育児ストレスを低下させる「読み聞かせ」の習慣
子供への読み聞かせは親の育児ストレスを軽減させる効果があります。
「え?読み聞かせって子供のためじゃないの?」「読み聞かせは大事だって分かってるけど逆にストレスたまりそう」と思われる方も多いでしょう。
しかし、実際は読み聞かせをすることによって親が得られるメリットはたくさんあります。
親のメリット
- 前頭葉を活性化させることができる
- 育児ストレスが低下する
- 認知機能(=頭のよさ)があがる(かも)
子供のメリット
- 人の話をよく聞くことができるようになる
- 問題行動が減る
- 語彙力がアップする
親は人間として成長することができ、ストレスも抑えることができます。また、子供の問題行動を抑えることができるので長期的に見ると子育てでラクをすることができるのです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
読み聞かせで親のストレスレベルが低下
母親たちを被験者として次のような実験が行われました。
- 8週間の間子供に対しての読み聞かせの記録をつけてもらう
- 母親に対して「育児ストレスインデックス」と呼ばれる心理検査を用いてストレス度合いを計測。8週間の前と後で母親のストレスを計測した
- 子供に対しても語彙力や聞く力の測定を行った
その結果、読み聞かせをすることによって、全体的な母親の子育てのストレスは低下していることが分かった。
ストレスが低下するのは、幼児の言語発達が促進され問題行動が減ることが要因だと思われる。
子供の結果を見てみると、「トークンテスト」(※)と呼ばれる課題をにおいて1回目と比べて2回目のテストでは読み聞かせの量が多かった家庭ほど、子供の得点は平均10点ほど上がっていた。
※トークンテスト:目の前に置かれたいくつかのブロック(=トークン)を検査者の指示に従って動かすというテスト。指示を聞いて正しく実行できるかどうかを測定する
つまり読み聞かせの習慣をつけることによって、子供は人の話をよく聞くことができるようになるわけですね。そりゃあ、親のストレスも低下するわけだ。
親に限らず学校でも先生の話を聞いて落ち着いて行動できるようになるでしょう。そもそも先生の話を聞かないとか、落ち着きがないと評価されてしまうのは、指示の意味が分からないからです。先生が言っていることが分からないと自分だけ置いていかれるので楽しくなくなり、マイペースな行動をとってしまうんですね。
読み聞かせによって脳の高次的機能が鍛えられる
読み聞かせをすることによって、前頭葉を活性化することができると言われています。
NIRS(※)と呼ばれる手法を用いて母親の脳を計測する。結果、 読み聞かせをしている時には母親の前頭葉が強く活動していた。前頭葉は相手の心を考える・コミュニケーションをとるなどと関連する高次的な脳の領域。
※NIRS:日本語で 近赤外線スペクトロスコピー。頭部にセンサーをつけそのセンサーの下にある脳の活動を推測する事ができる。センサーからは人体に無害な近赤外線が照射される。脳が活動する際に流れ込む血液が近赤外線を吸収するため、どのぐらい照射した光が吸収されて帰ってきたかの程度から脳の活動を推定できる。MRI と比べて手軽に実践できるが MRI ほど活動している脳の部分を詳しく分析することはできない
前頭葉はコミュニケーション・創造性・計画性・共感力…など人間の高次的な脳の領域です。怒りや欲求をコントロールするのも前頭葉です。
読み聞かせによって人間としての器がでかくなると言っても過言ではない!
読み聞かせによって学力アップ!
読み聞かせでいろんなメリットがあるぞ~という下心だけで読み聞かせをしてほしくもないので(笑)、子供にとってもメリットも挙げておきましょう。
読み聞かせは教育上もものすごく重要なのです。読み聞かせによって学力が高くなることも指摘されています。
経済協力開発機構の報告書によると、調査可能であったら14の国と地域のデータから 小学校に入ってから1年間 の読み聞かせの量が 週に12回 もしくは毎日であった家庭は、15歳の時点で学力が高くなりなりやすいとされている。
まずは1日5分から10分ぐらいを目安に週に数回でもいいので読み聞かせをしてあげてください。
【今日のクエスト】子供に読み聞かせをしよう
子供がストレスになるという場面はどうしても子育てでは現れますが、自分から行動を起こしていかなければストレスを減らすこともできません。子供との対話の時間が子育てのストレスを軽減してくれるでしょう。
【親の獲得経験値】
コメント