「支配する自分」と「支配される自分」
「子供が落ち着きがない」「1つのことに粘り強く取り組んでくれない」といった悩みを抱えている親御さんは多いことでしょう。
こういった子供は脳の抑制機能が備わっていないことが原因です。抑制機能は脳の前頭葉という部分が関係しています。
また、抑制機能は2つの機能に分かれます。「支配する自分」と「支配される自分」です。
- 「支配する自分」…前頭前野が司る。自分で計画する
- 「支配される自分」…前頭前野以外。計画に従う
幼少期の抑制機能で、将来の「収入」「健康」「犯罪率」まで決まる
2010年に発表された論文によると、小さい頃の抑制機能が将来の社会的な地位、健康状態、犯罪率などを決定づけるそうです。
なぜなら、抑制機能は「遊びたい」「サボりたい」という欲求を我慢して努力を続ける機能だと言えるからです。
「支配される自分」だけだと指示待ち人間にしかならない
学校教育では「支配される自分」の機能しか鍛えられていません。なぜなら、「宿題をやってきなさい」というような大人たちが決めたプランに従うことしか教わらないからです。
支配する自分を鍛えるには自主的に自分の行動を管理しようとすることが必要です。
ゲームでできる!「支配する自分」を高める方法
抑制機能を高める手段としてオススメするのが「命令ゲーム」です。
命令ゲームとは「命令」には従って、「命令」じゃないものには従ってはいけないというゲームです。
例えば、「命令、右手を上げて!」と言われたら右手をあげます。単に「右手を上げて!」と言われたら右手を上げてはいけません。
- 「じゃあ命令ゲームを始めるのでその場で立ち上がってください。」→立ち上がってはいけない
- 「命令、右手を上げてください。ではそのままにしてください。」→右手を上げなければいけないが、そのままにしてはいけない
- 「難しいですから私の指示をよく聞いてね」→耳を塞いで指示を聞かないようにしなければいけない
といったように引っ掛け問題をつくると楽しいです。
子供は命令と命令じゃない問題を区別して自分がどう動けばいいかを考えます。結果、自分の行動を自主的に抑制する力が鍛えられるのです。
我慢することはみんな好きではありません。ですから我慢すること自体をゲームにしてやればいいのです。また、「命令ゲーム」は大人数でやった方が盛り上がるので、兄弟や友だちと一緒にやるのがいいでしょう。
家族スケジュールで自己管理力を鍛える
ゲームなんてなかなかやる機会がないという方はもっと日常的に使える方法があります。家族スケジュールをつくることです。
例えば、
- 9時:勉強をする
- 17時:お手伝いをする(お風呂の掃除か、料理のお手伝い)
- 21時:布団に入る
など1日のスケジュールを事前に決めておき、子どもと約束しておくのです。
子供が遅くまで起きているときに「早く寝なさい!」と言うのは、「支配される自分」を伸ばすことにしかなりません。それでは自分から布団に入る習慣をつけることができないのです。
「早く寝なさい!」という代わりに「今は何をする時間だっけ?」と聞いてみましょう。事前に約束したスケジュールを思い出して「布団に入らなきゃ」と自主的に行動するようになります。
「支配する自分」を鍛えることができるので、親御さんからしても長期的にみるとラクできます。何より感情的に命令する必要がなくなります。
【今日のクエスト】家族スケジュールで自主的に行動を抑制する習慣をつけよう
【獲得経験値】
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