- 会話の目的を持てるようになり、話す話題が豊富になる
- 相手に「気持ちよくなってもらう」会話ができるようになる
- 「この人は自分のことを分かってくれる!」と親近感を効果的に演出することができる
モテル会話のコツは「似ていること」の演出
似ていると親密になれる2つのテーマ
モテる会話をするためには会話の目的を定めておくことが重要です。相手との親密度を高める上で探っていくべき話題は以下の二つです。
- 相手の価値観:例えば、人生において学びを重要視している、謙虚であることを大事にしているなど
- 相手のコミュニケーションスタイル:例えば、話すときは論理的に話すか感情的に話すか、自分のことを話すことが多いそれとも聞く側になることが多いかなど
なぜなら、人はこの二つが似ている人に対して親近感を覚えるからです。実際に、2013年のイリノイ大学の研究では人生における価値観やコミュニケーションスタイルが似ている人が最も距離が縮まりやすいと示されています。
- 被験者:100組のカップル
- 内容:お互いに類似しているほど親密になりやすいのはどのようなテーマなのかを調べた。
観察
以下の六つのテーマについて、カップルがお互いにどれだけ類似しているかを調べた。
- 基本プロフィール:社会的地位や職業、人種、家族構成、出身地、育った家庭環境、生まれ育った地域などの話題
- 思想や信念:人生の捉え方、話題となっているニュースに対しての考え、大切にしている信念や思想、人生で大事にしている価値観などの話題
- 趣味:休日の過ごし方などの話題
- コミュニケーションスタイル:話すときは論理的に話すか感情的に話すか、自分のことを話すことが多いそれとも聞く側になることが多いかなどの話題
- パーソナリティに関する話:内向的か外向的か、協調性があるのかないのか、新しいもの好きかどうかなどの話題
- 身体的な特徴:髪型や服装、好きなファッション、背が高いかなどの話題
結果
この中で類似性が高いほど親密になりやすいと認められたのは、思想や信念・コミュニケーションスタイルの二つのテーマだった
要約・考察
つまり、価値観やコミュニケーションの取り方が類似している人ほど親密になりやすいのです。理由としては、価値観が似通っている方が一緒に過ごして行く上で居心地がいいと感じるからでしょう。ポイントは、性格ではなく価値観の類似性が重要というところです。例えば、性格的に内向的なタイプと外向的なタイプのカップルでも問題ありません。ですが、「自分は人生において学ぶことを重要視している」という人と、「勉強することにはまったく興味が無い」という人ではあまり親近感を抱かないでしょう。実際に結婚しているカップルを見ても、子育てに対する価値観の違いが生まれれば、うまく行きにくくなります。例えば、「小さい頃から習い事をたくさんしてさまざまな才能を使ってほしい」という母親と、「小さい頃はのびのびと外で遊んでほしい」という父親では衝突が多くなってしまいます。
逆に、似ていなくても問題がないテーマにも注目しておきましょう。出身地・職業・趣味・性格・好きなファッション…などは似ていなくても、親密さにあまり関わらないテーマのようです。
理由としては、仕事や出身地などは共通点があると話が盛り上がるものの、それだけで深い話題につながりにくいからです。ですから、趣味嗜好について無理やり相手と話を合わせる必要はないと考えておきましょう。
よって、親密になりたい相手との会話の目的は価値観とコミュニケーションスタイルを探ることであると念頭に置いておきます。
「深い話題」で相手に気持ちよく話してもらう
会話の目的を定めることによるメリットは二つです。一つ目の理由は何を話せばいいのかが定まることです。というのも、相手の価値観を探るという目的を念頭に置いておけば、目的を見失わずに会話ができるからです。
2つ目の理由は、相手の価値観を深掘りすることによって、「深い話題」で話すことができることです。深い話題とは、天気や職業などの表面的な話題ではなく、性格・好み・考え方などの話題です。深い話題を振ると、相手の自分語りを引き出せる点がポイントです。なぜなら、人は自分の話をするときに気持ちよく感じるので、自分語りを引き出すことによって「この人と会話するのは楽しい!」と思ってもらえるからです。
