部屋から性格を見抜く!性格が表れる32項目の観察リスト【オフィス&寝室】

性格を活かす・見抜く

今回は、シャーロック・ホームズのように「部屋を観察するだけでその人の人となりを見抜きたい」という人に向けた内容です。

 

オフィスや寝室を見るだけでその人の性格を見抜く!

2002年にテキサス大学などの研究者たちが発表した論文によると、オフィスや寝室を見るだけでその人の性格を見抜くことができるようです。まるで名探偵シャーロック・ホームズが、特定の部屋を観察して住んでいる人の行動や外見的な特徴などを当てる場面を彷彿させます。なかなかロマンのある研究で、実用性も高いので見ていきましょう。

A room with a cue: personality judgments based on offices and bedrooms - PubMed
The authors articulate a model specifying links between (a) individuals and the physical environments they occupy and (b...

 

実験を率いた心理学者サム・ゴズリングは、部屋にはその人の性格がにじみ出ると考えました。なぜなら多くの時間を自宅や職場といった空間で過ごすからです。自分好みに空間を装飾する際には色や装飾品などを自分の好みで選びます。それだけでなく、機能性を求めるかデザイン性を求めるか、どんなものを置くかなどでその人の価値観も現れるでしょう。

 

なお、ゴズリングたちの研究では、以下の4種類のデータを集めています。

  1. 観察する人が同じような印象を抱くか:観察チームを用意して、生活空間だけを見てから居住者の性格の予想を行ってもらった。また、観察者同士の評価が一致しているかどうかを調べた。
  2. 観察した結果が実際に正しいか:観察者の評価と居住者本人の性格が一致しているかどうかを調べた。なお、居住者本人の性格は、本人による自己評価と本人に近しい知人1~2人からの評価を使った。
  3. 手がかりについて:実験者2~3人が各部屋の特徴を記録した。
    1. 注目されやすい手がかりは何か:部屋に残る手がかりのうち、観察者はどこに注目しているのか。(例:勤勉性を評価するときには部屋が整然さに注目するか)
    2. 注目した手がかりが正しいか:部屋に残る手がかりが、実際に性格と一致しているか。(例:実際に勤勉性が高い人は部屋が整理整頓されているか)

今回の記事では、観察した結果が実際に正しいか注目した手がかりが正しいかの2点に注目していきます。

 

内容(実験①)

オフィスにおける性格の推定。広告代理店、不動産会社、ビジネススクール、建築事務所などのオフィスで実際に働く94人の従業員(平均年齢37歳)を対象。

  • 実験に協力してくれた8人の観察者が、対象者のオフィスを見て対象者の性格について評価を実施。
  • 部屋の特徴について43項目(整理整頓度合い、整然さなど)をリストアップして、どんな特徴に注目していたのかを調べた。

 

結果①
  • 観察した結果が実際に正しいかに関して、観察者は対象者の性格をかなり正確に予想することができていた。
    • 正確性が高い順に開放性・外向性・勤勉性・情緒安定性となり、協調性は正確に判断されなかった。(平均の相関係数r=0.22)
    • 観察者が対象者と一切接触していないことを考えると、高い数値と言える。
  • 注目した手がかりが正しいかに関して、
    • 勤勉性:よく整理されたオフィス(相関係数r=0.35)、きれい(r=0.30)、散らかっていない(r=0.29)などの項目は勤勉性を予想するのに有効だった。
    • 開放性:独特(r=0.30) 、型にはまらない(r=0.24)などの項目は開放性を予想するのに有効だった。
    • 外向性:温かみがある:(r=0.26)、装飾がある(r=0.27)、招き入れる雰囲気(r=0.29)などの項目は外向性を予想するのに有効だった。
    • 協調性や情緒安定性に関して、正確に予測する手がかりは見られなかった。

 

内容(実験②)

寝室における性格の推定。アパート、寮、個人宅、共同住宅などに住む83人(平均年齢21.9歳)の住居者を対象。おおよその流れは実験①と同様。

  • 7人の観察者が寝室を観察して性格を予想。
  • 3人の実験者が部屋の特徴について42項目をリストアップした。

 

結果②
  • 観察した結果が実際に正しいかに関して、実験①のオフィスのときよりも性格を予想する精度が高かった。(平均の相関係数r=0.37)
    • 精度は開放性で最も高く、勤勉性と情緒安定性も高かった。外向性と協調性も予想できたが精度は低めだった。
  • 注目した手がかりが正しいかに関して、
    • 勤勉性:整理整頓され(相関係数r=0.29)、きちんとして(r=0.27)、散らかっていなかった(r=0.32)などの項目は勤勉性を予想するのに有効だった。
    • 開放性:部屋の独自性(r=0.35)、本の種類の多様性(r=0.44)、雑誌の種類の多様性(r=0.51)などの項目は開放性を予想するのに有効だった。
 
