「授業ではプリントを使って効率化しています!」
そんな風に胸を張っている教師の方に知っておいてほしいことがあります。
プリントに頼って自分でノートをとらせない授業は、生徒の読解力を著しく落としてしまいます。
プリント授業が詰め込み型教育の元凶!?
プリントを使うことによってどんなデメリットがあるのでしょうか?
それは生徒がセンテンスとして知識をノートに写すという作業ができなくなることです。
具体例として「AIに負けない子どもを育てる」で紹介されている事例を引用させていただくと、
1とそれ自身以外の約数を持たない、1より大きい整数を( )という
このようなプリントをつくったとします。答えは「素数」。小学校で習う算数の知識です。
しかし、プリントに「素数」とだけ書かせてしまうと、子供は本当の意味でこの文章を理解することができません。
文章のなかにある「1とそれ自身」「約数」などのキーワードをヒントに「素数」という答えを条件反射のように詰め込んでしまうのです。
ひどい場合、「『それ自身』と来たら『素数』だ!」のような意味のない知識として覚えてしまうのです。
まさに詰め込み型教育ですよね。素数とは何かということを自分の言葉で説明できないのであれば意味のない作業で終わってしまいます。
生徒によって難易度を調整する
よって、自分の言葉でノートに写させることが重要なのです。キーワードではなくセンテンスで理解するということを促進するためです。
しかし、ノートに写させていると時間がかかるという理由がプリントを使うしかない理由となっている以上、ノートの問題を解決する必要があります。
そこで生徒によってプリントの難易度を調整するのをオススメします。
例えば、読解力が未熟な生徒には( )の中を短くする、
平均以上の読解力がある生徒には( )の中を長くする、
ノートを自分で写せる生徒にはプリントは使わない、といったレベル分けです。
初級プリント・中級プリント・上級(プリントなし)という風にランク付けすることによって、生徒も「上級になりたい!」というモチベーションが生まれます。
最終的には、授業の始めに「プリントいる人~?」という風に聞いて、必要な人だけに配るという形にできれば理想です。
そして小学校の間にプリントを卒業して自分で理解してノートを写せるようになるといいでしょう。
また、( )のなかはキーワードではなく、センテンスにするのをオススメします。
例えば、「1とそれ自身以外の約数を持たない、1より大きい整数を( )という」ではなく、
「( )を持たない、1より大きい整数を素数という」とした方が読解力が上がります。
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