今回は知識の異花受粉によって斬新なアイデアを出す方法について解説します。
異分野の知が新しい発想をもたらす
恐竜の絶滅を解明したのは古生物学者ではなく地質学者?
創造性が高い学者は自分の専門分野とは異なる分野の知識も持ち合わせていることが多いです。
そして、世界を変えるような大発見が異分野の知識から発想がもたらされることは珍しいことではありません。
例えば、恐竜やアンモナイトなどが絶滅した白亜最後の大量絶滅に関してです。最近では隕石衝突説がもっとも有力な説とされていますが、それまでは決定的な説が出ずにいました。
「恐竜はなぜ絶滅したのか?」その答えを出したのは恐竜の生態に詳しいはずの古生物学者ではなく、地質学者による発見だったのです。
地質について調べていた学者が白亜最後の地層にイリジウムという物質が多く含まれていることを発見しました。イリジウムは地殻中には存在しない物質なので、隕石によって宇宙からもたらされたものだということが推測されたわけです。
つまり、新しい発想を得たいときに専門分野だけに視野が狭まってしまうのは落とし穴となってしまいます。大事なのは自分のジャンルとは少し離れたところから新しい発想を持ってくることなのです。
商品開発のヒントは自然界にある!バイオミメティクス(生物模倣)
商品開発で新しいアイデアが出ないとき、多くの人は机にかじりついて自分の頭だけで考えることに固執します。
しかし、自分の知識だけで考えられるようなことには限界がありますし、どこかの誰かが似たようなアイデアを出しているのが常でしょう。
商品開発や技術開発の際に有効なのが、「バイオミメティクス」(生物模倣)という手法です。
生物模倣の名前の通り、植物や動物からヒントを得て新しいアイデアを考え出す手法です。
例えば、僕たちが普段使っているマジックテープは「ひっつき虫」をヒントに開発されたものです。
スイス人であるジョルジュ・ド・メストラル は愛犬と共に野原を散歩していました。
散歩していると愛犬の毛や自分の服にひっつき虫が付着しているのに気づきます。「ひっつき虫はどうしてひっつくのか?」と疑問に思ったメストラルは、ひっつき虫を自宅に持ち帰り、顕微鏡で観察していました。すると、ひっつき虫の先端は フック状になっていることが観察できました。
そして「これを応用することによって着脱可能な テープを作ることができるのではない」かという閃きに至ったのです。
このひらめきがひっつけたりはがしたりできる「面ファスナー」という商品を産み、日本では「マジックテープ」という名前で普及されるようになったというわけです。
【今日のクエスト】あらゆる知識をひらめきのための材料にしてみましょう。
【獲得経験値】
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