子供が好きなこと・得意なことはどの程度まで強制させるべきか

「子供の好きなことはどの程度まで矯正させるべきか?」「続けさせたいけど、親の理想を子供に押し付ける感じがして抵抗がある」

そんな悩みを持っている親御さんがたくさんいらっしゃいます。例えば、子供がサッカーを習っていて、最近練習に行くのをしぶり始めたとしましょう。

そのとき「子供の目標を叶えてあげるためにサッカーを続けさせたい。でも親の理想を押し付けるのは間違っているんじゃないか。」と非常に悩む決断をしなければいけません。

 

「子供の練習をどこまで強制するか問題」の結論としては、子供の本当の望みを理解した上で適度に強制するのが最適かと思います。

 

天才たちの親を調べて分かった子供の指導術

心理学者のベンジャミン・ブルームがシカゴ大学で行った研究を見てみましょう。様々なエキスパートを子供時代を振り返った研究です。

ピアニスト・オリンピック選手・テニスチャンピオン・数学者・神経学者・彫刻家という六つの分野から120人を選び、その成長過程を分析した結果、以下の傾向が見られました。

  1. エキスパートが選ぶ分野は、親が興味を持っているものであった
  2. 親が子供に熱心に訓練をさせ、訓練が続かないときには子供に決断をさせていた。

 

エキスパートの親たちは「遊ぶのは練習が終わってから」と言い聞かせ、練習を他の活動より優先させる介入をしていました。

天才というと「強制されずにのびのびと能力を伸ばす」みたいなイメージがあるかもしれませんが、イメージと裏腹に天才たちの親は結構教育熱心だったみたいですね。

 

また、子供が努力をやめたがっているときには、厳しいことを言った上で子供に決断をさせていました

例えば、子供が練習をしない場合には、「だったらピアノレッスンを打ち切ってピアノを売ってしまうよ」「もう水泳の練習には連れて行かない!」みたいな感じ。

エキスパートたちはこうした決断を責められた時に、続けることを選んだからこそエキスパートになれたのです。

 

僕たちもこれに習って、子供がサボり始めたときにはちょっと子供を脅してみましょう。「本気でやらないんだったらもう辞めるよ」「今サボったらあなたの目標は達成できないよ」という感じ。

それでも子供が「それでいい」というのなら、子供の意思を尊重してやめさせてあげればいいのです。

 

 

最近は子供の「自主性を尊重しよう」みたいな文化があり、「親が子供に何かを強制するのは罪だ」みたいな風潮が漂っています。

しかし、「子供が~~をやめたい」と言ったときに、「そうなんだ、じゃあやめようね」では無責任だと思うのです。なぜなら、子供は我慢強く粘ったり、未来なことを計画的に考える能力が発達していません。子供の言うことを素直に聞いているだけでは、目先の利益を優先するばかりで、子供の将来のためになりません。

ですから、「ここで諦めたらどうなるか?続けたらどうなるか?」をしっかりと教えてあげた上で、子ども自身に決断させてあげればいいのではないでしょうか。

 

「子供に自分の理想を押し付けていないか?」という不安は杞憂

「自分が芸能人として成功しなかったから、子供を芸能の道に入れて子役としてテレビに出させる」

仮にこうした話を聞くと、「子供が可哀想」という感想をいだきます。同時に自分の子供にも同じことをしてしまっていないかと不安になってしまいます。「自分の理想を子供に押し付けてしまっていないか」という不安です。

 

しかし、子供が親と同じ道に進むことに関してはまったく問題がありません。

先程紹介したブルームの研究によると、成功したエキスパートたちも親が興味を持っていたものを自身の活動に選ぶ傾向が強かったといいます。例えば、音楽家の家庭は音楽に・スポーツ熱心な親の場合はスポーツに・学者の親の場合は知的分野に…といった具合です。

と言っても、親が積極 的に 子供を特定の分野に進ませようと介入したわけではありません。親が子供と関わる ことで自然と親と同じことに興味を持つようになるのです。

 

子供は親の真似をするものです。共通の目標を持てば共有できる話題も増え、より幸せな親子関係を気付けるのではないでしょうか。

子供と一緒に自分の夢を目指すのは悪くないと思います。

 

【今日の親トレ】子供が練習をサボるときには、「今やめたら上達しないよ?」と聞いてみよう

【獲得経験値】

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