野菜の栄養素をガッチリ守る!超スーパーウルトラ保存法

ヘルスポイント
この記事はこんな方にオススメ
  • 食材をまとめ買いすることが多い
  • 買い物の回数を減らしたいけど、一気に買ってダメになることが多い
  • 栄養素をきっちり守る合理的な保存法を知りたい
  • 食材の種類ごとに保存法を覚えるのは面倒くさい

今回は野菜を長持ちさせる保存法を解説します。

 

野菜を買った後の2つの問いかけ

まとめ買いするときには野菜がダメにならないように適切な保存をする必要があります。しかし、「食材それぞれの個性を把握するのは大変…」と思ってしまいますよね。

 

実は食材すべての保存を分ける必要はなく、以下の2点を軸に考えればいいのです。

  • 「1週間持つ野菜か?」→Noなら冷凍
  • →Yesなら「適切な温度は?」

 

人によってまとめ買いする頻度はそれぞれだと思いますが、今回は週の始めに買って1週間ぐらい保存したいという前提で話を進めていきます。ですので、まずはスーパーで買った食材をとりあえず冷蔵庫に保存する前に、1週間以上持つものなのか?持ちにくいのか?を判断しましょう。

  • 1週間もつ野菜:1週間持たない野菜以外
  • 1週間持たない野菜:ほうれん草、水菜、枝豆、モロヘイヤ、ニラ、アボカド、もやし、そら豆…など

 

第1章:1週間持たない野菜の保存場所

1週間以上持たないもの→潔く冷凍

1週間以上持たない野菜は潔く冷凍するのがオススメです。

例えば、ほうれん草や小松菜は葉っぱの面積が大きいため、冷蔵室に入れておくだけでも栄養が逃げてしまいます。実際、ほうれん草のビタミンCは1日冷蔵庫に入れておくだけでも30~50%消失すると言われています。

 

ブランチング+冷凍を実践

覚えておくこと①
蒸し+冷凍で保存する野菜→ほうれん草・小松菜・春菊・水菜・モロヘイヤ・枝豆・そら豆・セロリの葉・アスパラガス・大根葉・カブの葉・もやし・白菜

ネギ・ニラ・熟したアボカド・熟したバナナ・きのこ類は切ってそのまま冷凍

 

ブランチングとは冷凍する前に野菜を固めに茹でたり蒸したりすることです。いきなり冷凍するのではなく熱を通してから冷凍することで保存性を高めることができるのです。

 

ここでは蒸す方法をお教えします。というのも野菜をたっぷりの水で茹でてしまうと水に溶けやすいビタミンが出ていってしまいもったいないからです。

対して、蒸しなら栄養の流出が少ないどころか栄養がアップする野菜も多いです。じっくり低めの温度で野菜に適度なストレスをかけることで野菜が栄養素を蓄えてくれるんだとか。

実際、白菜は低温で蒸すことでアミノ酸であるGABAが8倍に増えると言われています。しかもビタミンCの流出を防ぎほぼ100%キープできるんだとか。

ほうれん草も茹でるとビタミンCが流出しますが、低温で蒸せば逆に増やすことができます。

 

ネギ・ニラ・アボカドなども長期の保存には向かないので冷凍をオススメします。(後述するように冷蔵保存・もしくはチルド室での保存もできます)

ネギは適当な大きさに切ってから緑と白を分けて保存しましょう。緑の部分の水分が白い部分の痛みを早めてしまうからです。

解凍するときはお湯は使わずに自然解凍・もしくはそのまま活用

解凍するときにはお湯をぶっかけるのはオススメしません

というのも、お湯などで解凍してしまうと水に溶けやすいビタミンや旨味が無駄になりやすいからです。

 

ですので、凍ったまままま調理に入れる使う前日に冷蔵庫に移して自然解凍するといいでしょう。自然解凍は面倒に感じますが、肉類を解凍するついでにやればいいだけなので意外と手間はかかりません。

 

解凍したら軽く水気を拭き取ってサラダに乗せたり、炒めものに使ったりしましょう。

一度ブランチングしているので調理の時間を短縮することができます。特に小松菜やほうれん草などは加熱しすぎないように。せっかく蒸し調理で守ったビタミンCが無駄になります。

 

1~3日で使い切るのも手

ブランチング+冷凍が面倒くさかったら、「日持ちしない野菜は1~3日で使い切る!」と決めておくのもアリ。

ただし、好きなときに使いたい」という場合は冷凍しておく方が安心です。まとめ買いしたら一気に蒸して冷凍!と決めておけばいちいち迷う必要もありません

 

第2章:1週間もつ野菜の保存場所

次に1週間は持つ野菜の保存法です。対象となる野菜は「1週間日持ちしない野菜以外の野菜」と覚えておけばいいです。(要するにほとんどの野菜)

 

