リーダーほどステレオタイプにハマる
「女性は感情的である」「最近の若い人は忍耐力がない」
このように、根拠がないものの一般的なイメージとして定着しているものを「ステレオタイプ」と呼びます。
リーダーがステレオタイプを持って社員と接すると、「考え方が古いな」と思われ、社員のモチベーションは下がってしまうでしょう。
しかし実はリーダーほど人に対してネガティブなステレオタイプを持ちやすいことが分かっています。
理由としては、リーダーは人を正しく見ようという労力を惜しむからです。リーダーは他の社員よりもプレッシャーのかかる役職ですから、しょうがないのかもしれません。
しかし、無意識のうちに部下を偏見の目で見てしまっているのはとてももったいないことです。
自信満々のリーダーほど注意
「自分はリーダーにふさわしい人材だ!」と思い込んでいる人ほど、偏見的な考えを持ちがちです。
理由としては、自分に自信を持つために他の人をネガティブなステレオタイプに当てはめて見下しているのではないかと考えられます。
耳が痛い話ですね。
採用面接も意味なし!?
ある研究によると、採用面接官や人事部など決定権を持っている人たちも偏見を持ちやすいことが分かっています。
せっかく面接をしても、正しく人を見ることができないかもしれません。
偏見の目から覚めるには?
さてさて、「リーダーほど偏見の目で人を見やすいよ」と話してきましたが、偏見から覚めるための方法はあるのでしょうか。
方法としては、「社員が働きやすい職場の雰囲気を作ろう」「社員のモチベーションを高めるためにできることはないか考えよう」という意識を持つことです。
ジェニファー・オーバーベックおよひバーナデッド・パーク という心理学者の研究を見てみましょう。
- 被験者を集めて、出版社の主任となってもらう
- 仕事内容は在宅勤務をしている5人の校正者(実際は実験の協力者)の主任リーダーとなってもらう
- なお校正者たちにはそれぞれのプロフィールがあり性格も様々である
- リーダーである参加者たちを二つのパターンに分ける
- ①「部下たちに やる気が帰属意識を持たせる」という目標を課したグループ
- ②「部下たちをより生産的効率的に動かす」という目標を課したグループ
- リーダーとして行動してもらった結果、①のように 「部下たちにやる気を持たせる」という目標を を掲げたリーダーたちは、部下たち一人ひとりの個性に注目して 正確に見極める努力をするということがわかった
理由としては部下たちのやる気や意識を高める という目標を達成するためには、部下のパーソナルな部分を知っていなければいけないからです。
対して、単に作業効率を上げるだけならば そんな必要はありません。
つまり「部下のことを知らなければならない」という強制力がある場合 、リーダーは部下の認識力は高まるのです。
【今日のクエスト】部下が働きやすい環境について考えてみよう
【獲得経験値】
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