結果まとめ
研究で示された、性格を予想できる部屋のなかの手がかりをまとめてみました。
  • 数字は相関係数を示しています。
  • 研究で性格との明らかな関連性がみられたものだけをピックアップしています。
  • 「正」は正の相関(手がかりが見られるほど、その性格が高い)、「負」は負の相関(手がかりが見られるほど、その性格が低い)を示しています。
性格の予想に有用な手がかり(オフィス)
環境の手がかり 外向性 協調性 誠実性 情緒安定性 開放性
新鮮 (vs よどんだ空気)         正(0.24)
暑い (vs 寒い) 正(0.26)        
良好 (vs 劣悪な状態)     正(0.25)    
装飾されている (vs されていない) 正(0.27)     負(-0.26)  
清潔 (vs 不潔)     正(0.24)    
整理されている (vs 乱雑)     正(0.35)    
きちんとしている (vs 散らかっている)     正(0.30)    
物が多い( vs 少ない)     正(-0.29)    
居心地が良い (vs そっけない) 正(0.29)        
個性的 (vs 普通)       負(-0.24) 正(0.30)
おしゃれ (vs ダサい)         正(0.26)
フォーマル (vs インフォーマル)       正(0.27)  
伝統的 (vs 型破り)         負(-0.24)
中央 (vs 周辺に位置)          
人通りが多い (vs 少ない)   正(0.25)      
本が多様 (vs 同質的)     負(-0.32)    
雑誌が整理されている (vs 乱雑) 負(-0.43)        
CD が多様 (vs 同質的)     負(-0.62)    
 
性格の予想に有用な手がかり(寝室)
環境の手がかり 外向性 協調性 誠実性 情緒安定性 開放性

家の中の騒音(vs 静か)

正(0.25)        
明るい(vs 暗い)     正(0.26)    
整理されている(vs 乱雑)     正(0.29)    
きれい(vs 散らかった)     正(0.27)    
物が多い(vs 少ない)     負(-0.32)    
物が多い(vs 空っぽ)     負(-0.26)    
快適(vs 不快)     正(0.24)    
個性的(vs 平凡)         正(0.35)
モダン(vs 古風)     正(0.24)    
本が整理(vs 無整理)     正(0.24)    
本が多様(vs 均一)         正(0.44)
雑誌が整理(vs 無整理)   負(-0.38)      
雑誌が多様(vs 均一)         正(0.51)
CD が整理(vs 無整理)     正(0.27)    
CD が多様(vs 均一)   負(-0.26)      
文房具が整理(vs 無整理) 正(0.26)        
 
考察

研究のポイントを簡単にまとめると以下のようになります。

  • オフィスの特徴から性格を見抜く際には、開放性・勤勉性・外向性は見抜きやすいが、協調性と情緒安定性は見抜きづらい。
  • 寝室から性格を見抜く際には、開放性・勤勉性・情緒安定性は見抜きやすいが、外向性と協調性はやや見抜きづらい。
  • 居住者の開放性が高いと、デスクやベッドの周りの雰囲気は独特なものになる傾向があり、型破りなデザインの物が置かれる。いろいろなジャンルの本や雑誌、CDが置かれる傾向がある
  • 居住者の勤勉性が高いと、デスクやベッド周りは綺麗で片づいており、整頓されている傾向がある

 

また、観察者が注目したものの実際には性格の予想に役に立たなかった手がかりもありました。

  • オフィスのデスク周りがカラフルだと「外向性と開放性が高そう」と予想しがちであるが、実際にはどの性格にも関連していなかった
  • デスクの周りやベッドの周りに高級そうな物が置かれていると「勤勉性が高そう」と予想しがちであるが、実際にはどの性格にも関連していなかった

 

つまり、ある人が使っているオフィスや寝室を少しの時間観察するだけでも、その人の性格をかなり正しく予想することができるということです。しかも、観察者は心理学や人間観察に関する予備知識があったわけではありません。直感や世間的なイメージだけで、正しい情報源に注目し、正しく性格を予想することができたのです。といっても、中には注目したものの間違っている情報源も存在していました。

なお、オフィスよりも生活空間の方が予想の精度が高かったこともポイントです。理由は、生活空間の方が装飾の自由度が高く、個性を表しやすいからだと考えられます。また、オフィスのように他人に対して演出する必要がないため、より素直な性格が表れると考えられます。

 

勤勉性と開放性は部屋を見ると見抜きやすい、外向性は実際に会ったほうが見抜きやすい

似た研究として、過去の研究では「初対面研究」というものが行なわれています。「初対面研究とは、その人の性格についてほとんどが情報がない状況から性格を推定することができるかを調べる研究です。例えば、短い接触や写真だけ、服装などから推定します。