つまり、深い話題をチョイスすることによって相手に会話自体を楽しんでもらいながら相手の情報を引き出すことができます。相手の情報を引き出せば、「実は自分もそうなんです!」と類似性を演出しさらに距離を縮めることができます。深い話題は一石二鳥のテクニックなのです。
ですが、多くの人は浅い話題で無難な会話をしてしまいます。例えば、天気の話・職業の話・家族構成や出身地などの話などが定番でしょう。しかし、これらの定番の話題では、気まずい沈黙の雰囲気を避けることができるものの、親密度が上昇につながりません。ここからの実践編では、相手の深い話題を引き出して類似性を演出するテクニックを解説します。
【実践】自己開示+類似性アピールで親密度をアップさせよう
自分たちが似ていることを演出する上で、やらなければならない戦略は以下の通りです。
- 自己開示で相手が話しやすい雰囲気を作る
- 「深い話題」を振って、価値観やコミュニケーションスタイルを探っていく
- 「自分もそうです!」と共感して、類似性をアピールする
「自己開示→深い話題に展開」の流れで相手が話しやすい雰囲気で情報を引き出そう
深い話題を振る時には必ず自分の「自己開示」から入るようにしましょう。自己開示とは、自分のことを包み隠さず話して相手の警戒心を解くテクニックです。というのも、いきなり「あなたが人生で重要視している価値観を教えてください!」などと聞けば相手が困惑してしまうからです。まず自分のことを話すことによって、相手に「自分のことを話してみよう」という気にさせることができます。
具体的な話題としては、社会心理学者のゲイリー・ウッドが提案する自己開示に適した10のテーマを参考にするといいです。今回は10のテーマの中から、異性との距離を縮める上で使えそうなテーマをピックアップしてみました。
自己開示で使える話題
- お金や健康
- イライラしたこと
- 楽しいことや幸せなこと
- 改善したいこと
- 夢や目標
- 趣味や興味
- 恥ずかしかった体験
例:
きっかけ:「~~さんは1人暮らしなんですよね。自炊とか大変じゃないですか?」
自己開示:「僕は料理が苦手なので、あまり自炊はしなくて外食が多いんですよね。そのせいで結構食費がかかっちゃうんですよ。」
展開:「お金を結構節約するタイプですか?」「『こういうときは惜しみなく使う!』みたいなお金を使う基準とかあるんですか?」(=価値観を問う)
実際には、相手の回答に応じて会話の展開を考える必要があります。例えば、会話のきっかけとして「~~さんは1人暮らしなんですよね。自炊とか大変じゃないですか?」と聞いたケース。話しかける相手によってオープンに話してくれる人もいれば、「はいorいいえ」で簡潔に答えて終了する人もいます。
- オープンに話してくれる人の場合、こちらから積極的に自己開示する必要はなく相手の話に耳を傾けるといいでしょう。そして相手の話が途切れたタイミングで、もう少し深い話題に切り込んでいくといいです。例えば、相手が「1人暮らしだとたまに心細くなるのも辛いんですよ。」と話を広げてくれた場合、こちらは「1人の時間を結構苦痛に感じるタイプですか?」とコミュニケーションスタイルを問う質問を繰り出してみるなどです。
- 逆に、「たまに自炊するぐらいです。」などと簡潔にしか答えてくれない人の場合、積極的に自己開示する必要があります。「僕は料理が苦手なので、あまり自炊はしなくて外食が多いんですよね。そのせいで結構食費がかかっちゃうんですよ。簡単なレシピとか知っていたら教えてほしいです」と会話をつないだり、「身体の健康に気を遣っているタイプですか?」と価値観を問う質問で切り込んだりするのもありです。
他の例も見ていきましょう。
例:
(改善したいこと)
きっかけ:「~~さんは普段お菓子とかは食べる方ですか?」
自己開示:「僕はよくないと思っていても仕事帰りにコンビニに寄ってお菓子を買ってしまうんですよね。そのせいで最近太ってきた気がして…。食べないように気をつけないといけないと思っているんですよ。」
展開:「食事の管理などを続けられるタイプですか?」「身体の健康に気を遣っているタイプですか?」(=価値観を問う)
