薬物療法並みにうつを改善する「行動活性化療法」

陰キャのためのメンタルアップコース

「不安や無気力的な気分が続いている」

 

今回はうつ病・うつ状態を改善する行動活性化療法についてです。

「行動活性化療法」とは?

副作用なしで抗うつ薬と同じぐらいの効果!?

「行動活性化療法」とは、自分が楽しいと思える行動や重要だと思える行動を増やしていく心理療法です。もちろん薬と違って副作用はなく、1人でも行うことができます。

 

この記事はこんな方にオススメ

2006年にワシントン大学で行われた研究()によると、薬物療法と同じぐらいの効果があるぜ~と言われています。

介入

241名の深刻なうつ病に悩む患者が対象。無作為に4つのグループに分けて2ヶ月に及ぶ介入を行う

  1. 一般的な抗うつ薬を投与(処置群1)
  2. 実は効果のない偽薬を投与(対照群)
  3. 認知療法(処置群2)
  4. 行動活性化療法を実践(処置群3)
結果

重症度が高いうつ病患者に関しては、行動活性化療法は抗うつ薬と同じぐらいの効果があり認知療法の効果を上回っていた

 

 

行動活性化療法が効く理由

人間はうつ状態になると、気分がだるくなるとともに悲観的な気分が増します。

うつ状態になると、今まで楽しいと思えていた行動も手につかなくなります。自分が楽しいと思える行動が少なくなると余計に悲嘆的な感情が続きます。うつ病の悪循環とも言えるでしょう。

 

 

「何もやる気が起きない→何もやらない→さらに気分が落ち込む」という悪循環から脱するために、意識的に望ましい行動を増やすことが効果的なのです。

 

早速以下の手順にしたがって、行動活性化療法に取り組んでみましょう。

実践!行動活性化療法

ステップ1.自分の生活を見直す

以下の項目を読んで自分に当てはまるものを探してください。

  • 友人や家族となるべく顔を合わせないようにしている
  • 運動する、どこかに出かける、美味しいものを食べるなどの娯楽をしなくなった
  • 食事をきちんとする、体を清潔に保つするなどの管理に気を使わなくなった
  • 学校や職場などで成績を上げようとしなくなった
  • 過去のことにこだわり将来のことを考えることが少なくなった
  • 自分の子供や配偶者との関係に関心を持たなくなった
  • テレビを見る、ゲームをする、スマートフォンを触るなどに時間を使いすぎている
  • アルコールの飲み過ぎ、やけ食い、喫煙などが増えた

次に当てはまっている項目のうち、優先して改善していきたいものを選んでください。ここでは3つに絞り込んでみましょう。

  • 仕事で成果をあげるための自己投資をしたい
  • バランスのよい食事や基本的な生活習慣ができるようにしたい
  • スマートフォンに時間を使いすぎないようにしたい

 

ステップ2.具体的に行動を決める増やしたい行動を決めた1日の計画をした

さて、自分の生活の改善点が見えてきたら行動計画を立てていきましょう。

先程リストアップした3つの改善点から、具体的な行動を考えてみましょう。ポイントは明確な目標をつくるために具体的な数字を盛り込むことです。

 

  • 仕事で成果をあげるための自己投資:1日10ページ本を読む、300文字ブログを書く
  • 基本的な生活習慣:朝にシャワーを浴びる、ご飯とおかずをきちんと食べる
  • スマートフォンを触りすぎないようにする:ネットを見そうになったら代わりにAmazonで本を探す、夜の10時にはシャットダウンする

 

このように達成したかどうかが明確に判断できる基準をつくりましょう。この「明確化」が行動活性化療法で1番のポイントとなります。

 

1日の予定に行動計画を組み込む

さて、具体的な行動プランがつくれたので次に1日のなかのスケジュールとして落とし込んでいきましょう。

スケジュールに落とし込むコツは余裕をもたせることです。

  • 午前9時:起床してシャワーを浴びる
  • 午前10時:玄米と卵の朝ごはんを食べる
  • 午前11時:10ページだけ本を読む
  • 正午:玄米・肉2品・野菜2品の昼ごはんを食べる
  • 夜9時:パソコンで300文字記事を書く
  • 夜10時:パソコンやスマホなどの電子機器をシャットダウンする
  • 夜12時:就寝

「どんなに簡単な行動でも1時間にひとつ」を目安にすると分かりやすいです。

行動計画を立てたら、紙に書き出して行動活性化シートをつくりましょう。

ステップ4.評価する

最後のステップは自分の行動を評価し、記録していくことです。

ステップ2で立てた行動プランの基準をどれぐらい満たせたかによって、達成度を10段階で評価します。

  • 1日10ページ本を読む:「今日は5ページ読めたから達成度は5」「今日は20ページ読めたので文句なしの10!」
  • バランスの良い食事をとる:「今日は間食をしなかったから9!」「野菜を2品食べられたから7」

みたいな感覚です。

 

評価するときのポイントは減点方式ではなく、加点方式で見ることです。間食をしてしまったからマイナス」ではなく、「間食をしなかったからプラス」という評価をしましょう。

一見同じようなことですが、少しの意識の違いが効果を左右します。

 

評価したらステップ3で作った行動活性化シートに数字で評価を記入しましょう。

10段階で記録をつけていくのが面倒なら3段階でもいいです。例えば普通のシール・銀のシール・金のシールの3つを用意して達成度合いによって、シールを貼っていきましょう。

「目標の10ページより多く読めたから金のシール」「目標の半分以上読めたから銀のシール」「1ページでも読んだら普通のシール」という具合です。

 

行動活性化シートを定期的に見返そう

行動活性化シートに記録していくと「あとから見返したときに、1日を無駄にせず生きられたな」という感覚を得ることができます。

また、自分の行動を形に残すことによって、「何もできずに眠ってばかりだった…」という罪悪感を感じ、余計にうつ状態になるという悪循環を防ぐことができます。難しすぎた行動プランは見直してもいいですし、評価基準を変えてもOKです。

 

 

【今日のクエスト】行動活性化療法を実践しよう。

✓自分の生活を見直した

✓増やしたい行動を決めた

まずはここまでやってみましょう。

【獲得経験値】

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