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読むだけで天才になれる!?「クリエイティブ」を神経科学的に解明する

神経科学的に創造力(=クリエイティビティ)を理解しておくだけでも、実際にクリエイティビティが高まることが分かっています。

 

根拠となる研究

被験者の大学院生たちにクリエイティブ能力を測るテストを行った。テストを受けて貰う前に被験者を2つのグループに分けて比較した

  1. クリエイティビティを高めるトレーニングを行ってもらった後にテストを行う
  2. クリエイティビティに関する神経科学の講義を受けてもらった後にテストを行う

結果は、2の神経科学の講義を受けたほうがクリエイティビティのテストで統計的に有意に効果が出た。つまり、クリエイティビティというものを神経科学として理解することが大事だと言うことです。

発想に関わる脳1.思いつくときのスタート地点「デフォルト・モード・ネットワーク」

デフォルト・モード・ネットワークが起動するとクリエイティブな脳がスタートします。デフォルト・モード・ネットワークとは、後部帯状回を舞台としたネットワークです。

後部帯状回は、白昼夢を見ているときや、ぼんやりとしているときに活性化します。逆に何かに集中しているときには働いていない領域です。新しいアイデアを思いつくときには机に向かって集中しているときよりも、シャワーを浴びているときや散歩しているときなど意識的に何かに集中していないときの方が多いのです。

 

発想テクニック1.まずはデフォルト・モード・ネットワークを起動

ぼんやりとする時間をつくって後部帯状回を活性化させましょう。散歩をする・庭いじりをする・掃除をする・風呂に入る・森のなかに行く・日向ぼっこする…など自分なりにボーッとしやすい機会をつくりましょう。

 

ただ、ずっとぼけーっとしておけばいいかというと違います。ぼんやりに移る前には徹底的にひとつのことを考えることも大事です。デフォルト・モード・ネットワークは起動する直前の記憶を処理します。

徹底的に考えてから、あとはデフォルト・モード・ネットワークに渡すというプロセスによって、新しいアイデアを得やすくなります。

発想テクニック2.「エピソディックス・スペシフィシティ・インダクション」

アイデアを出したいときのウォーミングアップとして使えるのが、「エピソディックス・スペシフィシティ・インダクション」と呼ばれる手法です。

難しそうなネーミングですがやることはシンプル。自分に起きた過去の出来事を詳細に思い出すという方法です。

 

 

デフォルト・モード・ネットワークの舞台となる後部帯状回の延長線上には海馬や扁桃体などがあります。海馬は記憶を司る領域、扁桃体は感情を司る領域です。後部帯状回は海馬や扁桃体に保存されている記憶や感情などの情報をいじくり回して新しいアイデアを得るようになっています。ですからアイデアを考える前には過去の記憶を耕しておいたほうがいいわけです。

 

例えば、「自分が小学校のときにキャンプのイベントに行ったなあ。あのときははしゃいでいて道端に落ちているどんぐりを投げて遊んでいたら木に当たって跳ね返ったどんぐりが同級生の女の子の目にあたってしまって、泣かせてしまったんだよな。怪我をさせなくてよかったけど悪いことをしたなぁ」みたいな感じで、過去のエピソードを思い出してみるのです。

根拠となる研究

2015年によって行われた研究。被験者を 二つのグループに分けてクリエイティビティのテストを受けてもらった

  1. 過去にあった出来事を具体的に聞いた後クリエイティブのテストを受けてもらった(処置群)
  2. 何もせずに普通にクリエイティブテストを受けてもらった(対照群)

その結果、1のグループはクリエイティビティのテストでよりいい成績がとれた。つまり過去の出来事を詳細に頭のなかで描くだけで発想力が高くなるということです。

 

ちなみに、被験者のクリエイティビティを測るテストとしては、代案を考えてもらうテストがよくつかわれます。例えば「帽子をかぶる意外の違った使い方を考えてみて」といったものです。よりユニークな帽子の使い方を考えることができる人ほどクリエイティビティが高いと判断されるわけです。

 

何か問題を解決したり、新しい発想を得たいときには、自分が過去に経験した出来事を詳細に思い出してみるといいでしょう。

 

