4ヶ月で効果が実証!本気で性格を変える35の方法

精神力

「性格は変えられない」と思っていませんか?

実は、小さなチャレンジを積み重ねることで、性格を改善できる可能性があるのです。2019年にアメリカの南メソジスト大学が行った研究では、一部の性格は小さなチャレンジに取り組むことによって改善されることが知られています。

本記事では、この興味深い研究の内容と結果を紹介しながら、性格を変えるためのヒントを探っていきます。「自分を変えたい」と思っている方にとって、実践的なヒントが見つかるでしょう。

 

4ヶ月足らずの「小さなチャレンジ」で性格を変える!

2019年に発表されたアメリカの南メソジスト大学の研究によると、性格を向上させるためのチャレンジに取り組むことで、外向性や意思の力、メンタルの安定性が高まることが示されました。

例えば、外向性なら「就寝前に、今日のポジティブな社交的経験を振り返り、それについて良かった点を考える」「お店のレジ係に挨拶する」といった小さなチャレンジに取り組むことで、実際に外向性が高くなったのです。

 

根拠となる研究
APA PsycNet
  • 被験者:平均20.67歳の337人(脱落者含む)
  • 内容:被験者に変えたい性格に関連するチャレンジに挑戦してもらい、性格が変わるかどうかを調べた
方法

被験者の学生には研究用のウェブサイトにアカウント登録してもらい、 15週間に渡って性格に関するチャレンジに取り組んで毎週1回データを提出するように求めた。

  1. 被験者にビッグファイブを計測する尺度で自分の性格特性を自己評価してもらう。その後、学期を通じてどの性格を向上させたいかを選択させた。
  2. 希望する性格を高めるためのチャレンジが提示された。(例:外向性なら「新しい人に自己紹介する」「1日1回感謝の気持ちを表す」など)
  3. 各週に被験者はチャレンジを選択し、次の週に達成度を報告した。
  4. 被験者が挑戦したチャレンジの数や完了した数と、難易度を集計。

 

なお、研究で用いたチャレンジでは難易度が1から10の10段階で設定されていました。例えば外向性を高めるチャレンジでは、簡単なチャレンジとして「知らない人に挨拶する」、難しいチャレンジとして「Meetupアプリをダウンロードし、自分でイベントを企画する」といったものでした。
なお、ウェブサイトの仕様として、チャレンジを達成した場合にはメダルが付与され、次の週からはより高い頻度で実行するように設定されるといったゲームのような演出がされました。

 

なお、被験者に対して測定した項目は以下の通り。

  • BFI-2(ビッグファイブを計測する尺度): ビッグファイブを測定する60項目の質問に五段階で回答してもらった。(例:「私は社交的で外向的な人間だ」「私は思いやりがあり、優しい心を持っている」「私はリラックスしており、ストレスをうまく対処できる」「私は多くの異なることに好奇心を持っている」など)

 

結果
  • チャレンジの達成回数が多いほど、外向性・誠実性・情緒安定性が成長していた。しかし、調和性と開放性については成長が見られなかった。
  • 開放性以外に関して、性格のチャレンジを全く達成しなかった人は、逆にその性格が低下する傾向が見られた
  • 開放性以外に関して、選択したチャレンジの数が多いほど、その性格が低下する傾向が見られた
  • チャレンジの難易度が高いほど外向性・情緒安定性ではわずかに性格が向上する効果が高くなるものの、勤勉性・協調性・開放性では逆に性格が低下する傾向が見られた。
要約・考察

研究で示されたことを要約すると以下の通りになります。

  • 性格に関するチャレンジを達成することによって外向性・誠実性・情緒安定性が高まる
  • たくさんのチャレンジに挑戦すればいいわけではない。チャレンジを達成できなければ逆効果になってしまう
  • 難しいチャレンジを達成しようとする必要はない

 

ビッグファイブの特性である外向性・誠実性・情緒安定性についておさらいしておきましょう。

  1. 外向性 :社交的、活発的かどうか。他人と一緒に居ることいい刺激だと思えるか、はっきりと自分の意見を主張することができるか、新しい人間関係などの刺激を求めるかといった特性です。
  2. 勤勉性 :意志力や責任感が強いかどうか。日課スケジュールに従って生活を実践できるか、自分を高めるためにストイックに努力できるか、難しいことでも最後までやり抜く力を持っているかといった特性です。
  3. 情緒安定性 :不安やストレスに強いかどうか。他人にどう思われるかを気にせずに振舞えるか、怒りや悲しみなどの感情をコントロールできるかといった特性です。

情緒安定性は、ビッグファイブでは「神経症傾向」と呼ばれるものの逆転です。神経症傾向は不安やストレスを感じやすく、メンタルが弱いかを示す特性です。今回の研究は「性格を成長させる」という意図があるので、情緒安定性(=メンタルの強さ)という逆転の概念を利用しています。

 

対して、調和性(=他人への思いやりや共感力が高いかどうか)と、開放性(=知的好奇心や想像力が高いかどうか)については、性格を変える行動によって改善する傾向が低いと言えます。

例えば、調和性のチャレンジでは「誰かのためにドアを開けて待つ」「今日誰かがしてくれた親切なことを書き留める」といったものが行われました。しかし、親切や感謝を増やしてももともとの調和性が大きく改善されるということはないのかもしれません。同じように、開放性でも「外国のニュース記事を読む」「最新の科学的発見や技術に関するニュース記事を読む」といったチャレンジが行われましたが、やはりもともとの開放性が大きく向上することはないようです。

誤解しないで欲しいのですが、親切や感謝の機会を増やしたり未知の分野を探求したりといった行動が無駄なわけではありません。実際に、意識的に親切することで幸福度が上がるといった研究もあります↓

もともと親切でない人ほど親切のメリットが大きかった!
「情けは人の為ならず」という言葉があるように、人に親切をすることは長い目でみると自分を助けることにつながります。実は、メンタルヘルスの観点からも親切は効果的なようです。 親切でない人ほどメンタルが改善する!親切の科学的メリット 親切な行いに...

ただ、もともとの性格レベルで改善する効果はあまり期待できないのでしょう。

 

 

ですので、「性格を変えたい!」という場合は、チャレンジによって改善の効果があった外向性・勤勉性・情緒安定性の三つの特性から選んで、チャレンジに取り組んでみましょう

 

【実践】性格を変える35のチャレンジに取り組んでみよう

実際に研究で用いられた性格を変えるチャレンジの一部をピックアップしました。研究ではそれぞれのチャレンジに難易度が設けられています。難易度が高いものをあえて選ぶ必要はないので、中でも難易度が低めのものを中心にピックアップしています。

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