食事制限せずにダイエットしたい
間食でつい甘いものを食べてしまう
今回は最強食材ナッツについて解説していきます。
「ナッツは太る」は誤解!むしろダイエットにいい!
「ナッツは太る」というイメージが一般的に持たれています。しかし調べてみたところ、ナッツはむしろダイエットにいい健康効果がたくさんあることが分かりました。
- ナッツに含まれる不飽和脂肪酸がコレステロールを抑制する
- 豊富な食物繊維が腸を整えてくれる
食事制限なしでメタボリックシンドロームを予防する
「地中海食による疾患予防」と題された研究では、ナッツ類を食事に取り入れることによってメラボリックシンドローム(※)を改善することができたと分かっています。↓
※メタボリックシンドローム:内臓脂肪が蓄積した上で、脂質異常・高血糖・高血圧などが見られる症状
「地中海食による疾患予防」の研究。メタボリックシンドロームの男女751人を含む1200人を対象にした実験。参加者を3つのグループに分けて比較を行った
- 低脂肪食に関する指導を行うグループ
- 地中海食(※)を実践してもらうグループ
- 地中海食+ナッツグループ
※地中海食とは、魚・果物・野菜・白身肉・オリーブオイルなどの摂取量を増やす地中海式の食事のこと。
1年後の追跡調査によると以下の結果が分かった。
- グループ2の地中海食だけのグループは、メタボリックシンドロームの有病率が6.7%低下した
- グループ3の地中海食+ナッツグループの場合、13.7%低下した
つまり、単純に食事改善をするだけよりも、ナッツを取り入れた方がメタボを予防・改善する効果が高かったというわけです。もちろんある程度の健康的な食事をすることは前提ですが、食べる量を減らさずともメタボを改善できるみたいです。
ナッツ類が健康やダイエットにいい理由は2つあります。
- ナッツ自体が健康にいい
- ナッツで空腹を満たせば健康に悪いお菓子を食べずに済む
それぞれきちんと根拠があるので具体的に見ていきましょう。
ナッツの不飽和脂肪酸がコレステロールを抑制
「ナッツは脂質が多いから太る」というイメージをお持ちの方もいるでしょう。確かにナッツは脂質が多いですしカロリーも高いです。
ただし、脂質がすべて太る原因になるわけではないのです。
むしろナッツに含まれる脂質は「不飽和脂肪酸」と言って悪玉コレステロールを抑制する作用があります。もちろん何にしろ摂りすぎると健康に悪いですが、適度に食べるならむしろダイエットの味方になるでしょう。
実際に、コレステロール値が高い男女27人に 3ヶ月にわたってアーモンドを食べてもらった臨床試験の結果では以下のことが分かっています。
- 1日1つかみ(約28g)のアーモンドを食べてもらったグループは、悪玉コレステロール値が4.4%低下
- 1日2つかみ(約56g)食べたグループでは9.4%低下
両手に乗るぐらいのアーモンドが空腹を抑える
ナッツ類がダイエットの味方になるもう1つの理由は、空腹を満たしてくれるからです。
European Journal of clinical Nutrition という研究誌で発表された研究では、 2型糖尿病予備軍の成人137名の対象者を2つのグループに分けて比較を行った
- ナッツ・シード類を全く食べないグループ
- 1日1.5オンス(約43 g) のアーモンドを食べたグループ
それぞれのグループに1ヶ月間食事をしてもらった結果、グループ2のアーモンドを間食として食べたグループは空腹感を抑える効果があった
ちょっと小腹が空いたときにナッツ類をつまむ習慣をつけることで、甘いお菓子やスナックを食べずに済むのです。
ナッツは血糖値を安定させる優秀なおやつ
「クッキー1枚だけ」が肥満につながってしまう理由は「血糖値の急上昇」
ナッツ類は血糖値を安定させる効果が高くおやつとして最適です。というのもナッツ類は総じて「GI値(グリセミック指数)」が低いからです。食品によって高GI値のものと、低GI値のものがあります。
「GI値」というのは食べたあとに血糖値が上がりやすいかどうかの指標です。
- 高GI値の食品:食べると一気に血糖値が上がる。白米・菓子パン・砂糖が多いチョコレートなど
- 低GI値の食品:食べると緩やかに血糖値が上がり安定しやすい。玄米・フルーツ・ナッツなど
普段から間食に高GI値のものを食べていると血糖値が急上昇しやすくなります。そして、高GI値の間食を摂るとあまり満足感がなく最終的にたくさん食べてしまいます。
というのも、白米や砂糖など高GI値食品を食べると体内で血糖値が急上昇しその後急下降するからです(血糖値スパイク)。
急下降する原因は体内のインスリンというホルモンの働きです。インスリンは血糖値が増えたときに働いて正常に戻してくれる大事なホルモンなのですが、急に血糖値が上がった場合インスリンもドバドバ出てしまうので、今度は血糖値が急下降するのです。
血糖値が急激に低下するとまた甘いものが欲しくなってしまいます。ですから、高GI値食品は食べても食べるほど糖分を欲するようになります。
「クッキーを1枚だけ食べたらもっと食べたくなって、いつの間にか1箱全部食べてた」という経験もあるのではないでしょうか。
対して、ナッツ類は低GI値ので満腹感も得やすいです。
ナッツはフルーツや玄米と同様に食物繊維が豊富だからです。食物繊維には栄養をゆっくりと吸収させる効果があります。ですから食べた後でも急激に血糖値が上昇することが起こりません。その分インスリンも緩やかに働き血糖値が安定しやすいのです。
ナッツは糖尿病を防ぐ!
