽視によって事故を起こしやすいかも
まとめ
- 運転には性格のクセが出やすく、特に「神経症傾向が高い人」と「勤勉性が低い人」は事故リスクが高いことが研究で示されている。
- 神経症傾向が高い人は、イライラ・不安・焦りから判断を誤りやすい。対策として「怒りのサインを決める」「予測運転」「ストレス時は運転を控える」が有効。
- 勤勉性が低い人は、確認不足・ルール軽視・感覚頼りの運転をしがち。対策として「運転前のルーティン化」「時間をかけなくてもできる安全チェック」「時間に余裕を持つ」が効果的。
- 性格を理解して運転を見直すことは、自分や家族の安全につながる重要なステップとなる。

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