【実践】深い話題を実践しよう

超実践

深い会話とは、表面的なやり取りではなく深く意味のある会話のことです。例えば、人生における重要な体験や、自分だけの価値観、哲学などについての会話です。

  • 表面的な会話:天気の話、テレビの話など。
  • 深い会話:自分が情熱を持っていること、自分が人生で大事にしている価値観など。

 

予備知識
シカゴ大学が勧める「4つの話題」とは?自己開示から深い会話を実践
自己開示から「深い会話」を組み立てることで、相手とより仲良くなることができます。2022年のシカゴ大学の研究によると、人は深い意味のある会話を実際よりも気まずいものだと思い込みがちだと示されています。実際に研究で使われた4つの話題も紹介します。

↑深い会話の効果について解説しています。

 

【実践】自己開示から深い話題を発展させてみよう!

深い話題の実践は以下のように進めていきましょう。

  1. 深い話題のテーマを確認
  2. 自己開示の作成
  3. 会話の流れを想定
  4. 会話を展開

 

ステップ1:深い会話のテーマを確認しよう

深い会話に関しての様々な研究で試された会話のテーマがあります。深い会話を試みる時の参考にしましょう。

深い会話のテーマ例
  • あなたの人生で最も感謝していることは何ですか?
  • 水晶玉が「あなた自身・あなたの人生・未来」などの真実を教えてくれるとしたら、何を知りたいですか?
  • 親しい友人になるとしたら、相手に知っておいてほしい重要なことは何ですか?
  • いま一番情熱があることは何ですか?

天気の話やニュースの話などの表面的なテーマではなく、その人の人生観や哲学、深い感情を知ることができるテーマを選ぶのがポイントです。

筆者が作成したAnkiカードでは、さまざまな深い会話のテンプレートを探して、カスタマイズすることができます。ぜひチェックしてみましょう(後述)。

 

ステップ2:自己開示と質問のセットを考えよう

深い会話で有効なのが自己開示(自分のエピソードの開示)を実践することです。深い会話において自己開示をする理由は3つあります。

  1. 相手も自分の話に興味を向けてくれるから:ある研究でも相手が自分に向けてくれる関心を過小評価してしまうことが示されている。
  2. 本音で話す雰囲気が作れるから:自分が本音を伝えることによって相手も話しやすい雰囲気になる。
  3. 相手に考える時間は与えられるから:相手が考えるキッカケや時間を作ることができる。

深い会話の話題は深い質問なだけあって、相手もとっさに回答できるとは限りません。深い話題をいきなり問いかけるのではなく、自分のエピソードをセットにして伝えてみましょう。「自分の話なんて興味ないかも…」と思わないことが大事です。自分の本音を積極的に打ち明けることで、相手の本音も引き出しやすくなります。

 

例:親しい友人になるとしたら、相手に知っておいてほしい重要なことは何ですか?

自分は「沈黙が苦にならないタイプ」だということを知っておいてほしいです。

会話が途切れたときに気まずさを感じる人もいますが、僕はその沈黙の中に安心を感じます。例えば、2人になったときに「何か話さないと…」という雰囲気を出されると逆にリラックスできないんですよね。無理に言葉を埋めなくても、ただ一緒にいて落ち着ける関係が理想です。沈黙はダメなことと思わず、のんびり一緒にいられる関係がいいですよね。

◯◯さんは、仲良くなる人に「これは知っておいてほしい」って思う自分のこだわりとかあります?

 

ステップ3:自分が作った自己開示から、「雑談の始まり→自己開示→深い会話」の流れを作ってみよう

いきなり深い会話を始めようとすると難しいため、話題の流れに橋渡しを作ります。ステップ2で考えた自己開示の内容を起点に、雑談をどう組み立てていくかを考えていきましょう。

 

例:沈黙が好きというエピソードを自己開示するきっかけと展開

→バイト先で落ち着いた空気が流れており、ふと雑談が始まった場面を想定。

  • 相手:「今日はオフの人が多いね。なんか静かだな〜(きっかけ)」
  • 自分:「そうですね。でもこの静けさ、僕はけっこう好きなんですよ。」
  • 相手:「へぇ?静かなのが?」
  • 自分:「実は、沈黙が全然苦にならないタイプで。むしろ「あ、落ち着くな」って感じるんですよ。少人数でも平気で、2人でいるときに無理に話題を探そうとされると逆にソワソワするというか。自己開示)」
  • 相手:「そうなんだ、確かにわかるな~」
  • 自分:「◯◯さんは、仲良くなる人に“これは知っておいてほしい”って思う自分のクセとかあります?」(深い会話の質問

