販売実績が外向型より32%高い!「アンビバート」が最強な理由

性格を活かす・見抜く

今回は自分の性格の微妙さで悩んでいる人に向けた内容です。

性格検査などで「あなたの外向性は中ぐらいです」と言われると微妙な気持ちになりますよね。「自分はすぐに人と仲良くなれる外向型でもなければ、圧倒的な集中力を発揮できる内向型でもない中途半端な性格だ。」と悩んでいませんか。

しかし、外向型と内向型の中間に位置する「両向型(アンビバート)」の人にもメリットがあるのです。

 

収益が外向型よりも32%高い!「アンビバート」が販売職で最強な理由

外向性が中ぐらいの人(両向型の人)は、自己主張と物静かさを兼ね備えており、コミュニケーションにおいてバランスをとるのが得意です。

実際に、2013年にペンシルバニア大学ウォートン校の研究者によって発表された論文によると、
両向型は外向型や内向型よりも販売におけるパフォーマンスが優れていると示されています。

Rethinking the extraverted sales ideal: the ambivert advantage - PubMed
Despite the widespread assumption that extraverts are the most productive salespeople, research has shown weak and confl...

 

内容
  • 対象は340人(男性71%、女性29%、平均年齢19.9歳)のアウトバウンドコールセンターの担当者。外向性と販売収益の関係性を調べた。
  • なお、外向性は1から7までの7段階からなる4項目で回答した。例えば、「私はパーティーの中心人物だ。」「私はいつも目立たない。(逆転項目)」など。

 

結果
  • 外向性と販売収益は逆U字型の関係が示された
    • つまり、外向性が低い場合と外向性が高い場合には成績が振るわず、外向性が中ぐらいの場合もっとも成績が良かった
    • 具体的には、外向性を測る7段階尺度のうち4.5付近が最も販売収益が高くなった。
  • 総収益を比べると、外向性が中ぐらいの従業員は、外向性が低い人よりも24%多く、外向性が高い人よりも32%多い収益をあげていた

 

考察

論文では外向性が中程度の人たちを「両向型(アンビバート)」と呼んでいます。アンビバートの人たちは最も販売成績がよかったようです。世間では、販売や営業が得意なのは外向型(外向性が高い)の人というイメージがあります。しかし、外向性が高いから販売成績がいいとは限らず、世間のイメージとはギャップがありました。

理由は、両向型の人は「話す」と「聞く」を柔軟に切り替えることができるためだと考えられます。客商売では主張することと傾聴することのバランスが求められるからです。

  • 説得や契約の成立のときには、必要な主張力や熱意を発揮することができます。
  • 顧客の関心をよく聞き取るときには、傾聴力を発揮できます。
  • また、明るい雰囲気と落ち着いた雰囲気を兼ね備えるため、過度に自信過剰に見えるデメリットを抑えることができます。

 

性格は「高い」「低い」が注目されますが、中ぐらいの性格にも魅力があるということです。「自分は外向的でもなく内向的でもなく中途半端な性格だ」と落ち込む必要ありません。むしろ、外向性と内向性を両立しているのだと考えるようにしてみましょう。

 

世界一の自動車販売員アリ・リダの「聞く営業術」

世界一の自動車販売員である「アリ・リダ」の事例を見てみましょう。販売業では主張するのではなく、相手の話を聞くことが重要であると学ぶことができます。

 

アリ・リダは、ミシガン州ディアボーンにある「レス・スタンフォード・シボレー&キャデラック」で勤務する自動車販売員です。2017年、リダは1582台の車を出庫させ、44年ぶりに記録を更新しました。ちなみに全国平均はディーラーあたり1000台強です。リダはたった1人でディーラーの平均を超えているのです。

  • 2017年、1年間で1582台の車を販売(1日あたり約4.5台)。
  • 全国の平均ディーラー販売台数(約1000台)を1人で上回る驚異的な記録。

 

リダの成果の秘訣はアピールするのではなく、顧客に寄り添う姿勢です。リダは自分を販売員だと思っておらず、目的は車を売ることではなくお客様の信頼を得ることだと掲げています。

  • 必要でない場合は「今は買わない方がいい」と勧めることもある。
  • 「数カ月待ってから」「金利が下がってから」と、むしろ購入を引き延ばすようなアドバイスもする。
  • 多くの販売員が「車の性能・価格・燃費」といったスペック面に注目するのに対し、

