- 社会のルールを守れない
- みんなで遊ぶときにもズルをして仲良く遊べない
- テストでカンニング
親としては子供にこのようなズルはしてほしくないと思います。しかし、普段の子供への何気ない接し方がズルをする子供に育ててしまっている可能性があるのです。
成果だけを褒めるとズルをする子供になる!?
子供さんを褒めるときにどんな褒め方をしているでしょうか?例えばテストで100点をとったとき、
- 成果だけを褒める:「すごいね!頭がいいんだね」
- プロセスを褒める:「すごいね!頑張って勉強したからだね」
どちらの褒め方をしているでしょうか?
実は成果だけを褒める褒め方をしてしまうと、ズルをする子供になりやすくなります。
カリフォルニア大学サンディエゴ校で行われた実験を見てみましょう。
- 子どもたちを集めてカードを使ったゲームをしてもらう
- 一部の子どもたちにはゲームに勝ったときに「頭がいいんだね」という成果を褒める褒め方をする
- 実験者がわざと席を外してその後のゲームを観察したところ、「頭がいいんだね」と褒めた子供たちは他の子のカードを盗み見たりなど、ズルをする傾向が強かった
という内容です。
プロセスを無視して成果だけを褒めると、「また褒められたい」と思って手段を選ばなくなるわけです。
「きちんと工夫していたすごいね」「今の作戦がよかったね」という褒め方をすれば、もっとすごい勝ち方をしようと正しい努力をするはずです。
テストの結果も同じです。「100点をとってすごいね!」と成果だけを褒めれば、「100点を取りさえすればいいんだな」と認識し、カンニングをする危険性も高まります。
逆に「勉強の仕方を工夫してたからだね」とか「頑張って勉強したもんね」と声をかければ、より努力や工夫をするようになるでしょう。
成果が出てなくても褒めよう
成果が出たときに成果だけではなくそこに至るプロセスを褒めることが大事だと分かりましたね。
もっと言うと、成果がまだ出ていないときにも積極的にプロセスを褒めるようにしてほしいのです。
例えば、一生懸命勉強をしたけど点数があがらなかったテストがあったとしましょう。
普通なら「残念だったね」と声をかけたくなります。しかし、そこで「こんなに頑張ることができるんだからきっと将来大成するよ」と声をかけてあげましょう。
成果が出ていないときにも褒めることでピグマリオン効果が発動できるからです。
ピグマリオン効果とは積極的に期待することによって実際の能力が上がる現象です。ピグマリオン効果を実証したある実験を見てみましょう。
- 子供に知能テストを受けさせる
- 一部の子供の担任の教師に実験者が「この子は将来伸びますよ」と報告する(一部の子供というのはランダムに選ばれており、知能テストの成績とは関係がない)
- 結果、8ヶ月後にもう一度知能テストをしたところ、「伸びますよ」と期待された子どもたちの成績がアップした
という内容です。実験のポイントは教師が「この子は伸びるんだ」と信じ込んでいただけで実際に成績がアップしたという点です。
期待をすることによって無意識に子供への接し方も変わり、子供もそれに応えようとした結果でしょう。
ですので親御さんも「この子はきっと伸びる!」と信じて、教育をなさることがとても大事です。
【今日のクエスト】自分の褒めワードがプロセスを褒めているか確認しよう
- 「頭がいいね!お父さんの遺伝かな」→「頑張って勉強してたからだね」
- 「発想力があるね」→「工夫しているね」
- 「運動神経がいいね」→「あの動きが良かったね」
- 「理解力が高いね」→「よく話を聞いているね」
【獲得経験値】
「頑張ることがダサい」と思える思春期への対応
思春期の子供に対して「頑張ったね」なんて言うと、「は?頑張ってねぇし」と返されそうでもあります。
「頑張ることは誰にだってできる」「『頑張っている』というのはダサい」という認識があるからだと思います。
この気持ちはすごく分かるのですが、実際は頑張ることはとても難しいですし、天才と呼ばれている偉人もみんな影の努力しています。
ですので褒め方を見直すとともに、成長することの大切さや才能だけでできることはないという現実を教えることも大事かと思います。
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