「親しい友人になるとしたら、相手に知っておいてほしい重要なことは何ですか?」というベースの質問を、会話の流れに合わせて少しカスタマイズしているのがポイントです。

 

ステップ4:「事実→意味→実例→追加」の順番で、相手の話題を深めよう

せっかく相手から回答が返ってきても、会話が展開しなかったらもったいないです。アドリブで質問を作るのが難しい人は、あらかじめ質問のテンプレートを持っておきましょう。

  • 事実を問いかける:最初の質問をする(深い話題の質問などをぶつける)
  • 意味を問いかける:相手の回答に対して、その意味や理由、動機を探る。(例:「その理由はなんですか?」「どういう部分が楽しいんですか?」)
  • 実例を問いかける:相手の回答に対して、具体例や実際のエピソードを問いかける。(例:「例えば最近ではどんなことを?」)
  • 新しく出てきた事実に対してもう一度「意味」「実例」を問いかけるor別の話題に展開する。

 

例(続きで)

  • 自分:「◯◯さんは、仲良くなる人に“これは知っておいてほしい”って思う自分のクセとかあります?」(深い会話の質問=事実
  • 相手:「そうだな~…。ちょっと似てるけど、私は連絡の頻度を気にしないでほしいかな。返信遅くても別に冷めたとかじゃないんだよっていう。」
  • 自分:「ほぉ~、それが特に大事な理由は何なんですか?意味)」
  • 相手:うーん、ひとりの時間がないと落ち着かないんだよね。スマホを見ない日もあるし、誰かとずっとつながってると逆に疲れちゃう。
  • 自分:「ああ、わかります。じゃあ、◯◯さん的に、『ちょうどいい距離感ってこのぐらいかな?』みたいな基準ってあります?実例)」
  • 相手:「うーん、そうだなぁ…。友だちなら月に1回ぐらい会えたり、LINEも用事があるときにやりとりできれば十分かな。毎日何してるかを報告し合う関係より、会ったときに「最近どうだった?」って話せるほうが好き。」
  • 自分:「なるほど!SNSとかでずっとやりとりするより、ちゃんと会う時間でつながりたいってことなんですかね?(新しい事実に対する理由

このように事実→意味→実例と会話を展開してみましょう。言い回しは多少工夫する必要がありますが、質問の方向性をあらかじめテンプレートで持っておくと、会話が迷子にならずに済みます。

 

ケーススタディ

  • テーマ:水晶玉が「あなた自身・あなたの人生・未来」などの真実を教えてくれるとしたら、何を知りたいですか?
  • 自己開示と質問のセットを考える:「自分の決断のどれが本心からの選択で、どれが世間体の影響だったか」を知りたい。
  • 自己開示が使えそうなきっかけ:友人と仕事の話題から「進路選び」の話に自然につながった場面を想定。

 

自己開示と質問のセット

「自分の決断のどれが本心からの選択で、どれが世間体の影響だったか」を知りたいです。

人生の節目で下した決断の中には、他人の期待や常識が混ざっていたことも多いと思うんです。実際、私が大学に行ったのは親の家業を継ぐためだったので、「本当に自分がやりたいことか?」って迷ったんです。決断するときに、純粋に自分の興味によるものなのか、周りの期待に応えるためなのかって、自分でもよくわからないことありますよね。

もし水晶玉が「その選択はあなたの心から出たものだよ」と教えてくれたら、これからの人生で迷うことが少し減る気がしますよね。

変な質問ですけど、◯◯さんは、もし「ここにあなたの真実を映し出す水晶玉があります。」って言われたら、何を知りたいですか?