きっかけ:「~~さんは人前で話すのが上手ですよね。」
自己開示:「私は大勢の人の前で話すのが苦手で、この前もプレゼンのときに緊張で声が震えて恥ずかしかったんですよ!」
展開:「~~さんは大人数の中でも積極的に話せるタイプですか?」(=コミュニケーションスタイルを問う)
きっかけ:「~~さんは好きなアーティストはいますか?」
自己開示:「俺は最近~~のバンドが好きで、この前もライブに行ったんですよ。めっちゃテンション上がりました!」
展開:「休みの日にイベントとかに出かけるタイプですか?それとも一人の時間を楽しみますか?」(=コミュニケーションスタイルを問う)
相手の答えに共感して類似性をアピールしよう
例:
相手:「うーん、時短できる道具とかなら迷わず買っちゃいますね。」
共感:「分かります!僕も時間を節約できるお金を使った方がいいって考えるタイプです。」(=共感+自己開示)
相手:「いや、大人数の中で話すのって難しいなって思います…」
共感:「めっちゃ分かります。私も少人数で話す方が落ち着けるんですよね。」(=共感+自己開示)
共感する内容が薄くならないように、自分がする質問に対して自分の回答を用意しておくようにしましょう。「分かります!」という言葉だけでなく、自分のエピソードを加えることでリアリティを与えることができます。「本当にこの人と価値観が似ているかも!」と思ってもらえるでしょう。
また、深い質問は回答するのに時間がかかったり回答するのが難しくなったりします。相手が回答に詰まった場合には、自己開示のテクニックを使うのが有効です。自己開示をする上でも、事前に用意しておいた自分の回答が役立ちます。
例えば、「『こういうときは惜しみなく使う!』みたいなお金を使う基準とかあるんですか?」という質問で相手が困惑してしまった場合、「ちなみに僕は時短できるグッズなら迷わず買っちゃいますね。」などと開示すると、「あ!私もそうです」と会話がつながりやすいです。後出しできなくなる分、相手と食い違うリスクもありますが、そのときには話題を転換して似ていそうな部分を探し直してみればいいのです。
コールドリーディングで驚きを与えて心を開く
応用編として「コールドリーディング」に挑戦してみましょう。
コールドリーディングとは、相手の性格や状況を推測して、あたかもその人のことをよく知っているかのように会話するテクニックです。コールドリーディングはよく占いやマジックショー心理テストなどで活用されます。例えば、占い師が「あなたは基本的に外向的な性格ですが、たまに内向的な一面が出てくることもあるのではないですか?」などと言い当てるなどです。
コールドリーディングは「バーナム効果」を利用しています。バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような性質を自分だけに当てはまる性質だと捉えてしまう心理的な現象です。例えば、「普段は外向的だがたまに内向的な一面も出てくる」というのは踏み込んだ分析に見えて、実は誰にでも当てはまる性質ですよね。
つまり、「当たっていそうなこと」をさも言い当てたかのように見せるだけです。
恋愛における会話術にもコールドリーディングを使うことによって、「自分のことを話していないのに、この人には見透かされている!?」という驚きを与えることができます。
例:
「なんで分かるんですか!?」
「自分もそうだからわかるんです。人と話すことは好きだけど、すごく親密っていう人は結構少ないんですよね。」(=コミュニケーションスタイルの類似性をアピール)
もしも外れている場合でもいくらでもフォローをすることができます。例えば、前述したケースで「いいえ、結構友だちは多い方だと思いますよ」と返された場合、「そうなんですか!?そのように広く深く付き合うコツはあるんですか?」などと方向転換するといいでしょう。
当たっていればベスト。もし外れていれば「そんな気がしたんですけど…」と話題を転換すればいいだけのことです。ハイリターン・ローリスクで相手と心をグッと近づけることができるでしょう。
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