子どもが国語が苦手
本をあまり読みたあがらない
読解力を高める方法が知りたい
今回は家庭で子どもの読解力を高める方法をお伝えしようと思います。
読書量=読解力ではない
「読解力を高めるには本をたくさん読むしかない」という台詞を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、実際には「読書量=読解力」となるわけではないことが指摘されています。
読書と読解テストの成績について経済協力開発機構(OECD)が研究しています。
OECD は3年に1度程度の「学習到達度調査」という調査を世界各国で実施しています。(通称「PISA」 と呼ばれていて日本でも報道されます)
2011年の報告書では読書と読解力の関連があることが示されています。調査では読書が単なる読んだ本の量ではなく、「楽しみのためにどのぐらい本を読むか」「読書に対する態度」「読む本の種類」などを総合的に評価して、読書への熱中度を捉えています。
そして読書への熱中度が高い人ほど、読解力のテストの成績が良いことが分かっています
つまり、単純に読書量が多いと読解力が上がるのではなく、楽しいと思える読書が読解力を高めるのです。嫌々本を読んで読書量を増やすだけではダメだということですね。
「楽しむことが大事」とは言っても、そもそも読書が苦手な人は、楽しむことができないと思います。本を読むのを楽しくするにはどうしたらいいでしょうか。
読解力レベルを2学年分高めた「4つの方略」
読書が好きになれない理由は単純です。「読んでも分からないから」です。(笑)
そこで読んで分かるレベルになるために、「読むための方略」を使ってより理解しやすいようにしていきます。
読むための4つの方略
- 要約:どんな内容だったかまとめる
- 質問:先生がしそうな質問を考える
- 明確化:どういう意味か説明をする
- 予測:文章にどんなことが書かれていそうか読む前に考える
上記の4つの方略は、実験↓でも効果が実証されており、2学年分遅れていた子どもたちの読解力が、2ヶ月で学年レベルまで上がったそうです。
- パリンサーとブラウン という二人の研究者は、読むことが他の生徒よりもかなり苦手な中学生を対象に「読むための方略」の指導を行いました
- 2ヶ月間で20回の指導をした後、読解力テストを実施するとその子供の成績は他の生徒と同じレベルにまで向上していました。対象となった生徒は読解力テストで大体2学年ぶんぐらい下の成績だったのですが、指導後はほぼ学年レベルの成績になりました。
- またその効果は8週間後のフォローアップテストの時にも持続していました。
家庭で実践するときは、子どもの読解の指導役となり、子供に例文を読ませた後、この4つを意識しながら内容の確認をしてみると効果的です。
- この文を書いた人は結局どんなことを言いたかったのかな?一言で言うと?(=要約)
- この文章のなかで先生が出しそうな質問をひとつ作ってみて?(=質問)
- この文の「それ(指示語)」は何のこと?(=明確化)
- (本の目次だけを見ながら)この段落にはどんなことが書いてあると思う?(=予測)
といった質問をしてみると効果的です。子どもと一緒に読解していくことで、子どもも段々と「分かった!」「そうやって読めばいいのか」と達成感を積み上げていけるので、読書が好きになるでしょう。
国語を趣味の読書に活かす
前述した読むための方略について読んだ方は、「なんだか国語の授業みたいだな」と思われたことでしょう。
まさにそうです。国語の授業は自分で本を読むための能力を身に付けるものとも言えます。ですが学校の国語の授業では、教科書にある文章だけを扱うので、読書と切り離して考えがちです。
そこで家では子どもが読解力を楽しく伸ばせるように、子どもが好きそうだけどちょっと難しそうな本を親子で一緒に読むという取り組みをしてみましょう。
例えば恐竜が好きな子どもなら、図鑑ではなく字が多い本を選び、一緒に読んでみるといいです。
目次を読んで、「このページには図鑑で読んだあの恐竜のことが書いてあるんじゃない?」(=予測)と考えさせたり、「このページの内容でお母さんにクイズを作ってみて?」(=質問)といったように。
また、読解を子どもに教えるぐらいですから、題材となる本を大人が読めていなければいけません。
しかし、読解力にあまり自信がないという親御さんもいるでしょう。そんなときには4つの方略を自分自身で使ってみてください。親子で一緒に読解力を高めていくといいでしょう。
【今日のクエスト】子どもが好きそうなジャンルで、活字の本を買ってみよう
動物・恐竜・鉄道…など子どもが興味のある内容なら、本を読むことの苦手意識が消えやすいです。
【獲得経験値(親&子ども)】
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