死体を水に沈めて完全犯罪は可能か?
浮かびにくい死体の条件は水温と深さ
死体を重りにくくりつけて水のなかに沈めれば、死体が浮いてこないため完全犯罪の出来上がり…というのは愚かな犯罪者の考え方です。
死体を沈めようと思えば水温と水の深さに注意する必要があります。
死体はある程度の重さでも、死後体が膨れ上がることで水面に浮いてくることがあります。
死体は時間が経過すると皮膚が緑色に変色し膨れ上がります。腹が膨れ上がるのは、細菌の働きによって発生したガスが腹の中に溜まるためです。
腐敗して発生するガスの量が多いと 水の上に浮かぶようになります。水温が低いところでは細菌の活動は活発にならないので、発生するガスの量は少なくなり浮かびにくくなります。
水深40メートルからは浮かんでこれない!?
水深が深いところでも死体は浮かびにくくなります。
水深が深いと体の外側からかかる水圧も大きくなるからです。体の中で腐敗ガスがたまっても外側から水圧によって押されるので、体が膨れ上がらず浮上しにくくなります。
過去の報告によると水深40 M 以上から浮上した例はないとか。
逆に言えば、水温が冷たくもなく深さも大したことがなければ、死体が沈むことはありません。完全犯罪はそう簡単には実現できないのです。
溺死の判定
水のなかで発見されたからといって溺死ではありません。
殺されたあとに水のなかに捨てられたのか、溺死したのかを見分けるポイントがあります。
溺死した場所はプランクトンで分かる
溺死したかどうかは、体のなかにプランクトンが取り込まれているかどうかで判断できます。
溺死したのであれば気道に中に水が吸い込まれます。
すると、水が肺の中に入ります。川や海の水にはプランクトンがいるので、プランクトンも同時に体のなかに入ります。血液の流れによって肝臓や腎臓といった臓器にも運ばれます。
また、プランクトンは淡水にいるものと海水にいるもので様々な種類が異なります。
なので、どんなプランクトンが付着しているかによってどこで溺れたかを推測する事ができるのです。
逆に水を飲み込んでいない場合は、溺死ではないということになります。
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