体内を錆びさせる「活性酸素」が老化・万病の原因に。
活性酸素とは、酸素が電子を失って不安定になっている状態のことです。
活性酸素は失った電子を他の物質から奪い取ろうとします。結果、活性酸素は病気や老化の原因となってしまいます。活性酸素が他の細胞に影響を与えることを「錆びる」とか「酸化する」と表現したりします。
体の錆である活性酸素は心筋梗塞や脳梗塞などの病気のリスクを高めます。また脳細胞にも影響を及ぼし、アルツハイマー・認知症・うつ病のリスクも高めてしまうのです。
活性酸素が生まれる要因
呼吸
呼吸によって取り込んだ酸素のうち、2~3%程度が活性酸素となってしまいます。
活性酸素ができてしまう原因の9割は体内のミトコンドリアです。教科書で習って覚えている方もいるかもしれませんが、ミトコンドリアとは酸素と栄養分を原料としてエネルギーを作り出してくれる器官です。ミトコンドリアはエネルギーを作り出してくれる工場のようなものですが、活性酸素は工場で発生する燃えカスのようなものです。
しかしだからといって呼吸をしないわけにはいきませんから、しょうがありません。活性酸素が発生する他の原因をつぶしていきましょう。
腸内の悪玉細菌
腸内で悪玉細菌が増えすぎると活性酸素を生んでしまう原因になります。
糖分が多い食事
糖質が多い食事によって、内臓脂肪が貯まってしまうと活性酸素を発生させやすくなります。
ちなみに糖尿病にかかった人はうつ病にもかかりやすくなると言われています。原因は糖が多くなると活性酸素が増え、活性酸素によって脳細胞にダメージを与えるからです。
運動不足と過度な運動
運動不足も慢性的な活性酸素の原因になります。
というのも、運動不足になると内臓脂肪がたまりやすくなるからです。内臓脂肪は悪性因子であるアディポカインという物質を出し、脳や筋肉、肝臓などの代謝を弱め、活性酸素を発生させてしまうのです。
ですから、定期的な運動を行って内臓脂肪を燃やすことが重要です。また内臓脂肪が増えてしまう原因でもある高糖質の食事を改める必要もあるでしょう。
しかし困ったことにハードな運動によっても活性酸素が生まれてしまいます。実際にハードなトレーニングをしているアスリートなどは一般の人よりも活性酸素が増えやすく老けやすいです。
ですから活性酸素を増やさないためには、あくまでも適度な運動が大事です。
適度な運動+野菜で活性酸素を最小限に
運動不足でも、運動をしすぎても活性酸素は増えてしまう。ですので適度な運動を心がけることが大事です。
それでも運動による活性酸素が気になるなら減らす方法はあります。野菜を積極的に食べることです。
ある研究では積極的に野菜を食べることによって運動による活性酸素の悪影響を相殺することができると分かっています。
参加者たちにトレッドミルで走らせる。その際参加者たちを2つのグループに分ける。
- 運動の2時間前にクレソンを食べてもらう(処置群)
- 何もせず普通に運動してもらう(対照群)
その結果、2の普通に運動したグループは活性酸素やフリーラジカルなどが増えてしまったが、運動の2時間前にクレソンを食べた2の被験者たちは、活性酸素・フリーラジカルが実験前よりもかえって減っていたことがわかった。そして2ヶ月間毎日クレソンを食べたところ、運動によるDNA の損傷が生じなくなったとのこと。
つまり、運動をしていても野菜を食べていれば活性酸素というデメリットを相殺することができるわけです。
ちなみに運動の酸化ストレスをサプリメントによって減らそうとする方は注意です。ある研究では、ウェイトリフティングのアームカールを行う男性達が1日1000 MG のビタミン C の錠剤を飲んだところ筋肉の損傷や酸化ストレスがかえって増えてしまったと分かっています。
活性酸素の影響はサプリメントでは打ち消せないようです。
抗酸化作用
「抗酸化」とは活性酸素を減らし、老化や万病を予防することです。そこで抗酸化作用を持つ食品をまとめてみたいと思います。
ベリー類
果物のなかでも最も抗酸化力が強いのはベリー類です。
ベリー類でない果物にも抗酸化力はあります。りんごとバナナの抗酸化力はそれぞれ60ユニットと40ユニット、マンゴーは110ユニット です。これらも食品も優秀ですが、ベリー類には及びません。
いちごは約310 、クランベリーは330、ラズベリーは350 、ブルーベリーは380ユニットです。(ブラックベリーはもっと高い!)
ベリー類が抗酸化物質が多い理由は、その色です。ベリー類は動物に食べてもらって別の場所に運んでもらうことによって繁殖します。ですので動物の注意を惹きつける鮮やかな色が多いです。そしてその鮮やかな色をつくっている色素にはたくさんの抗酸化物質が含まれています。
ラズベリーが強い!
ベリーの中でも特に栄養価が高いのがラズベリーです。
生の果物の中でラズベリーは最もオメガ3脂肪酸が多く含まれています。また100 G で1日に必要なビタミン C の1/4以上が含まれており、抗酸化物質も多いです。
ベリー類は冷凍食品でも問題なし!
冷凍食品にすると栄養価が落ちてしまう食品はいろいろありますが、ベリー類は冷凍でも問題なしです。冷凍庫に常備しておいて手軽に食べましょう。
ナッツ界で最強!くるみ
くるみは抗酸化物質やオメガ3脂肪酸の含有量が最も多く、がん細胞の増殖を抑制する効果が他のナッツ類に比べて高いことが分かっています。
ブルーベリーと同等!?間食に最適な食品
さつまいもです。
特にさつまいもの皮には中身よりも10倍の抗酸化物質は含まれており、その量はブルーベリーにも匹敵するといいます。 さつまいもは1ドルあたりの栄養源が最も高い食品でもあります。
調理法としては、さつまいもは電子レンジではなく茹でる方が栄養が失われずに済みますよ。
ブルーベリーの3倍!?最強抗酸化食品
赤キャベツは1ドルあたりの抗酸化物質の量が最も多い食品です。 1ドルあたりの比較で言うとブルーベリーの3倍の抗酸化物質を含んでいます。
ミトコンドリア内に作用する抗酸化物質「エルゴチオネイン」
キノコなどに含まれている「エルゴチオネイン」という物質は体内で細胞保護膜として機能し、活性酸素から守ってくれることが指摘されています。
というのも、エルゴチオネインが集積している場所は体の中でも 酸化ストレスが多い目の中の水晶体骨髄や精液、肝臓などだからです。
また、エルゴチオネインには ミトコンドリア内の抗酸化物質として作用します。 ミトコンドリア 内部の DNA は フリーラジカルや 活性酸素の損傷に極めて弱いのですが、普通の抗酸化物質ではミトコンドリアの膜を通り抜けることができません。ですからミトコンドリアを守ってくれるのはエルゴチオネインしかないのです。
エルゴチオネインが一番含まれているのはきのこ類です。ちなみに2番めは黒豆、三番目は鶏レバー ですが、黒豆に対してキノコは9倍ものエルゴチオネインが含まれています。お得なのはキノコっすね。
飲み物には緑茶を。
緑茶にも抗酸化物質が含まれています。また、緑茶には他にも健康に効果があります。
- 乳がん・卵巣癌・子宮内膜癌を予防する効果
- コレステロール値・体脂肪率・血糖値・血圧を下げる効果
- 緑茶やコーヒーに含まれる抗酸化物質はうつ病を改善する効果がある
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