「電子書籍と紙の本では科学的にどっちがいいの?」と思ったので調べてみました。
結論を言うと、読書の質だけを考えるのであれば紙の本の方がいいと言えます。
紙の本の方が好奇心が高まる
読書を習慣にしたいけどなかなか読む気にならないという方にはぜひ紙の本をオススメします。ある研究によると、紙の本で読むほうが好奇心を保つことができるとか。
確かに紙の本でしか味わえないページをめくる感覚や「読書をしている感」はあります。まずは形から入るという戦略は読書デビューをしたい方にはオススメです。
電子書籍より紙の本の方が理解力が上がる
ある研究によると、電子書籍よりも紙の本の方が理解力が高まるとか。
理由としては、電子書籍はハイパーリンクなどの邪魔者が多く、スムーズな理解を邪魔するからです。ハイパーリンクは引用先や注釈に飛ぶことができるリンクのことです。
ハイパーリンクが存在するだけで人間の脳は押すか押さないかという選択を無意識にしてしまいます。そうした意識の乱れが理解力を邪魔してしまいます。
また、電子書籍よりも紙の本の方が深く読むことに適しています。というのも、電子媒体はそもそもメールやネットサーフィンなどで短い文章を読むことが多いです。電子書籍を手に持ったときには人間の脳は「深く読むモード」に入りにくいのです。
紙の方が脳がよく働く!?
分からない言葉を紙の辞書で調べた場合と、スマホで調べた場合の脳の活動を調べた研究↓があります。
超小型近赤外分光装置 (NIRS)※を使った実験。分からない言葉をNIRSをつけた状態で調べてもらい、脳の活動を調べる。その際、被験者を2つのパターンに分けて比較
- スマホで検索してもらう
- 辞書で検索してもらう
その結果、スマホで調べた時のより多くの意味を調べることはできるが、前頭前野がより活発に働くのは辞書を使って調べた時であった
※NIRSという装置を使うと、MRIとは違ってじっとしている必要はなく、多少動いても脳の活動を測定できる
紙の方が脳が働きやすい理由としては、指を動かす動作が大事なのではないかと考えられています。指の動きは脳の動きとも密接に関わっているからです。
紙の辞書を使って調べるときの方が、ページをめくる動作をしたり、紙の質感を感じたりすることができるので、脳への刺激も多いのではないかとされています。
また、スマホの場合は 変換候補などを自動的に出してくれるので、 脳にあまり負荷がかからないとも考えられます。
本を読む場合にも、指からの刺激が多い紙の本の方が頭が働きやすくなりそうではあります。
やはり結局は好み
結局は好みと使い所によると言えます。判断基準としては自分の学習スタイル、引っ越しや移動が多いかという点だと思います。
まず学習スタイルについてです。
わざわざノートを用意するのが面倒という方は、好きなだけメモを残せる電子書籍のほうが向いているかもしれません。紙の本でも書き込むことはできますが、スペースに限りがあります。
※「kindle」の電子書籍端末はフリック入力ができないのでメモ機能はさほど期待できないと思ったほうがいいです。ガッツリメモしたいならアプリの方がkindleがオススメです。
次に移動の頻度です。
移動しながら読みたいという方にはやはり電子書籍がオススメです。「しかしそもそも移動しながら本を読む必要があるのか」という点は疑問です。
僕の場合は電車の中やカフェで本を読もうとすると雑音が気になってまったく集中できません。それもそのはず、内向的な人は外向的な人よりも雑音を拾いやすく、気が散りやすいのです。
「静かな場所でゆっくり読みたい」という方はわざわざ電子書籍である必要はなさそうです。
また、Kindleで買う方が安い場合もあります。しかし図解の本などを買う場合、スマホのKindleでは画面が狭いので大変読みづらいです。
タブレットを持っているなら、Kindleで安く買って手軽に読むのもいいでしょう。
地味ぃなメリットとしては、タブレットやスマホは軽いので、目の高さに合わせやすいです。
読書していると視線がどうしても下がってしまいますが、スマホなら高い位置に持ちやすいです。この点は紙の本であっても書見台などを使えば解決しますが。
僕は場合にもよりますが、やっぱり紙の本の方が好きです。
確かにそこそこの重量がある紙の本をたくさん所持するのは大変です。しかし、本をコレクションとして楽しむならやはり紙の本でしょう。
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