朝起きれない子どもの将来が心配
家で勉強しているけど、やっぱり学校に行くべきでは?
僕個人としては学校に行けないのなら家で学べば問題ないと考えています。
実際に、ホームスクーリング(自宅学習)が積極的に行われている国もあります。学校は1つの学びの手段であって絶対行かないといけないわけじゃないのです。
とはいっても、「そんなことで将来やっていけるの?」と心配にはなりますよね。
そこで今回は「自宅学習は体内時計に合った最高の勉強法とも言えるぜ」というお話しをします。
学校の始業時間は思春期の体に合っていない!?
僕個人が考えるホームスクーリングのメリットは自分に合った時間帯に勉強ができることです。
というのも、学校の日程は思春期の子どもの体内時計に合っていないことが示されているのです。
ある研究↓では学校の始業時間を遅らせることで、成績やメンタルを改善できたことが示されています。
ミネアポリスとイーダイナで行われた研究を見てみましょう。
高校生7000人を対象にした実験。高校生を2つのグループに分けて比較
- 通常通りの始業時刻で登校したグループ(対照群)
- 学校の始業時刻を普段より約1時間遅らせたグループ
その結果、始業時刻を遅らせなかった学生よりも睡眠時間が増え、成績が良くなり、鬱になるのが減った
つまり、学校の始業時間は学生にとっては早すぎると言えるでしょう。
思春期の脳は早起きに不向き!?
始業時間を遅らせるだけで成績まで改善した理由は、睡眠時間を確保でるようになったからです。
「睡眠が大事なら起きる時間を遅らせなくても、寝る時間を早くすればいいじゃないか?」
当然、そんな反論も聞こえてきそうです。
しかし、10代の脳は早く眠ることが苦手なのです。というのも睡眠を促す「メラトニン」というホルモンが、他の世代よりも2時間ほど遅く分泌され始めるからです。
ですから、思春期の若者は自然と2時間程度就寝時刻が遅くなってしまうのです。
もちろん遅くまでスマートフォンを触っているといった原因も考えられます。しかし、生理的な側面から見てもティーンエイジャーが遅寝遅起きになるのは自然なことなのです。
思春期の脳が早く眠るのに適していない以上、始業時刻を遅らせて朝にしっかりと睡眠時間を確保することが大事なのです。
学校や会社で蔓延する「ソーシャル時差ボケ」
ソーシャル時差ボケとは「自分の体内時計に適してない生活をしてるせいで、100%のパフォーマンスを発揮できない現象」のことです。
例えば、夜に強い人が無理して早起きして仕事すると、ソーシャル時差ボケを起こして思うようにいかなくなります。
2018年の研究↓では「ソーシャル時差ボケ」によって、多くの学生が本来の能力を発揮できないことが示されています。
2018年の研究。「ソーシャル時差ボケ」についての調査。
14894人の学生を集めて、全員の体内時計を3種類に分けて調査。
- 朝型:朝起きてからすぐに能力を発揮できる人たち
- 昼型:午前中から昼間にかけて能力を発揮できる人たち
- 夜型:夕方ぐらいから能力を発揮できる人たち
その上で全員を2年追跡調査し、それぞれの学生たちの学校での成績を調べた。その結果、
- 自分の体内時計に合った時間帯に勉強ができていた者は40%しかいなかった
- 50%の大学生はソーシャル時差ボケのせいで授業時間までにパフォーマンスを発揮できていなかった
- 10%の学生はパフォーマンスのピークを過ぎた後で授業を受けていたため、最高のパフォーマンスを発揮できていなかった
- 特に「夜型」の人たちは成績の面で不利で、もっともソーシャル時差ボケの傾向が強かった
ということが分かった。
学校は当然朝から始まりますから、ソーシャル時差ボケが蔓延していることでしょう。
これは非常にもったいないことです。
「朝型に合わせろ」は「遺伝子変えろ」と同義
夜型の人にとっては学校の始業時間は早すぎるので、本来の能力が発揮できないのです。
将来会社で働くことになっても夜型の人は苦労します。多くの会社は朝に仕事が始まり夕方には終わるからです。夜型の人間は会社にいる時間は能力を発揮できないでしょう。
だからといって、「社会でも通用しないんだったら夜型を直すしかないでしょ」と言い切っていいものでしょうか?
というのも体内時計は遺伝子に夜って決まっています。「生活を朝型にしろ」は「遺伝子変えろ」と言っているようなものなのです。
「でも、学校なんだから早起きするのは当然では?」「規則正しい生活ができるかどうかも重要なのでは?」と思うかもしれません。
本当にそうでしょうか?僕は規則正しい生活が重要だとは思いますが、早起きが重要だとは思いません。
朝から調子が出る人なら早起きすればいいし、深い時間に絶好調になる人なら多少夜更かししてもいいのではないでしょうか。
障がい者の方を社会に適応させるのと同じように、マイノリティなクロノタイプを持っている人も受け入れる時代に変わってくる…かもしれません。
自分の体内時計に合わせて自由な時間帯に学べるホームスクーリングが日本でも取り入れられるかもしれないのです。
子どもが不登校になったことをきっかけに「みんなと同じ場所、同じ時間に頑張ることが正しい!」という価値観を見直す助けになれば幸いです。
【今日のクエスト】子どものクロノタイプを知ろう
(開発中)
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