トロント大学が示した!5つの性格から考えるペルソナ設計

性格を活かす・見抜く

今回はマーケティング担当者や自分で商品を売るビジネスに挑戦してみたい人に向けた内容です。

  • 「SNS広告やメルマガを出しているがクリック率や購入率が思うように上がらない。」
  • 「ターゲットを絞ったつもりだが反応が鈍い。」
  • 「顧客層の人柄を具体的にイメージできておらず、無難なメッセージにとどまっている。」

このように苦戦していませんか?実際に顔を合わせていない顧客を想像するのは難しいですよね。しかし、顧客の心をダイレクトにつかむ広告を打たなければ、広告にかけるコストは無駄になってしまいます。

そこで今回は心理学で用いられる性格理論に合わせたピンポイントな広告を作るアプローチを解説します。

 

5つの性格別にピンポイントな広告を作る

マーケティングにおいてビジネスの対象となる顧客がどんな人なのかをイメージすることが重要です。顧客に刺さりやすい広告を作る上で、心理学が役に立ちます。

 

実際に、これまでのマーケティングでも心理学的な視点が取り入れられてきました。例えば、ものを買ってくれる顧客が「促進型」なのか「予防型」なのかといったタイプの分類です。顧客を分類することで、同じ製品に関しても「利益の促進」でアプローチするパターンと、「損失の予防」でアプローチするパターンに分けられます。

  • 利益の促進:「この商品は健康な歯を作ります。」
  • 損失の予防:「この商品は虫歯を防ぎます。」

個人の性格によってどちらの広告に心を惹かれやすいかが変わってくるのです。

 

2012年にトロント大学の研究者によって発表された論文によると、より細かい性格別に刺さる広告の作り方が考案されています。

内容

324人の回答者(平均年齢:約36歳)を対象。性格(ビッグファイブ)に合わせた広告のアプローチがどれほど効果的なのかを調べた。「Xphone」という架空の商品を用意して、 5種類の広告を作成した。 5種類の広告はそれぞれビッグファイブの5つの特性に刺さるように作られていた。

例えば以下のようなもの。

  • 外向性が高い人向け:「XPhoneがあれば、あなたはいつもワクワクする場所にいられます」
  • 神経症傾向が高い人向け:「XPhoneで安心・安全を手に入れましょう」

対象者は広告を見て、どれほど説得力があると思うかを評価した。

 

結果
  • 対象者の性格に合った広告を見たときには、その広告がより好意的に評価された
  • 特に神経症傾向以外の外向性・協調性・勤勉性・開放性の4つの特性は、それぞれの性格にマッチした広告を好む傾向があった
  • 神経症傾向に関しては、好む傾向はあったが他の4つの特性と比べて効果が薄かった。

 

考察

ビッグファイブの特性はそれぞれモチベーションが上がるトリガーが存在すると考えられます。

  • 外向性(=人と話すのが好きで活発な性格特性):ワクワク感や社会的な注目を重視する。
  • 協調性(=人に協力し、共感するのが得意な性格特性):協同的な目標の達成や人間関係の調和を重視する。
  • 勤勉性(=きっちり計画建てて動く性格特性):達成や秩序、効率を重視する。
  • 神経症傾向(=不安になりやすい性格特性): 恐怖や不安感に対して敏感で、避けたがる。
  • 開放性(=新しいことに興味を持ちやすい性格特性):創造や革新、知的刺激を重視する。

 

実際に、研究で用いられた性格にマッチした広告を見てみましょう。なお、内容は翻訳した上で自然にまとめ直しています。

外向性向け

「XPhoneはこれまでのすべての学びの成果であり、あなたのような活動的で社交的な人向けに設計されたスマートフォン。新しいXPhoneで、常にワクワクする場所にいられる。あなたはパーティーの中心で、XPhoneがその存在感を支える。最新技術で楽しさと報酬を体験し、自分を世界に表現しよう。社交的な一面を引き出し、注目を集める力をXPhoneで活用しよう。」

