つり橋効果の研究を改めて勉強しよう

魅力

「つり橋効果」は男性には効果アリだが…

ブリティッシュ・コロンビア大学のドナルド・ダットンアーサー・アーロンの研究では、「つり橋理論」が示されています。

 

つり橋理論とは、不安や恐怖からくるドキドキ感を恋愛のドキドキと勘違いしてしまうという理論のことです。つまり、恐怖によってドキドキしている時に異性に遭遇すると、好きになってしまう可能性が高くなると言えるかもしれないのです。有名な理論ではありますが、実際にどのような研究がおこなわれたのかを知っている人は少ないでしょう。心理学の教養として改めて研究を見直してみます。
根拠となる研究
Some evidence for heightened sexual attraction under conditions of high anxiety - PubMed
Some evidence for heightened sexual attraction under conditions of high anxiety
  • 内容:つり橋を渡っている男性が橋の上で女性に会ったとき、恐怖からくるドキドキ感を恋愛のドキドキ感と間違えるのではないか
  • 被験者:18~35歳の男性40名(スクリーニング後)
 
介入

被験者の男性に、ある橋の上で女性インタビュアーに出会ってもらう。その際、被験者を二つのパターンに分けて比較。

  1. 不安定なつり橋を渡るグループ
  2. 安定している橋を渡るグループ

橋の上で女性インタビュアーに話しかけられ、質問票に回答してもらうようにお願いされた。質問票では、年齢や学歴などの基本的な情報に加えて、恐怖度性的関心を測るテストが含まれていた。

恐怖度:橋を渡っているときの様子と、質問票によって判断。

質問票:「普通の人ならどれぐらい怖いと思うと思いますか?」という質問に対して百点満点中何点かで回答してもらった。

性的意識:「主題統覚テスト」によって、性的な関心をどれだけ抱いているかを調べた。

内容:画像に基づいてストーリーを考える課題を行った。画像は若い女性がポーズをとっている画像。
作ってもらったストーリーに、性的な内容が含まれているかという基準で、その時の性的意識が評価された。スコアは5段階で評価(1は性的でない、5はすごく性的である)。

評価例:ストーリーの中に性行為に対して言及があれば5点、愛人なら4点、キスなら3点、ガールフレンドなどの表現があれば2点…といったように評価

 

質問票に解答してもらった後、女性は名前と電話番号を教えて、「実験の詳細についてさらに話をしたい」と伝えて電話をするように誘った。

女性への好意:渡される女性の電話番号に連絡するかで判断した

 

結果

性的関心については…

  • 採点された性的関心を測るテストの得点は、つり橋のグループで5点満点中平均2.47だった
  • 安定した橋のグループで平均1.41だった
 

女性への好意については…

  • つり橋のグループでは、質問票に答えた23人の被験者のうち18人が、インタビュアーの電話番号を受け取った。そして、18人のうち9人が電話した
  • 安定した橋のグループでは22人中16人が受け取った。そして、16人のうち2人が電話した
考察

つまり、つり橋を渡っている時には女性に対する性的な意識が高まり、女性をより魅力的に感じたと言えます。理由としては、やはりつり橋が揺れることによるドキドキを、恋愛のドキドキと勘違いしたことが挙げられます。心理学では「帰属錯誤」と呼ばれます。

 

ただ、この実験は女性に当てはまるかどうかはわかりません。つまり、女性がドキドキしている時に男性の魅力度を高く判断するかどうかは分かっていないのです。巷では女性を怖いアトラクションに誘うことによって好きにさせることができるといったテクニックも紹介されています。しかし本元であるつり橋理論の研究で女性に対しての効果があるかどうかが定かではないので、効果があるかは微妙なところです。筆者個人の意見としては、女性は男性ほど単純ではないので効果が薄いのではないかと思います。

 

【実践】好きな男性をドキドキするアトラクションに誘おう

心霊スポットなどの怖いスポットや、ジェットコースターなどのスリルのあるアトラクションに誘ってみましょう。また、一緒にスポーツをするというのも有効かもしれません。

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