    リダは顧客の不安や迷いに寄り添い、強引に説得しない。
  • 結果として、「安心して相談できる人」として深い信頼関係が築かれていく。
  • 一度リダから車を購入した顧客は、友人や家族にアリを紹介するため、口コミで新たな顧客が増える。

 

この事例から学べるポイント
  • 「話す力」よりも「聞く力」が信頼を生む:強い営業トークよりも、相手に寄り添い、相手に話してもらうアプローチが効く場面がある。
  • 誠実なアドバイスが最終的に成果を生む:一時的な売上よりも、長期的な信頼を重視する姿勢が、持続的な成功につながる。
 

 

【実践】「アンビバート」な性質をフル活用しよう!

ステップ1:自分の中間的な強みを書き出す

  • 話すのも聞くのもバランスよくできる。自分が話しすぎるのではなく、質問で相手の話を引き出せる。
  • 社交的だが明るすぎず、落ち着いて信頼される。
  • 柔軟に空気を読んで対応できる。
  • 即答せず考えてから答えることができる。

 

ステップ2:仕事でどのように活かせるか考えてみよう

販売・営業・対人パフォーマンスなどで、アンビバートな性質がどのように活かせるか考えてみましょう。

 

教育・研修・人材育成で活かす
  • 外向的な面で受講者との距離を縮め、場を盛り上げながら、内向的な面で一人ひとりの理解度や心理的な変化を丁寧に観察できる。
  • 研修講師が、参加者全体を巻き込みながらも、講義後に個別でフォローし、静かに悩む人にも寄り添える。

 

コンサルティング・カウンセリングで活かす
  • 相手の話をじっくり聞く内向性と、ときに自分の話題をオープンに話して相手をリラックスさせる外向性の両方が求められる。
  • クライアントの現状を深く理解した上で、タイミングよく提案を行う。聞きすぎて受け身にならず、話しすぎて押しつけにもならない。

 

マネジメント・リーダーシップ職で活かす
  • チーム全体を鼓舞する外向性と、部下個々の性格や感情を察する内向性の両立がリーダーの信頼を高める。
  • 会議では積極的に方向性を示しつつ、終了後に静かに部下と一対一で話して意見を引き出す。

 

クリエイティブ職(ライター・デザイナー・企画職など)で活かす
  • 内向的な面でじっくりアイデアを練り、外向的な面でチームやクライアントと共有し、作品に反映できる。
  • 一人で構想を練った後、打ち合わせで積極的に提案してフィードバックを取り入れる。

 

医療・看護・介護職で活かす
  • 外向的な明るさで患者を安心させ、内向的な観察力で体調や感情の変化を見逃さない。
  • 会話で患者をリラックスさせた後、表情や言葉の裏の不調を読み取って医師に伝える。

 

研究・開発職
  • 一人で集中して考え抜く内向性と、他分野の研究者と協働して新しい発想を生み出す外向性のバランスをとる。
  • データ分析に没頭しつつも、学会や会議では積極的にディスカッションに参加し、新しい視点を得る。

 

ステップ3:実例で学んでみよう

店舗販売のシーン

洋服店の販売スタッフ。来店した女性客が「どれが似合うか分からない」と試着室にこもっている。

  • 外向性を活かす:「すごくお似合いですよ!今季の新作なんです!」
    • 明るく声をかけ、緊張をほぐす。
  • 内向性を活かす:その後、押しすぎず少し距離を置き、「どんな場面で着られるご予定ですか?」と一歩引いて聞く。
    • 顧客が「通勤でも着たいけど、子どもの行事にも使いたい」と答えると、スタッフは提案を絞る。
  • 外向性を活かす:「でしたら、このジャケットは形がきれいで、学校行事にもぴったりですよ。」と提案。
    • 控えめな提案が理解されている感覚を生み、購買につながる。

 

まとめ

  • 外向性と内向性の中間である「両向型(アンビバート)」の人は、会話のバランス感覚に優れている。
  • ペンシルバニア大学の研究では、外向型や内向型よりも販売収益が最大32%高かった。理由は、アンビバートが「話す」と「聞く」を状況に応じて切り替えられるため。
  • 世界一の自動車販売員アリ・リダも、強引に売らず、聞く姿勢で信頼を築くスタイルで成功している。
  • 自分の性格を「どちらでもない」と悩むのではなく、「どちらも持っている」と再定義することが大切。

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