「一生独身」を恐れている人ほど失恋のダメージがデカい!

精神力

「一生独身」を恐れている人ほど元恋人に執着して不幸になる

失恋をしてしまったときには、気持ちを切り替えることができずに元恋人に執着してしまうものです。特に、独身であることに不安を抱いている人は元恋人に執着してしまう傾向が高いので注意が必要です。

 

2016年のトロント大学の研究では、元恋人への執着と独身への不安の関係性について調べられています。

 

根拠となる研究
Longing for Ex-Partners out of Fear of Being Single - PubMed
This research investigated whether people who fear being single have a more difficult time letting go of ex-partners following a romantic breakup. Data were col...
  • 被験者:交際相手がいる1,242人(スクリーニング前)→その中から失恋を経験した18歳から55歳の117人の男女(男性57人、女性52人、その他8人)
  • 内容:失恋を経験した被験者の一日ごとの感情の変化をモニタリングする実験を行った。
測定
独身への不安度:「Fear of Being Single scale(FOBS)」によって独身であることに対する不安を評価。六つの項目に対して一から五の五段階で回答する。なお、失恋後と失恋の前でそれぞれ調査を行った。

質問例:「自分の生涯の愛を見つけるには、もう手遅れに近いと感じている(If I were single, it would be close to being too late for me
to find the love of my life)」

元恋人への愛着
復縁の試み:→イエスノーの二択で解答。試みている場合はイエスで1、試みていない場合はノーで‐1) 

質問例:
「パートナーとよりを戻したいと試みている(I tried to get back together with my ex-partner)」

失恋の切り出し:失恋の切り出しに関しては自分から切り出したものを1、お互いの譲歩によるものは0、パートナーからの切り出しを‐1として数値化した。(数値が高いほど自分主導の失恋であると言える)
 
介入

介入の期間中に交際中の1242人を追跡し、独身への不安度などを調査。被験者には1週間に1回の頻度でメールを送り、前述の測定項目の内容に回答してもらった。

 

調査機関のうち226人が失恋。そのうち、条件の合う117人の男女を対象に失恋後の調査を行った。失恋を報告した後も、独身の不安度・元パートナーへの愛着・復縁の試みなどを回答してもらった。。なお、項目は1日ごとに調査され、被験者にはその日の気分において回答するように強調した。

 

結果

独身への不安度については以下の通り。

  • 失恋体験後の独身への不安度は失恋経験前よりも有意に増加していた
  • 失恋の切り出しがどちらであっても失恋後は独身への不安度合いを増加させていた

 

元パートナーへの愛着については以下の通り。

  • 失恋後では元パートナーへの愛着が強くなっていた
  • 1日ごとの変化を見てみると、独身への不安度が高くなると、次の日の元パートナーへの愛着の増加を促進していた

 

復縁の試みについては以下の通り。

  • 1日ごとの変化を見てみると、平均よりも高い独身への不安度を感じている日には、復縁をより試みていることが分かった
  • 独身への不安度が高くなると次の日にパートナーとの関係を修復しようとする傾向が強くなった

 

元パートナーへの愛着や復縁の試みが独身への不安度を軽減させるかについては以下の通り。

  • 元パートナーへの愛着は、独身への不安度を軽減することに関して有意な効果は見られなかった
  • 復縁の試みの増加は、独身への不安を和らげるのに有意な効果は見られなかった
考察

研究でわかったことをコンパクトにまとめると以下のようになります。

  • 失恋をすると、失恋を切り出したのが自分であっても相手であっても独身への不安度が増加する(これはしょうがない…)
  • 失恋をすると元恋人に対して執着してしまう(これもしょうがない)。特に、独身への不安が高い場合、執着度合いが高くなる
  • 独身への不安が高い場合、元恋人との復縁を試みようとする傾向が高くなる
  • しかし、元恋人に執着したり復縁を試みたりする行動には独身の不安を和らげる効果が見られない

 

特に重要なのは、独身への不安感を消す上で過去の恋人に執着することは良い方法とは言えないということです。しかし、元々独身になることへの不安が強い人はどうしても失恋のときに気持ちの切り替えができないみたいです。しかし、不安感に振り回されながら恋愛を続けても結局うまくいかないことは目に見えています。

そこで今回の実践編です。

 

【実践】独身に対する偏見を捨てよう

一番の処方箋は独身であることに対する偏見を払うことです。というのも、世間では、「結婚できずに年を取った人は親密な人間関係を築く上でなんらかの問題がある」という見方があるからです。しかし、最近の研究では独身であることのメリットも示されてきています。例えば、自分の意思で独身の道を選んだ人はそうでない人よりも幸福度が高いことが分かっています。

 

「結婚には憧れる。でも、シングル(独身)として生きるのも悪くない」と考えられるようになるのがベストです。そうすれば、気持ちに余裕ができて独身への不安感に振り回されることがなくなるでしょう。

 

また、研究チームによると、元パートナーに執着してしまうのは、「誰かと恋人という強い関係でありたい」という心理ではないかと考察されています。つまり、元恋人そのものを求めているのではないということです。

ですので、より新しい関係性を求めることが重要です。新しい恋愛だけでなく、充実した友達付き合いや、社会とのつながりを意識してみるといいでしょう。具体的には、気の合う友達と過ごす時間を増やしてみる、近くの習い事やサークルに参加して新しい付き合いを増やしてみる…などのアクションを起こすといいでしょう。

【獲得経験値】

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