嘘を見抜く表情分析は嘘っぱち!?
刑事ドラマでは、表情を分析することによって犯人の嘘を暴くという描写もなされます。しかしドラマの世界のようにはいかず、表情のみで相手の感情を推測するのは難しいとされています。
もちろん創作の世界ではそういった描写をあえてするのもいいかとは思いますが、今回はよりリアルな嘘の見抜き方を紹介していきたいと思います。
嘘を見抜くためには理論よりも「共感」が大事
嘘を見抜くときには「シミュレーション戦略」が有効とされています。
シミュレーション戦略はシカゴ大学が提唱するテクニックです。方法は簡単。相手の身になって考えてみるということを意識するだけです。
実験では論理的に表情を読み取ろうとするよりもシミュレーション戦略の方が効果が高いことが示されています。
様々な表情を浮かべた男女の写真を被験者に見せる。その際「この人たちの心を読んで下さい」と指示した上で二つのグループに分ける。
- 理論戦略を使うグループ。表情や ボディ・ランゲージの知識をもとに解読しようとする
- シミュレーション戦略を使うグループ。「私がこの人だったらどのように感じるだろうか 」と想像する
結果、表情やしぐさに注目するよりもその人の立場になって考えたほうが2倍も的確に感情を想定することができた。
創作の例
刑事ドラマのなかでは感情的に捜査を進めていく掲示と論理的に進めていく刑事がいます。どちらかというと感情に左右されてしまう刑事はポンコツで凡人で、論理的な刑事は天才として描かれことが多いです。
しかし実際には共感力を使って相手の感情を読み取ることのほうが効果的です。よくある冷徹で論理的な探偵ではなく、人情に溢れる探偵役も逆に新しいかもしれません。
- 小説を読んで大号泣する探偵を描写する
- 普段は論理的だがメンタルが弱かったり、涙もろい一面を見せる
- ロジックで組み立てる論理派と、感情で動く感覚派の二人の探偵を組ませる
嘘を見抜くにはしぐさよりも言葉
相手が嘘をついているかどうかは、表情や視線の動きだけでなく話の内容や話の仕方などから見ることができます。
カリフォルニア大学の心理学者エドワード・ガイゼルマンが、過去に行われた60件以上の実験データを調べないた上で嘘をついている人の特徴をピックアップしました。
- いつもより話が長くなりより細い内容を語る
- 質問に答える前にその質問を繰り返す
- 話のテンポが速くなる
- 話の抑揚が大げさに変わる
- 「思う」「かも」「だろう」といった曖昧な言葉遣いが増える
- 「実を言うと」「正直言うと」と言った言葉が増える
- 「あの会社」「あの人」と言ったように対象と距離を置くことが使いが増える
- 「私は」「自分は」といった1人称が少なくなる
- 「楽しい」「興奮」のようにポジティブな言葉が増える
共感力を使ったテクニックと、指標を使って論理的に分析するテクニックを併用すると効果が高いでしょう。
この指標を使うときの注意点としては、絶対的な指標としてではなく普段の話し方との違いを読み取ることです。
例えば、「普段はゆっくり喋るのに、早口になっている」という感じに普段の話し方と比べることが大事です。嘘を見抜くためには普段から人の話し方を観察しておく必要があります。
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