野菜を保存するときには野菜に適した温度を考える必要があります。温度を気をつける上で、保存する適切な場所と目的は以下のように分かれます。

  1. 常温・冷暗所(~14度):寒さに弱いイモ類など。追熟させたいアボカド・バナナ・かぼちゃなど
  2. 野菜室(5~10度):寒さに弱いけど鮮度も保ちたいもの。夏野菜・熟した野菜・フルーツなど
  3. 冷蔵室(0~5度):鮮度を保ちたいほとんどの野菜・フルーツ
  4. チルド室(0度):特に鮮度を保ちたいもやしやネギなど

 

常温・冷暗所(14度以下)

覚えておくこと②

涼しい場所に置いておく野菜

  • イモ類(さつまいも里芋じゃがいも長芋)・玉ねぎ→ダンボールに入れて上から新聞紙をかぶせる
  • トマト・オレンジ・みかん・りんご・生姜・かぼちゃ→新聞紙だけにくるんで保存。ヘタは下にする
  • バナナ・ニンニク→吊るしておく
  • スイカ・メロン→カットするまでは常温で保存
  • アボカド・キウイ→未熟なものはポリ袋に入れて常温で保存

すべての食材を冷蔵庫に放り込めばいいというわけではありません。中には寒さに弱く、冷蔵庫に入れるとむしろ傷みやすくなってしまう食材もあります。

例えば、トマトの場合は冷蔵庫に入れておくとリコピンが大幅にダウンしてしまいます。トマトは温かい地域が原産で寒さに弱いからです。

 

基本的にこれらの食材は乾燥を防ぐために新聞紙にくるんで涼しい場所に置いておくといいです。

例外的に、スイカ・メロンは裸のまま常温で保存。キウイやアボカドは指で押して固いものは未熟なものなので、ポリ袋に入れてから(新聞紙やペーパーは不要)熟すまで常温で置いておきましょう。

 

野菜室(5~10度)

覚えておくこと③
野菜室で保存する→ナス・オクラ・ピーマン・ゴーヤ・グレープフルーツ・カットしたかぼちゃ・熟したトマト

ゴーヤ・かぼちゃは種とワタを取り除いてからラップでぴっちりと包む

 

寒さにあまり強くないけど鮮度を保ちたい野菜・フルーツは野菜室(5~10度)に入れておきましょう。

 

冷蔵室(0~5度)で保存

 

覚えておくこと④

冷蔵室で保存=冷凍・常温・野菜室・チルド室以外のすべて

  • 新玉ねぎ・人参・大根・カブ・カリフラワー・ブロッコリー・セロリの茎・キャベツ・レタス・ごぼう・レンコン・カブ・いちご…などなど
  • 熟したアボカド・熟したキウイはポリ袋に入れて保存
  • カットした野菜室・常温の野菜はぴっちりラップをして保存

いちいち種類を覚えなくても、「冷凍・野菜室・常温以外は冷蔵保存」と覚えておけばOKです。

特筆する点としてはアボカドとキウイです。常温で置いておいたアボカドやキウイが熟したらポリ袋に入れて冷蔵しておきましょう。

また、野菜室での保存・常温保存のところで挙げた野菜もカットした場合は冷蔵室に移しましょう。

 

チルド室(0度)→野菜はあまり使わない

覚えておくこと⑤
もやし・ネギはチルド室で保存

ネギは乾燥に弱いのでチルド室での保存が適しています。

寒いところではエネルギーを節約しようとするので水分の蒸発を抑えることができます。緑と白の部分を切り分けて、ラップで包んでから保存しておきましょう。

 

チルド室だと比較的長持ちしますが、3日以上使わない場合は冷凍しましょう。第1章の冷凍保存のところでも紹介してますが、復習しておくともやしは蒸したりレンチンしてから冷凍ネギは緑と白で分けて切り生のまま冷凍でOK。

 

第3章:保存のテクニック

さて、第1章・第2章で野菜の保存場所について見てきました。それぞれどの場所に保存するかが何となく分かったと思います。

 

お次はどうやって保存するか?という点を見ていきたいと思います。

どうやって保存するか?保存のテクニック
  1. 乾燥を防ぐためにペーパーを巻き、ポリ袋に入れる
  2. カットした場合はラップをぴっちり巻く
  3. エチレンガスに気をつける

これらの保存テクニックは、冷蔵であっても常温であっても野菜室であっても基本同じだと思ってください。

 

カットしていない野菜はペーパーを巻く

野菜は乾燥が大敵になります。乾燥を防ぐためにはキッチンペーパー(新聞紙)を活用します。

 

乾いたペーパーが野菜の水分を適度に吸い、野菜の潤いを保ってくれるからです。また、ペーパーでくるんだ後はポリ袋に入れ、口を軽く結んでおくといいでしょう。キツく結ぶと袋のなかが蒸れてしまうので注意(※例外は後述)

大きい食材(まるごとのキャベツや白菜など)なら新聞紙を使い、小さい食材(トマトやきゅうりなど)ならキッチンペーパーを使いましょう。

覚えておくこと⑥
カットしていない丸ごとの野菜ならペーパーを巻いてポリ袋に入れる。2重作戦で乾燥を防ぐ!