普段から血糖値が上がりやすい高GI値の食品ばかりを食べていると糖尿病の原因にもなります。
血糖値が上がったときにバランスをとってくれるのは「インスリン」というホルモンの働きです。しかし、普段から血糖値を急激に上げる食品を摂っているとインスリンもドバドバ分泌されます。するとインスリンの効きがだんだん悪くなってくるのです(インスリン抵抗性)。
インスリンが効かなくなると血糖値が下がらなくなってしまうので、常に高血糖の状態になり糖尿病だと診断されてしまうのです。
ですから、「ナッツを取り入れれば糖尿病の予防にもなるかもね」と言えるわけです。実際、「ピスタチオが糖尿病抑制の効果が高い!」と示されている研究もあります。
2011年に栄養学の専門誌である European Journal of Nutrition に掲載された研究。参加者10人に2パターンの食事をしてもらった
- 炭水化物を多く含む食事+ピスタチオを摂取してもらったグループ
- 炭水化物を多く含む食事だけ摂取してもらったグループ
2つのグループそれぞれに食後に検査をした結果 、ピスタチオを食べれば食べるほど血糖値の上昇が抑えられたことが分かった
無理なく痩せる!オススメのナッツの食べ方
いつもの間食の代わりに1つかみのナッツを食べよう!
一番簡単にナッツを取り入れる方法は、いつも食べているスナック菓子やチョコレートの代わりにナッツを食べることです。
2013年のスペインの31件のナッツ摂取に関する研究のメタ分析によると、以下のことが分かっています。
- ナッツを食べても参加者の大半が体重が増えなかった
- 食事の一部をナッツに置き換えた参加者たちは、体重が平均で635 g減り、ウエストは約1.3センチ細くなった
つまり、ナッツを食事に摂り入れることで太るどころか、むしろ痩せることがきちんと分かったわけです。
しかも食事制限や運動ならけっこう大変ですが、いつものお菓子をナッツに変えるだけなら無理なく続けられそうですよね。
無塩・素焼きを選ぼう
ナッツ類は無塩・素焼きのものを選びましょう。たいていは「無塩」「素焼き」と分かりやすく表示されているので分かりやすいかと思います。
分からない場合は食品表示を見て、「塩」「バター」といったものが使われていないならOKです。
特に高血圧を改善したい場合は塩を摂りすぎると血圧が悪化する可能性が高いです。またバターはコレステロールを増やす「飽和脂肪酸」なので摂りすぎに注意が必要です。
ですから、健康効果を期待するならシンプルなナッツを選びましょう。
1日あたりの食べる目安は「片手に乗るぐらい」
あらゆる研究では1日に食べる量は1~2オンス(大体28~57g)ぐらいが推奨されています。
目安としては「片手に乗るぐらいが28g」と考えて大丈夫です。
具体的には、
- ピスタチオなら49粒
- アーモンド25粒
- マカデミアナッツ17粒
ぐらいです。ですので、片手に乗るぐらい、多くても両手に収まる程度が1日の摂取目安になるかなと思います。
【今日のクエスト】いつもの間食の代わりに1つかみのナッツを食べよう!
さっそくナッツを買ってきましょう。スーパーやコンビニなど割とどこでも売っています。「ちょっと高いな」と思われるかもしれませんが、ダイエット器具を買ったり、お菓子を余計に買うより安く済むはずです。
普通に食べてももちろんいいですが、料理に使ってもオシャレです。野菜と食べれば食物繊維がゲットできます。


↑鶏肉・野菜・ナッツ・オリーブオイル・レモンなどの地中海レシピダイエットに効果が高いことが分かっています。マヨネーズが気になるならなくても美味しいです。
コメント