 

会話サンプル

→友人と仕事の話題から「進路選び」の話に自然につながった場面を想定。

  • 相手:「就活のときって、何を基準に会社選んだ?(きっかけ)」
  • 自分:「うーん、正直いうと、自分の本心と世間体の境界が曖昧だったね。本当にやりたいことより、親が安心するかとかちゃんとして見えるかで決めた部分があって。(自己開示)」
  • 相手:「そういうのあるよね。」
  • 自分:「純粋に自分の興味によるものなのか、周りの期待に応えるためなのかって、自分でもよくわからないことあるじゃん?(自己開示)」
  • 相手:「うんうん。」
  • 自分:「変な話するけどさ、」もしここに『あなたの真実を映し出す水晶玉があります。何を知りたいですか? 』って言われたら、何を知りたい?(深い会話の質問=事実)」
  • 相手:「何それ(笑)」
  • 自分:「自分の本心とか、周りがどう思っているかとか何でも知れるよ?」
  • 相手:「そうだな、じゃあ高校の時の気になっていたクラスメイトの女子が俺のことどう思ってたか教えてほしい」
  • 自分:「そう来たか。なんでそれ知りたいの?今知っても変わらなくない?(笑)(意味)」
  • 相手:「いや、そうなんだけどさ(笑)。あの頃って、自分がどう見られてたか全然わかんなかったんだよね。今思えば、もうちょっと話しかければよかったなって後悔があるから。」
  • 自分:「なるほどね、過去の自分への評価が気になってるんだ。実際に「あの子俺のこと好きかも?」って感じた場面はあったの?(事例)」
  • 相手:「うーん、あったような、なかったような(笑)。なんか、目が合ったときにちょっと笑ってくれたことがあって、もしかして?って思った瞬間はあったね。」
  • 自分:「そういう小さな瞬間って、やけに覚えてるよね。そういう過去の答え合わせをしたくなる瞬間って、今もあったりする?」(追加

 

この会話では、相手の「後悔」や「過去の自分との向き合い方」にフォーカスできています。会話相手が「周りの真意を確かめたい」という動機を強く持っていることや、迷って行動ができなかったことに対する後悔を深掘りできました。

さらに展開させるなら、「そういう経験を経て、後から後悔しないために最近工夫していることとかある?」などと聞いてみるといいでしょう。

 

 

深い会話を自然に行うためのオプション

エイブラハムスの構造で会話を展開しよう

自己開示や会話の展開では、エイブラハムスの構造を使ってみましょう。プレゼンやスピーチなどで使われるテクニックですが、日常会話でも効果が期待できます(実はステップ4で紹介した会話の展開も、エイブラハムスの構造を応用しています)。

 

エイブラハムスの構造」とは会話の型の一種です。スタンフォード大学の組織行動学者であるマット・エイブラハムスが提唱しています。エイブラハムスの構造では、以下の4つの要素で自分が話したいことを構成していきます。

  1. 事実:事実や出来事、結論などを最初に話すor問いかける
  2. 意味:その理由や動機を話すor問いかける
  3. 事例:具体的な例を話すor問いかける
  4. 追加:追加の情報を話すor問いかける

 

自己開示で使うときには、「追加」のステップで、「◯◯さんはどうですか?」と相手に深い話題を問いかけてみるといいでしょう。自分がオープンに話すと相手も安心してくれるので、いきなり質問を問いかけるよりも話が弾みやすくなります。

 

例①
  • 事実:自分は「沈黙が苦にならないタイプ」だということを知っておいてほしいです。
  • 意味:会話が途切れたときに気まずさを感じる人もいますが、僕はその沈黙の中に安心を感じます。
  • 実例:例えば、2人になったときに「何か話さないと…」という雰囲気を出されると逆にリラックスできないんですよね。
  • 追加:無理に言葉を埋めなくても、ただ一緒にいて落ち着ける関係が理想です。◯◯さんは、仲良くなる人に“これは知っておいてほしい”って思う自分のクセとかあります?(深い会話の質問

 

例②
  1. 事実:最近、毎朝の散歩を始めたんです。家の近くの公園を20分ほど歩いています。
  2. 意味:最初は健康のためだったんですが、続けるうちに「朝の静けさを感じる時間」が心地よくてハマっちゃって。
  3. 事例:冷たくて涼しい空気とか、人や車の通りが少ない静かな雰囲気とかが好きなんですよね。
  4. 追加:仕事の予定が詰まっていても、散歩だけはなるべく行くようにしています。◯◯さんはいま情熱を注いでいることとかありますか?(深い会話の質問

