「動画を作るつもりで勉強」することで知識の応用力が上がった!?

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この知識を実践すると…
  • 勉強したことを応用的な内容でも活用できるようになる
  • 学んだことを深く理解し、自分の知識として使いこなすことができる
  • 書く代わりに喋る、読む代わりに聴く学習法で、勉強の気分が乗らない時でもサクサク勉強できる

 

「学んだことを人に解説できるぐらいでないと理解したとは言えない」という言葉を聞いたことがあるでしょう。確かに、自分の学んだ知識を人に解説することはとても勉強になります。誰かに教えることによって自分が理解できてない部分に始めて気づくこともありますよね。

ですので、一人で勉強する時にも誰かに説明するつもりで学習して学びを深めてみましょう。

 

「動画を作るつもりで勉強」することで知識の応用力が上がった!

誰かに説明することで学びが深まるといっても、勉強する時に毎回生徒役の人を用意するわけにはいかないでしょう。しかし、実際に生徒役がいなくても教えるつもりで学習することによって同じ効果を得ることができます。

 

実際に、オランダのユトレヒト大学の研究によると、人に解説するための動画を作ることで学んだことを応用する能力が高まっています。

根拠となる研究
ScienceDirect
  • 被験者:15~17歳のオランダの学生76人(スクリーニング前)
  • 内容:勉強した内容を解説する動画を作ってもらう介入が、単に勉強するときと比べて学習効果が変わるかどうかを調べた。

 

介入
被験者に論理的な推論課題に関するテキストを読ませた。その際、被験者を三つのグループに分けて比較。
  1. テストを受けるつもりで勉強するグループ
  2. 他人に説明するつもりで勉強するグループ
  3. 他人に説明するつもりで学習し、実際に説明動画を作ってもらうグループ

なお、他人に説明するつもりで学習するグループ2とグループ3は、教材に関して全く知識がない誰かを想定して推論課題の解き方を解説してもらった。説明動画を作ってもらうグループ3は、テキストを読んだ後Webカメラをオンにして説明動画を作成するように指示された。

 その後、それぞれの被験者に確認テストを行ってもらい、学んだ事の習熟度を調べた(なお、確認テストは学んだことをそのまま適用できる基礎的なテストと、より応用的な活用が求められる応用的なテストの2つのパターンが行われた。

 
結果
  • 基礎的なテストでは、テストを受けるつもりで学習するグループや説明するつもりで学習するグループと比べても、説明動画を作成したグループの成績は変わらなかった
  • 応用的なテストでは、テストを受けるつもりで学習するグループや説明するつもりで学習するグループと比べて、説明動画を作成したグループの成績が優れていた。なお、テストのグループと説明するだけのグループに差はみられなかった。
要約・考察

つまり、説明動画を作るつもりで学習すると、基礎的な習得には効果があまりないものの、応用力のアップの効果はあるようです。

目の前に生徒がいなくても、カメラに向けて教えることによって教える人自身の学びが深まるのは大きな発見と言えるでしょう。ただ、誰かに向けて説明を書きだすだけでは同じ効果を得られないことがわかっています。なぜなら、カメラに向かって教えることで「誰かがそこに居る」という感覚が強くなり、記憶力や注意力が上がるからです。実際に、他人との交流をしているときには注意力や記憶力を高めるために生理的な状態の変化が起こります。

 

 

【実践】喋って書いて、聴いて復習!「録音ノート」を作ってみよう

研究では誰かに向けて説明する動画を作るといいということが分かりました。しかし、勉強するたびに動画を作るのは大変なので、今回は実践編として音声を録音するノートを作成してみましょう。なぜなら、音声を作成するときにも誰かがいることをイメージしやすいからです。しかも、音声なら動画よりも手軽に撮ることができます(例えば、自分の髪型やメークなどを気にする必要がないですし、スマホ1台あれば三脚も必要ありません)。

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