 

カットした場合はラップをぴっちり巻く

カットした野菜はラップでぴっちりと巻きましょう

切り口を空気に触れさせないためです。切り口が空気に触れると酸化が進んでしまい劣化が早くなるからです。白菜、キャベツ、かぼちゃなどカット済みの野菜を買った場合も同様です。

 

また、アボカドは劣化が早いので切り口にレモン汁を塗るというテクニックを覚えておきましょう。レモンに含まれる抗酸化物質が酸化を防いでくれるのです。

 

ちなみに、1章で見た冷凍保存の野菜もカットしたらラップをぴっちり巻いてから冷凍庫に入れるようにしましょう。

覚えておくこと⑦
余った野菜・カット済み野菜・冷凍する野菜はラップをぴっちり巻いて酸化を防ぐ!(ペーパーとポリ袋は不要)

 

エチレンガスが多いりんご・ブロッコリーの保存は厳重に。

さて、ここまで読んで頂ければ、野菜をどこに保存するのか・どうやって保存するのかが分かってきたと思います。

最後にちょっと応用編をお伝えします。「エチレンガス」についてです。

 

エチレンガスとは野菜が収穫後も呼吸をすることによって空気中に出す成分のことです。他の野菜がエチレンガスを浴びると野菜の老化が早まります

ですので、エチレンガスを多く出す食材に関しては注意が必要です。

袋の口はキツめに締める!

りんご、アボカド、ブロッコリーなどを冷蔵保存する場合は他の野菜を老化させないために、ポリ袋をぴっちりと締めるようにしましょう。

  • りんごは基本通り。ペーパーでくるんだ後にポリ袋に入れ、口はしっかり締める
  • ブロッコリーは3重にしましょう。蕾の部分をキッチンペーパーでくるんでその上からラップ!さらにポリ袋に入れてしっかり締める
  • 熟したアボカドはポリ袋だけでOK。口をしっかり締める

 

じゃがいもと一緒に常温保存

エチレンガスはじゃがいも(常温保存)と一緒に保存することで発芽を抑える働きもあります。

りんごは常温でも1ヶ月ぐらいは持ちますので、じゃがいもの相棒としては最適でしょう。じゃがいもとりんごをそのままポリ袋に入れるだけでOKです。

未熟なキウイと一緒に常温保存

エチレンガスは野菜の老化を早めてしまいますが、逆に言えば未熟な食材の熟成を早めるために役立ちます。

未熟なキウイと一緒にりんごを入れるといい具合に熟してくれます。

覚えておくこと⑧
エチレンガスが多いブロッコリー・りんご・アボカドを冷蔵保存するときは口をしっかり縛る

 

まとめ

すべてを完璧に保存しようとする必要はありません。まずは買った食材のうち1つでもいいので、適切な温度の場所に移動させてみましょう。

 

野菜の保存まとめ

覚えることはできるだけ少なくしたつもりですが、結構増えてしまったので最後にまとめておきます。もしよかったら紙に書き出して冷蔵庫などに貼ってみてください。

ほうれん草・小松菜・春菊・水菜・モロヘイヤ・枝豆・そら豆・セロリの葉・アスパラガス・大根葉・カブの葉・もやし・白菜・ネギ(※)・ニラ(※)・熟したアボカド(※)・熟したバナナ(※)・きのこ類(※)

→蒸し+冷凍(※は蒸さずに切ってからそのまま冷凍)・ラップでつつむ

イモ類・玉ねぎ・トマト・かぼちゃ・ニンニク・生姜・オレンジ・みかん・りんご・スイカ・メロン・未熟なキウイ、アボカド、バナナ

→涼しい場所・新聞紙で包む(イモ類と玉ねぎは新聞紙をかぶせるだけ)

ナス・オクラ・ピーマン・グレープフルーツ・熟したトマト・ゴーヤ(※)・カットかぼちゃ(※)

→野菜室・ペーパー+ポリ袋(※ゴーヤとかぼちゃは種をとってラップ)

それ以外→冷蔵室・ペーパー+ポリ袋(※熟したアボカドとキウイはポリ袋)
 
 
ポリ袋は口を軽く結ぶ(ブロッコリー・りんご・アボカドはキツめに)
カットした野菜の場合はラップをキッチリ巻く

 

保存に役立つアイテム
  • ペーパー系(新聞紙・キッチンペーパー)
  • ポリ袋
  • ラップ
  • 冷凍用保存袋:冷凍するときにラップの代わりに使える
  • かご:常温保存の野菜を置いておくのに便利
  • 吊るすやつ:バナナ用

↑かごつきの吊るすやつ。リンゴは一緒に置かないほうがいい。

 

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