今回は子供との食事の楽しみ方についてのお話です。
「食事の時間は30分だけ」と決めておく
まず食事の時間は30分だけとあらかじめ決めておきましょう。
なぜなら、30分より長くなるとどうせ食べなくなるからです。
子供の心持ちの問題ではなく、生理学的な問題があります。
食事を始めると、ご飯やパンに含まれている炭水化物がブドウ糖として吸収されます。吸収されるのは食べ始めてから約30分です。
ブドウ糖が吸収されると脳の満腹中枢が刺激されるので、食後30分ではお腹が満たされている状態になるのです。
ですので、食事を始めて30分経ったら、「じゃあごちそうさましようね~」と言って、下げてあげてください。
子供の食事は1食ではなく1日あたりで考える
「子供が全然食べなくてなくても下げちゃっていいの?」と不安になってしまうかもしれません。
大丈夫です。子供は1回食事の量にムラがあるように思えますが、1日あたりの総摂取量は自然と安定します。例えば「昼間は食欲がなかったみたいだけどその分夜はいっぱい食べた」という経験はないでしょうか。
実際に、2歳から5歳の子供達を対象に6日間食事量を調べた実験でも、毎食ごとに食事量のばらつきがあったものの、1日あたりの食事量を比較したところばらつきは10%程度であったという結果が出ています。
ですから子供の食欲がたまたま沸いていないときには、「まぁ夕飯はたくさん食べるだろう」ぐらいに思っておけばいいのです。
「早く食べて!」と急かすほど食事はまずくなる!?
食事はゆったり楽しみましょう。
なぜなら、子供に「早く食べて!」と急かすような言葉をかけると、子供は食欲が失せ、より食べるのが遅くなってしまうからです。
ペンシルバニア州立大学の研究によると、「早く食べて」と急かした方が子供の食欲が落ちてしまうことが示されています。
研究では未就学児の子供達を集め、二つのグループに分けて比較しました。
- 普通にスープを飲んでもらう
- 1分に4回大人が「早く飲んでね」と急かすような介入をする
この結果、同じスープを飲んでもらったにも関わらず1のプレッシャーなしの子供達の方がスープをよく飲む傾向が見られました。 逆にプレッシャーを与えられた子供は「飲みたくない」「まずい」とさんざん文句を言ったそうです。
そもそも食事は楽しみながら食べるものです。子供を急かさずにゆっくり味わいましょう。
嫌いな食べ物があっても4歳までは放っておけ
美味しいものや自分の好きなものを食べることは、子供にとっては大きな快感です。
というのも、好きなものを食べた時には脳内でベータエンドルフィン という「脳内モルヒネ」と呼ばれる快楽ホルモンが分泌されます。
美味しいものを食べるのは楽しいことなのですから、「好きなものだけではなく健康的なものを食べよう!」という考え方は子供にはできません。
我慢して健康的な選択をするのは脳の「抑制機能」が育ってからでないと難しいです。抑制機能は4歳頃からでないと発達しません。4歳未満の子供に「我慢して食え」というのはできないのです。
もちろんお菓子や脂っこい食事を与えすぎているのはダメです。ですが、嫌いなものが1つ2つあっても死ぬわけではないですから、思い悩む必要もないでしょう。
【今日のクエスト】嫌いで食べなかったら残してOK。満腹で食べなかったら夕食に回せ!ノープロブレム。
【獲得経験値】
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