このように、構造に基づいて話を組み立てることで、自分のエピソードを効果的に伝えることができます。

 

複数の会話のきっかけを想定

自分が考えた自己開示と質問のセットの使いどころを想定しておきましょう。「この自己開示が使えそうな場面はどういったものがあるだろう?」と複数の展開パターンを考えておくことで、深い会話が得意になります。

  • テーマ:仲良くなる人に「これは知っておいてほしい」って思う自分のこだわり
  • 自己開示:自分は「沈黙が苦にならないタイプ」だというエピソード。
  • きっかけ
    • バイト先で落ち着いた空気が流れており、ふと雑談が始まったとき。
    • 雑談で「今は1人暮らし?さみしくなったりしない?」と質問されたとき。
    • 普段あまり話さない人と2人きりになったとき、「こういう沈黙って気まずいと感じる方ですか?」と思い切って展開。

 

工夫してきっかけを作ろう

きっかけを待つだけでなく、自分からエピソードを話せそうな場面を作り出してみましょう。自分から話しかけることが苦手な人に特に有効なテクニックです。

  • LINEのプロフィールに気になる言葉を仕込んでおく
    • 会話例:
      • 相手: 「LINEで見たんだけど、プロフィールに設定してる名言って誰の言葉なの?」
      • 自分:「ああ、あれですか?レオナルド・ダ・ヴィンチが言ったとされてる言葉なんですよ。僕、ダ・ヴィンチを尊敬していて。やっぱり、科学とか絵画とか、いろんな分野に長けていた万能の天才っぷりがすごいんですよね。(自己開示)…〇〇さんは尊敬している人はいますか?偉人でも架空の人でも実在してる人でもいいんですけど、教えてほしいです。(深い話題)」
  • スマホの待ち受けやPCの壁紙に意味ありげな画像を設定する
    • 会話例:
      • 相手:「その壁紙、どこの写真?すごくきれいですね。」
      • 自分:「これ、実は去年ひとり旅で行ったアイスランドの写真なんです。あのとき、夜空を見て『あ、自分ってちっぽけだな』って思った瞬間があって。(自己開示)…〇〇さんは最近感動したこととか、考えが変わったことってありますか?(深い話題)」
  • ファッションの一部に話題になりそうな要素を入れる
    • 会話例:
      • 相手:「そのバッジ、何のデザインですか?」
        自分:「これ、変化を恐れるなっていう意味を込めて持ち歩いている僕のシンボルなんです。自分の保守的な部分を変えたいと思ってて。(自己開示)…〇〇さんは、何か挑戦してみたいことってありますか?(深い話題)」

 

相手が話しやすくなる前置きを入れる

「変なこと聞くけど」「突然だけど」のように枕詞を用意するだけでも、深い会話の切り出しが自然になります。「変に思われるのに抵抗がある」という人は自分が馴染みやすい前置きを作ってみましょう。

  • 「ちょっと聞いてもいい?」
  • 「ふと思ったんだけどさ」
  • 「なんか急に気になったんだけど」
  • 「変なこと聞くかもしれないけど」
  • 「話の流れとちょっと違うけど」
  • 「なんか今の話で思い出したんだけど」
  • 「これ、聞いてみたかったんだけど」
  • 「突然だけどインタビューしていい?」
  • 「心理テストっぽい質問してもいい?」
  • 「ちょっと哲学っぽいこと聞いてもいい?」
  • 「なんか人生相談みたいな質問していい?」

このような前置きがあるだけでも深い会話に挑戦する勇気が湧いてくるのではないでしょうか。これらの前置きは深い会話のスイッチになるので、相手の気を引いて会話に集中してもらう上でも有効です。

 

まとめ

  • 深い会話とは、表面的な話題ではなく、お互いの価値観や人生観を共有する対話である。
  • 自己開示(自分のエピソード)を交えることで、相手も安心して本音を話しやすくなる。
  • 「事実→意味→実例→追加」の流れや前置きの工夫を使うと、自然に深い話へ発展できる。

深い会話をするには、いきなり核心を突くのではなく、自分の体験を交えながら少しずつ心を開いていくことが大切です。小さな雑談の中にも、相手の考えや価値観に触れられる「橋渡し」を意識すると、より豊かな交流が生まれます。

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