過去の研究結果では、初対面でも外向性や勤勉性は当てやすく、開放性と協調性は当てづらいという結果が出ています。つまり、その人が活発かどうかや、真面目かどうかは初対面でもわかります。しかし、知的好奇心が旺盛かどうかや人にやさしいかどうかはぱっと見でわかりづらいということです。

 

今回紹介した研究と、過去の研究で予想の正確さを比較したところ、初対面研究や長期研究(1年以上の友人関係など)と比べて、開放性や情緒安定性の予想は大幅に正確でした。しかし、外向性については初対面研究の方がわずかに正確だったようです

つまり、人を見抜く戦略は以下のようにまとめられます。

  • 外向性を知りたい場合は直接会う方が有効。
  • 開放性を知りたい場合は部屋を観察する方が有効。

 

【実践】部屋の特徴から性格を見抜いてみよう

実際に性格を見抜く手がかりとして有効だったものだけをまとめてみました。

 

オフィスから性格を見抜く16の手がかりリスト
環境の手がかり 性格(その考察) 観察ポイント① 観察ポイント②
新鮮 (vs よどんだ空気) 開放性が高い(好奇心旺盛な人は気分転換を好み、定期的に部屋をカスタムするため、フレッシュな雰囲気がある) 窓が開いている/観葉植物が元気/空気清浄機が使われている/レイアウトが定期的に変わっていそう(季節に合っているなど) 窓が閉め切り/植物が枯れかけ/古い紙の匂い/換気がされていない
暑い (vs 寒い) 外向性が高い(照明量が多い、人の動きが多いことで熱気がある) 温度が高い/暑い印象 温度が低い/寒い印象
良好 (vs 劣悪な状態) 勤勉性が高い(几帳面で定期的にメンテナンスするため) 照明が明るい/壁や家具が損耗していない/机の天板がきれい 照明が暗い/家具が破損している/カビや汚れが目立つ
装飾されている (vs されていない)

・外向性が高い(他の人が訪れることを想定したウェルカムな雰囲気を作っている)

・情緒安定性が低い(不安が強い人ほど自己励ましのメッセージ、癒しアイテム、置物で情緒を調整しがち)

写真たて、観葉植物、卓上フィギュア、アートポスター、励ましのメッセージ、旅行写真 何も置いていない、壁が完全に無装飾
清潔 (vs 不潔) 勤勉性が高い(几帳面で掃除が行き届いているため) ほこりが少ない/マグカップが洗われている/ゴミ箱が片付いている 食べかけのお菓子、カップに茶渋、机に指でなぞるとほこりがつく
整理されている (vs 乱雑) 勤勉性が高い(秩序を好むため) 書類がファイルにまとめられている/文具がトレイに収まっている/机に余白があり動線がスムーズ 書類の山が積まれ、どれも使いかけで秩序がない、床に物が置かれている
物が多い (vs 少ない) 勤勉性が低い(整理整頓が苦手であるため) 机上に複数の趣味アイテム/本が山盛り/装飾が多い 最小限のPCとノートのみ、机上に「何もない」印象
居心地が良い (vs そっけない) 外向性が高い(コミュニケーションを楽しめるような環境を作っているため) クッション、卓上ライト、ブランケット、柔らかい色味 事務机・事務椅子だけ/冷たい蛍光灯/個人要素ゼロ
個性的 (vs 普通) 情緒安定性が低い(メンタルが安定している人ほどあまり飾らないと言えるか)、開放性が高い(珍しいものに興味を示すため) 奇抜な色の文具、独特なアート、珍しい観葉植物、ユニークな雑貨 一般的な備品のみ/既製品で統一
おしゃれ (vs ダサい) 開放性が高い(審美眼があり、センスがあるため) センスの統一感、質感の良い小物、色のコーディネート ノベルティグッズばかり/色味がバラバラ
フォーマル (vs インフォーマル) 情緒安定性が高い(派手な演出をせず、基本と実用性を重視する傾向。物選びが慎重なため、空間が落ち着きやすい) 黒・白・グレー中心/装飾は控えめ/無機質でビジネスライク ポスターが多い、キャラもの、遊び心が強い
伝統的(vs 型破り) 開放性が低い(新しいものや奇抜なものを好まず、保守的なため) 木製家具、クラシック調の時計、落ち着いた配色 アート系ポスター、カラフルな家具、異素材の組み合わせ
人通りが多い (vs 少ない) 協調性が高い(人とやり取りしやすい配置を受け入れやすい。) 人が多く通る場所(受付近く、通路沿いなど)か、 奥のスペース、裏手の静かなエリア
本が多様 (vs 同質的) 勤勉性が低い(真面目な性格からオフィスに関係のない本を置きたがらないため) ジャンルがバラバラ(デザイン本、心理学、SF、ビジネス本が混在) ビジネス書ばかり、技術書ばかりなどジャンルが偏る
雑誌が整理されている (vs 乱雑) 外向性が低い(反対に、外向的な人は話題のためにもトレンドを追う傾向があり、量が多いため) スタンドに並ぶ/時系列に積まれている 床や机に積み上げ、どれが最新かわからない
CD が多様 (vs 同質的) 勤勉性が低い(反対に、勤勉な人は目的に沿った選択をするため、ジャンルが一貫しやすい) ジャンルが多い(クラシック・ロック・ジャズ・民族音楽など) 特定ジャンル(ジャズだけ、ロックだけ)が大量にある