ワクワク感や人から注目されることを強調

 

協調性向け

「XPhoneはこれまでのすべての学びの成果で、人々をつなぐために設計された。新しいXPhoneで、愛する人たちとこれまで以上に繋がれる。共感と配慮をもって設計され、最も大切な人たちのための時間を作る手助けをする。XPhoneファミリーに参加して、自分の居場所を見つけよう。思いやりのある自分とXPhoneをつなげよう。」

人間関係のつながりや、エコフレンドリーなどを強調

 

勤勉性向け

「XPhoneはこれまでのすべての学びの成果で、あなたのスケジュールに合わせて働くスマートフォン。新しいXPhoneで重要なメッセージを見逃すことはなく、仕事の効率が向上する。生産性を高める設計で、どこにいても長期計画に集中できる。最新技術で目標を達成し、個人の効率性を高めよう。XPhoneで生活を整理しよう。」

仕事の効率性アップ、計画的にものごとを整理できることを強調

 

神経症傾向向け(効果は薄め)

「XPhoneはこれまでのすべての学びの成果で、安全を守るスマートフォン。安心・安全を提供する設計で、現代生活の不安や不確実性を軽減する。周囲の情報にアクセスできるため、もう暗闇に迷うことはない。必要な支援に即座にアクセスできる安心感を体験しよう。新しいXPhoneは未知のリスクや緊急事態から守る盾となる。XPhoneで安全を保とう。」

セキュリティ対策や緊急時への対策などの安心感を強調

 

開放性向け

「XPhoneはこれまでのすべての学びの成果で、革新の最前線を押し広げるスマートフォン。新しいXPhoneで、これまでにない情報にアクセスし、知的好奇心を刺激する。知性と洗練を兼ね備えた設計で、想像力を自由に発揮できる。最新技術で視野を広げ、未知の世界を発見しよう。創造的な自分とXPhoneをつなげよう。」

目新しさ、新しいことを学ぶこと、想像力を刺激することを強調

 

実際に、性格に応じた広告やメッセージはマーケティングで応用されつつあります。オンライン小売業者は購買履歴や閲覧履歴などのデータを活用して、その人の性格を推定しているのです。顧客がどのような性格の持ち主なのかを把握できれば、性格に応じた効果的なメッセージを打ち出すことができます。

 

【実践】5つの性格に応じたアプローチ案を作ってみよう!

ステップ1:自分が売りたい商品やサービスをピックアップしよう

自分が売りたい商品やサービスを使う人はどのような人か想像してみましょう。

  • ハンドメイドアクセサリーの販売
  • オンライン英会話レッスン
  • アウトドア用品の販売
  • ファッションコーディネートサービス

例えば、筆者の場合なら「自分の性格を知り、性格を鍛えることができるコンテンツ(このブログ)」となります。

 

ステップ2:商品やサービスを好みやすい顧客の性格を想像してみよう

実際の顧客がどのような性格かを調べるには大規模なデータが必要です。しかし、商品の性質から「どのような性格の人が好みやすいだろうか」と仮説を立てることならできます。

 

例えば、筆者のブログの場合なら「自分を変えたい、高めたい」という点から勤勉性と開放性が高い人が好みそうだなと想像できます。

  • 「自分を高めたい、課題を克服したい。」→勤勉性が高い?
  • 「心理学や内面探求への興味が強い。」→開放性が高い?

ちなみに、筆者はブログにおいて性格診断のフォームを作成しています。ブログを訪れた人に性格診断に回答してもらうことによって、どのような人が閲覧しやすいのかを推定することができます。

 

ステップ3:性格に合わせた商品やサービスのアピールを作ってみよう

実際に、広告文・メール文・SNS投稿などの文面を作成してみましょう。ステップ2で考えた顧客の性格に応じて、以下のポイントを押さえて作りましょう。

  1. 外向性向け:楽しさ・社交性・報酬を強調
  2. 協調性向け:つながり・コミュニティ・思いやりを強調
  3. 勤勉性向け:効率・目標達成・計画性を強調
  4. 神経症傾向向け(効果は薄め):安全・安心・不安解消を強調
  5. 開放性向け:創造性・知的好奇心・新しい体験を強調