発想に関わる脳2.サリエンス・ネットワークで違和感を検知

発想力に関係する脳の領域の2つ目はサリエンス・ネットワークと呼ばれる領域です。サリエンス・ネットワークの舞台となるのは、島皮質・前部帯状回と呼ばれる部分です。

島皮質は自分の感情や感覚などのモニタリングする役割があります。頭のなかに入ってくる感覚情報の監督みたいなものです。

前部帯状回はデフォルト・モード・ネットワークの舞台であった後部帯状回の少し前に位置します。脳のなかに起こったエラーを検知する役割を担っています。いわば監視員みたいなものです。

 

島皮質に流れてくる感情や感覚の情報から、前部帯状回は以前の情報と照らし合わせてエラーを検知します。このエラーが意識的には違和感となって現れます。この違和感が発想のもととなるわけです。

 

発想に関わる脳3.全身の触覚情報を司る中心後回・縁上回

クリエイティブな脳になっているときには、全身の触覚情報を司っている中心後回・縁上回という部分も活性化します。

触覚に関する領域が活性化する理由は、クリエイティブな発想をするときにはあたかも自分が体で体験しているような状態になるからでしょう。

 

 

発想に関わる脳4.クリエイティブな人が鍛えている「角回」

クリエイティブな仕事をする人ほど分厚くなっている脳の領域が分かっています。右の角回と呼ばれている部分です。

 

根拠となる研究

2010年にこれまでの人生でクリエイティブ想像力を発揮してきた経歴を訪ねる Creative Achievement Questionnaire(CAQ)」 というアンケートと、脳の 解剖学的な構造の発達度合いの相関を示した研究があります。その研究によると、右の角回に当たる脳の領域が厚い人ほど CAQのスコアが高いことがわかっています。

 

発想テクニック3.言葉で遊んで角回を鍛える

右の角回は言語を解釈したり、抽象的なことを考えるときに活性化する領域です。

普段からタファー(隠喩)を考えたり、なぞかけをしたり、例えツッコミをしたりすると角回が刺激され、クリエイティブな脳になりやすくなるでしょう。

 

クリエイティブな脳のときには使われていない領域

クリエイティブな脳のときには使われていない領域もあります。

  1. 後頭葉
  2. 左の角回
  3. 腹内側前頭前野

 

思いつくときには何も見ていない

まずは外界からの視覚情報を処理する後頭葉の一部です。創造的なものを満たそうとしている時は外界の情報に目を向けていません。もうちょっとで思いつくときには目をつぶったりするといいのかも。

論理的思考はオフに

クリエイティビティを発揮する時には、言語情報を処理する右の角回は使われていましたが、左の角回はスイッチオフになります。左の角回は論理的思考や数字の処理をするための役割があります。

クリエイティブになるには論理や理屈だけにとらわれないことが大事みたいです。

 

アイデアを評価しない

また、腹内側前頭前野もシャットダウンされます。 腹内側前頭前野には体験の積み重ねが保存されており、「これはいいものだ」「悪いものだ」という価値を評価する脳の部位です。

クリエイティブに考えるときには「いい・悪い」という評価をしない方がいいわけですね。新しいアイデアを思いついたときには、どんなにアホらしいアイデアであっても評価しないことが大事です。

 

 

【今日のクエスト】クリエイティブな脳で活性化する領域について知っておこう

神経科学的にクリエイティブな脳を理解するだけでも、実際にクリエイティビティを発揮しやすくなります。今回解説したことをまとめておきます。

  1. 後部帯状回:ぼんやりしているとき
  2. 島皮質:感覚や感情
  3. 前部帯状回:エラー検知、違和感の発露
  4. 縁上回・中心後回:触覚
  5. 右の角回:言語情報

 

逆に、クリエイティブな脳で抑制される領域はこちら。

  1. 後頭葉:視覚
  2. 腹内側前頭前野:価値評価
  3. 左の角回:論理、数字

【獲得経験値】

【今日のクエスト2】クリエイティブな脳を使ってみよう

クリエイティブになれるテクニックをどれか実践してみよう

  1. 徹底的に考えたあとで、ぼんやりする時間をつくる
  2. 過去の記憶を詳しく思い出す
  3. 言葉で遊ぶ

【獲得経験値】

 

コメント

ららららら

あららららら

あああかかかささ

 

popupだよ。

tigerだよ。