 

寝室から性格を見抜く15の手がかりリスト
環境の手がかり 性格 観察ポイント① 観察ポイント②
家の中の騒音(vs 静か) 外向性が高い(音の刺激を求めるため) 場所的に外の音が入りやすい、音楽やテレビがつけっぱなし 静か、遮音カーテンがかけられている
明るい(vs 暗い) 勤勉性が高い(朝自然に自然光が入るように計算しているため、また読書や作業などに勤しむため) レースカーテン、照明が複数、自然光がしっかり入る 遮光カーテンで光を遮る/窓が小さく暗い
整理されている(vs 乱雑) 勤勉性が高い(秩序を好むため) ベッド周りがスッキリ/床に物が置かれていない 服が放置/読書中の本が積み上がる
きれい(vs 散らかった) 勤勉性が高い(几帳面であるため) シーツが整っている/清掃が行き届いている ゴミが残る/埃が多い
物が多い(vs 少ない) 勤勉性が低い(几帳面ではなく整理整頓が苦手なため) 棚や机に趣味物が多い/雑貨が多い ミニマルな家具配置/必要なものだけ
快適(vs 不快) 勤勉性が高い(部屋を清潔に保ち、手入れが行き届いているため) 柔らかい照明・加湿器・香り・クッション 硬い照明、寝具が薄い、湿気がこもる
個性的(vs 平凡) 開放性が高い(独特のセンスがあり、珍しいものに興味を抱くため) アートポスター、独特なベッドカバー、海外風インテリア 量産品で統一、無個性な色味
モダン(vs 古風) 勤勉性が高い(効率を重視し、整理や掃除をしやすいシンプルなものを好むため) シンプルな家具、余計な装飾がなくミニマル、間接照明やLEDライトなどの現代的な照明、ガラス金属アクリルなどの素材が使われた机や家具 木製で統一されている家具、白熱灯や布シェードのスタンドなどの照明、クラシックな柄(花柄、チェック柄など)の家具、アンティーク調の雑貨
本が整理(vs 無整理) 勤勉性が高い(几帳面で効率的な配置や分類を考えるため) ジャンル分け、縦に並ぶ、しおりが使われている 冊子が積み上がりジャンル不明
本が多様(vs 均一) 開放性が高い(知的好奇心の幅が広いため) 専門書・小説・エッセイ・写真集など混在 自己啓発だけ、ライトノベルだけなど偏る
雑誌が整理(vs 無整理) 協調性は「片付け」より「人間関係」を優先し、部屋の管理に強いこだわりがないことがある。 雑誌ラックに整然と収納 床置き、積み上げ
雑誌が多様(vs 均一) 開放性が高い(興味の幅が広いため) ファッション・ガジェット・料理・ビジネスと幅広い 特定系(ファッションだけなど)に偏り
CD が整理(vs 無整理) 勤勉性が高い(秩序を好み、分類が好きであるため) ケースが並び、分類されている バラバラに積まれ、ケースが開いたまま
CD が多様(vs 均一) 協調性がひ低い(協調的な人は特定のジャンルやアーティストのファンになりやすい) いろんなジャンルに手を出している 好きなジャンルが一貫している
文房具が整理(vs 無整理) 外向性が高い(反対に、内向的な人の方が文房具を使う頻度が多く散乱しがち) デスク上にペン立て/クリップ・メモが整然 ペンが散乱、メモがそこら中に放置

 

まとめ

  • オフィスや寝室には、持ち主の性格が反映される。
  • 開放性と勤勉性は、部屋の特徴から特に正確に推定できる。
  • ただし、外向性は短い対面のほうが正確に判断しやすい。
  • 開放性は本や雑誌の多様性、勤勉性は整理整頓の度合いで読み取れる。
  • 装飾や色彩など、観察者が注目しがちな手がかりが必ずしも正しいとは限らない。

部屋を観察するだけでも、その人の性格をかなり正確に推定できるのは驚きです。特に開放性や勤勉性は、オフィスよりも個人的な空間である寝室のほうがよく表れるので、性格を知りたい人の部屋を観察する機会があれば、こっそりと観察してみましょう。

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