モササウルスは白亜紀に現れ、恐竜とともに絶滅した海に棲んでいた爬虫類です。
モササウルスはトカゲから進化した
モササウルスは起源をたどると、「トビトカゲ」と呼ばれるトカゲから進化しました。
トビトカゲの時代は白亜紀の南半球で栄えていたアベリサウルス類(カルノタウルスなどが有名)の餌食となっていました。
トビトカゲの頃は泳ぐ能力はなかったものの、捕食者から逃げるときに水のなかに飛び込む習性があったのです。段々と水の中に進出してくるようになり、モササウルスという海の王者まで進化したのですね。
巨大な肉体への進化は「顎」がカギだった!?
しかし、ちょっと泳げるぐらいで海の王者になれたら苦労はしません。トビトカゲには海の王者に進化できた潜在能力があります。
それが顎の動きです。トビトカゲは獲物を丸呑みしますので、顎が左右に開くための関節を備えています。口を開いたときに顎が大きく開くので、丸呑みという捕食が可能になっています。
トビトカゲの時代、大きく開く顎は食事の時間の短縮するのに役立ちました。捕食をするときには無防備な状態ですので、優雅に食事していたらもっと大きな捕食者に自分が襲われてしまうからです。僕も学生時代はぼっち飯が辛くて、食事の時間が長く感じたので、左右に開く顎関節を備えて丸呑みすればよかったと後悔しています。
まぁとにかく、この大きく開く顎がのちのちモササウルスとなったときに役立ってきます。
まるでブラックホール!大きな顎で水流ごと飲み込む
左右に大きく開く顎は、モササウルスが海のなかで吸い込みながら捕食するスタイルを確立しました。
大きく顎を開くことによって、周りに水流を生じさせ、ブラックホールのように獲物を吸い込むことができるようになったのです。
他の捕食者なら逃してしまうような素早い獲物でも、モササウルスにかかれば逃れることはできません。捕食が有利になったモササウルスはどんどん体を大きくして、海の王者となっていったのです。
アンモナイトを贅沢食い
モササウルスはアンモナイト・他のモササウルス類・魚など様々なものを食べていたことが分かっています。
特にアンモナイトの食べ方は結構残酷です。まずアンモナイトの殻にかぶりつき穴を開けます。アンモナイトは殻のなかの空気でバランスを保っているので、殻にあなが開くと上手に泳げなくなります。
無防備になったところで、柔らかい足の部分だけを食いちぎるのです。頑丈な顎を持っているくせに贅沢な食べ方をするものですね。
僕は子どもの頃ばあちゃんの家に行ったとき、近くの店でアイスを買っていました。お気に入りはジャイアントコーンです。でも僕はジャイアントコーンのコーンの部分はあまり好きではありませんでした。ですのでジャイアントコーンのクリームの部分だけを食べて、コーンの部分をばあちゃんに食べさせていたのです。
ばあちゃん、ごめんよ。
モササウルスは胎生だった!?
モササウルスを始めとした中生代の海生爬虫類(魚竜・クビナガリュウなど)は、爬虫類にも関わらず胎生だったことが明らかになっています。
実際にお腹のなかから赤ちゃんの尻尾だけが出かかっている化石なんかも発見されています。
ちなみに人間は頭の方から出てきますが、海に棲んでいる動物の場合は尻尾から生まれます。というのも海のなかで頭が先に出てしまうと呼吸をすることができないからです。頭を最後まで残しておけばギリギリまでお母さんの酸素を取り込むことができますよね。
モササウルスが胎生であると考えられる根拠は他にもあります。
モササウルスの骨格を見るとお腹あたりの肋骨が短くなっていることが観察できます。これは人間と同じです。人間も肋骨が胸のあたりはしっかり長いのですが、お腹部分では短くなっています。
これは胎盤を持ち、大きな赤ちゃんを妊娠させていた証拠と言えます。
さて、モササウルスは恐竜ではないにせよ、なかなか魅力的な生態を持っていることが分かりましたね。
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