 

 

ステップ4:実際にテストしてみよう

仮説を立てて実際に広告を作成したら、実際に打ってみて効果があるかどうか確かめてみましょう。いくつかのパターンを作成してどちらの方が効果があるか比較してみる手法がおすすめです。

  • 1つの商品につき、まずは外向性向け・協調性向けの2パターンでテスト。
  • 効果(クリック率・購買率・反応率)を計測する。
  • 効果の高いパターンを優先して再利用する。

 

ケースで学ぼう

ハンドメイドアクセサリーの販売

自分で作ったアクセサリーをオンラインショップで販売する。手作りの温かみ・オリジナルデザインが強み。

好みやすい性格
  • 開放性が高い人:デザインや個性を大切にする。
    • アピール例:「他では出会えないデザイン。感性をくすぐるアートピースのようなアクセサリー。」
  • 協調性が高い人:作り手の思いやストーリーに共感しやすい。
    • アピール例:「大切な人とおそろいに。手作りの温かみを通してつながりを感じられるアクセサリー。」

 

オンライン英会話レッスン

自宅で受けられる英会話レッスン。講師との会話や進捗管理付き。

好みやすい性格
  • 勤勉性が高い人:コツコツと学びを積み重ねたい。
    • アピール例:「目標に合わせた学習プランで、ムダなく上達。あなたの努力を成果に変える英会話レッスン。」
  • 外向性が高い人:外国人と話すことで刺激を得たい。
    • アピール例:「世界中の人と話す楽しさを、もっと気軽に。オンライン英会話で毎日がちょっとワクワクする交流の時間に。」

 

アウトドア用品の販売

キャンプギアや登山用のグッズなど。

好みやすい性格
  • 外向性が高い人:アクティブで仲間と外出するのが好き。
    • アピール例:「仲間と盛り上がるキャンプに欠かせない一品!新作ギアで楽しさをアップデートしよう。」
  • 開放性が高い人:自然や新しい体験に興味を持ちやすい。
    • アピール例:「未知の景色を求めて。冒険心を刺激する革新的なアウトドアギアで、新しい世界へ踏み出そう。」

 

ファッションコーディネートサービス

スタイリストによるコーデ提案や、AIを使った服のおすすめ。

好みやすい性格タイプ
  • 外向性が高い人:見た目を通じて自信や注目を得たい。
    • アピール例:「スタイリストとAIがあなたの魅力を最大限に引き出す、あなただけのコーデ提案。新しい服を着るたびに、気分が高まり、周囲の視線が集まる。」
  • 神経症傾向が高い人:服選びに不安があり、安心して任せたい。
    • アピール例:「経験豊富なスタイリストとAIが、あなたに似合うコーデを丁寧に提案。
      失敗したくない気持ちに寄り添い、どんな場面でも安心して着られる服をセレクトします。」

 

自己成長・自己啓発コンテンツ

心理学に基づく性格の変え方や習慣化のメソッド解説。

好みやすい性格タイプ
  • 勤勉性が高い人:自分を高めたい、課題を克服したい。
    • アピール例:「仕事や生活の心の効率化をサポート。目標を着実に達成するための心理的スキルを体系的に学べます。」
  • 開放性が高い人:心理学や内面探求への興味が強い。
    • アピール例:「心の仕組みを知ることで、あなたの世界が広がる。心理学の視点から、自分を再発見してみませんか?」

 

 

まとめ

  • 広告効果を高めるには、「顧客の性格」に合わせたメッセージ設計が有効。
  • トロント大学の研究では、性格(ビッグファイブ)別に広告文を変えると好感度が上がることが示された。
  • 性格に基づくペルソナ設計を取り入れることで、より刺さる広告やメッセージを作れる。
  • SNS広告やメルマガなどで、複数パターンをテストして反応を比較するのが効果的。

 

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