今回は投資に興味があるけどまだ始めていない人に向けた内容です。
実は、好みの投資のスタイルは性格によって変わるのです。自分の性格によって投資の取り組み方を変えることで、自分が納得しながら運用していくことができます。
投資初心者は己を知るところから!?
2025年に大阪大学の研究者たちによって発表された論文によると、投資の進め方はその人の性格によって好みがあることが示されています。
内容
過去5年間に投資を行った経験のある30歳から79歳までの合計400人を対象。
- 現在保有している株式を購入した理由や、個々の投資に関する好みを尋ねた。
- そして、ビッグファイブの測定も行い投資スタイルと比較した。
結果
- 開放性(=新しいことに興味を持ちやすい)が高い人は投資に対して肯定的な姿勢を示した。資産選択では、特に株式、アクティブ型投資信託、先物、外国通貨に積極的な傾向があった。
- 経験への開放性が高い人は、型破りで新しいものを好む傾向があるためか。
- 神経症傾向(=不安になりやすい)が高い人は比較的リスクの低い債券を好む傾向があった。
- 神経症傾向が高い人は、リスクに敏感で慎重であるため、比較的リスクの低い債券を好むか。
- 勤勉性(=きっちり計画建てて動く)が高い人はアクティブ型投資信託への投資を避ける傾向にあった。
- 勤勉性が高い人は、計画的で整理整頓されているため、価格変動の大きい投資を避けるか。
- さらに、協調性(=人と協力するのが得意)が高い人は先物を好み、外向性(=人と話すのが好きで活発)が高い人は外国通貨への投資を避ける傾向が見られた。
人々が投資を好む企業の特徴について調べたところ、
- 開放性が高い人は、上場企業、非上場企業、ベンチャー企業への投資を好む傾向がある。
- 神経症傾向が高い人は、高配当株への投資を好む傾向がみられる。
- 外向性が低い人は上場企業への投資を好む傾向がある。
- 外向性が低いことが安定性や低刺激を好むためか。
- また、協調性が高い人は上場企業、高配当企業、そしてSDGsに取り組む企業への投資を好む傾向がある。
- 協調性が高い人は、SDGsに取り組む企業における利他的な行動を重視するためか。
また、特定の資産を購入する理由について調べたところ、以下のようになりました。
- 開放性が高い人は「価格が上がると思った」「応援したい企業だった」を理由にする傾向が見られた。
- 神経症傾向が高い人は「配当利回りが高かった」「株主優待が魅力的だった」を理由にする傾向が見られた。協調性が高い人もややその傾向が見られた。
- 協調性が高い人は「倒産リスクが低かった」を理由にする傾向が見られた。
考察
研究の結果を簡単にまとめると以下のようになります。投資のスタイルに主に関わるのは、開放性・神経症傾向・勤勉性の三つの性格のようです。
- 開放性が高い人は投資に前向きであり、投資したい金融資産の数も多い。
- 神経症傾向が高い人はリスクに敏感なため、リスクが低い債券を好む傾向があった。
- 勤勉性が高い人は計画的に物事を進めることを好むため、大きな変動を伴うアクティブ型の投資信託を避ける傾向があった。
開放性が高い人は型破りで新しいものを好む傾向があるためと解釈できます。神経症傾向が高い人はリスクに敏感で慎重であるため、比較的リスクの低い債券を好むのだと考えられます。
また、投資の理由も注目ポイントです。
- 神経症傾向が高い人は配当利回りや株主優待といった理由で株式を選んでいました。より短期的な視点で投資をしていると推測できます。
- 開放性高い人は「価格が上がると思った」や「応援したい企業だった」といった理由で選んでおり、投資に対して前向きであり、楽しんでいることがわかります。
性格に基づいた投資のあり方を進めることによって、その人が納得した形で投資を行っていくことができると言えます。また、自分の性格を知っておくことによって、無意識に好んでしまう投資の仕方を見極めることができます。
【実践】自分の性格に合わせて投資を始めてみよう!
ステップ1:まずは自分の性格と好む投資スタイルを把握しよう
ビッグファイブ性格をもとに、自分が好む投資スタイルを確認してみましょう。
例
- 開放性が高い→新しいことに挑戦したい、リスクも楽しめる傾向
- 神経症傾向が高い→不安になりやすいので、低リスクで安全な投資が向く
- 勤勉性が高い→計画的にコツコツ運用することを好む
ステップ2:性格に合った投資方法を選ぶ
論文の結果を参考に、性格ごとの傾向に合わせた投資スタイルを選んでみましょう。
例
- 開放性が高い→株式・アクティブ投信・新興国投資など、変動があるが面白みのある資産
- 神経症傾向が高い→債券・パッシブ投信など安定資産でリスクを抑える
- 勤勉性が高い→定期購入型の投信や積立投資で計画的に資産形成
ステップ3:「理由づけ」を意識して投資を続ける
性格によって投資の理由(価格上昇を期待した・配当がいい・応援したいなど)も変わります。自分が「なぜこの資産に投資するのか」をメモしておくと、感情的な売買を防ぎやすいです。それぞれの性格において陥りやすい心理的な罠を挙げておきます。
開放性が高い人の罠
- 「値上がりしそう」「面白そう」という理由だけで新興企業やベンチャー株に飛びついてしまう
- 投資対象を増やしすぎてポートフォリオが分散しすぎ、管理が難しくなる
- 投資を「楽しむ」ことが目的化して、長期的な資産形成の軸を見失う
神経症傾向が高い人の罠
- 「配当がある」「株主優待がある」といった短期的な安心材料に偏りすぎる
- 株価が少し下がると焦って売ってしまい、長期リターンを逃す
- 投資全般に不安を感じ、結局は現金預金や保険に偏ってしまう(インフレリスクを無視)
勤勉性が高い人の罠
- 「予測不能な値動き」がある商品(アクティブファンドや成長株)を避けすぎ、リターンが限定される
- 安定性ばかり重視して、低リスク低リターン資産(国債や預金)に偏りすぎる
- 投資計画を守ることに固執して、市場環境が変わっても柔軟に戦略を修正できない
これらの罠を念頭に置きつつ、定期的に振り返る習慣を作ってみましょう。具体的には、月1回は投資資産を確認し、必要に応じて微調整するといいです。
まとめ
性格によって投資のスタイルや選びやすい理由が異なることが研究で示されています。
自分の性格を理解することで、無意識にハマりがちな投資の罠を回避しやすくなります。投資初心者は「性格に合った投資法」を選ぶことから始めると、納得感を持って資産形成を進められます。

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