独身の方が燃え尽き症候群になりやすい!?

精神力

独身の方が燃え尽き症候群になりやすい!?

2017年の研究では、結婚していない人は結婚している人に比べて燃え尽き症候群になりやすい傾向があると示されています。

 

「燃え尽き症候群」とは、それまでモチベーションを高く持っていた人が突然やる気を失ってしまう症状です。タイミングとしては、努力に見合った成果が出なかった時や、大きな目標を達成して打ち込めることを失ってしまった時に起こります。

https://www.researchgate.net/publication/314187504_The_Effects_of_Socio-Demographic_Factors_and_Work-Life_Balance_on_Employees’_Emotional_Exhaustion
 
根拠となる研究
  • 被験者:小売業・教育・サービス・物流などの様々な職業の261人(123人の男性・135人の女性・その他)(スクリーニング前)
  • 内容:被験者にオンラインの質問票に回答してもらい、収入・結婚歴・ワークライフバランスなどを調べ、情緒的消耗感と比較した
 
観察
試験者たちにオンラインの質問票に回答してもらい、収入や結婚歴などの統計データに加えて、以下の質問票に回答してもらった。
  1. ワークライフバランスの質問票
  2. 燃え尽き症候群の質問票
  3. 情緒的消耗感の質問票
 
なお、燃え尽き症候群になりやすいかどうかを調べる上で、五つの側面からワークライフバランスを分析した。
  1. 生活の無視:理想的なライフスタイルを送れていないと考え、人生で多くのことを逃していると考えている傾向
  2. 仕事がすべてになっているか:連続的に週末も働いており、帰るのが夜遅く、仕事以外のアクティビティを逃している、もしくは食事や睡眠などの活動も犠牲にしている傾向
  3. ワークライフバランス:仕事量を管理できているか、趣味の時間をとれるか、仕事とプライベートな時間のバランスを保てているか
  4. 自分のための時間:自分のための時間を取れているか
  5. 仕事を家に持ち帰るか:時間外労働をしつつも、家で仕事のことを考えたり仕事をしたりしている傾向
 
結果
  • 結婚している場合と比べて、結婚していない場合は燃え尽き症候群になりやすい傾向があった
  • 自分のための時間が取れていない人ほど情緒的消耗感の傾向が強かった
  • また、仕事が生活のすべてになっている人ほど情緒的消耗感の傾向がやや高かった
  • 自分のための時間を増やすことと、ワークライフバランスに注意することによって情緒的消耗感は改善される
 
考察

つまり、結婚していない人の方が燃え尽き症候群になりやすいということです。

というのも、独身の人は他の活動を犠牲にして仕事をキャリアを重視する傾向があるからです。また、自分自身が課すプレッシャー以外にも周りからの影響もあります。というのも、独身の人はより多く働くことを期待されるからです。実際に、独身の人は家庭を持っていない分、結婚している人と比べて朝早くから夜遅くまで働かせても大丈夫という風潮があります。

 

また、燃え尽き症候群になりやすい人は、時間外労働をしたり仕事以外の活動をしていなかったりする傾向がありました。というのも、考えてみれば当然ですが、仕事に全振りしている人は「自分は仕事を失ったら価値がなくなるのではないか」という不安も大きいからです。生活の中で趣味を持って楽しみを見つけたり、仕事以外で友達付き合いをしたりなどの活動が必要になるでしょう。

 

 

【実践】自分のための時間を設けよう

ステップ1:周りからのプレッシャーを無視しよう

まず、「独身の人は長く働かせてもいい」という不平等な考えにははっきりと異を唱えることが重要です。というのも、結婚は人生における一つの選択肢であって、既婚者と独身者に優先順位が変わるわけではありません。「こっちは家庭があって家族の事で忙しいんだから」と主張されたとしても、「でも結婚するという選択をしたのはあなた自身ですよね?」と突っぱねてやればいいのです。

 

ステップ2:自分のための時間を設けよう

仕事以外の趣味を持つことが結果的に仕事に役立つという考え方をしてみましょう。

というのも、さまざまな分野で関心を持っていた方がクリエイティブな発想力も高まり、仕事に還元されるからです。「結局打算で趣味を持つことになるけどいいの」?と思われるかもしれません。しかし、仕事に活かす目的で趣味を持つという考え方でも問題ありません。なぜなら、打算的な理由があったとしても、趣味を通して自分がコントロールできる時間を作ることが重要だからです。

【獲得経験値】

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