たった2週間で性格を変える方法!科学的に証明された習慣術

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「性格は生まれつきのもので、変えるのは難しい」ーーそんなふうに思っていませんか?

実は、スマホアプリを活用した簡単な習慣作りによって、自己制御や行動の開放性といった性格特を向上させることができます

本記事では、ブランダイス大学などの研究をもとに、性格改善のための具体的な方法を解説します。さらに、実際に試せる「実行意図(~したら◯◯する)」を取り入れた行動計画のアイデアもご紹介。「もっと自己管理ができるようになりたい」「新しいことに挑戦できる自分になりたい」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください!

 

たった2週間で性格が変わり、6週間後も持続する習慣術

2020年に発表されたブランダイス大学などの研究によると、スマホのアプリを用いて性格の改善に取り組むことによって、実際に性格が変化し、その効果は実験の2週間後と6週間後のフォローアップでも持続したことが分っています。

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根拠となる研究
  • 被験者:平均25.3歳の185人の男女(自己制御向上を希望した141人、行動の開放性向上を希望した44人)
  • 内容:スマホアプリによる性格改善のチャレンジの計画やリマインダーによって性格が実際に改善するかどうかを調べた。
方法
変えたい性格の定義を確認と選択

ビッグファイブの性格特性の自己制御(勤勉性の一部)と行動の開放性(開放性の一部)が向上するかどうかを調べた。被験者に対して自己制御と行動の開放性の二つの性格特性のうち、どちらを向上させたいか希望を募りどちらかのグループに参加させた。

  1. 「自己制御」の向上を目指すグループ:「衝動的な行動を抑え、目標達成に向けて行動する能力。短期的な誘惑よりも長期的な利益を優先する」という定義を確認。
  2. 「行動の開放性」の向上を目指すグループ:「新しいものを選び、変化に適応して行く能力。新しい経験に積極的で幅広い活動に関心を持つ」という定義を確認。

 

性格を変える行動の計画

なお、性格を向上させるための具体的なアクションを起こすために、それぞれのグループの被験者には以下の手順に従って計画を立ててもらった。

  1. 自分が取り組みたい具体的なチャレンジを3つ選択:例えば、自己制御グループなら「ジムにもっと頻繁に行く」、行動の開放性グループなら「新しいレシピを試す」など
  2. 実行意図を作成:「~したら~する」の形式で行動を実行する計画を立てた。(例:「夕食を食べたら、ジムに行く」「仕事から帰宅したら、新しいレシピを試す」)
  3. それぞれの行動のメリットとデメリットを記入
なお、この研究では研究者側が行動のリストを用意したわけではなく、被験者自身に自分が変えたい性格に対応したチャレンジを考えてもらいました。考えてもらったチャレンジは研究チームによって適切かどうかが判断されています。

 

アプリによる通知の内容

2週間に渡り、実際に性格の改善を変えるチャレンジを実践してもらった。その際、アプリを通じて毎日2回メッセージを送ってチャレンジをサポートした。

  1. 朝の9時:科学的な情報、自己省察タスク、実行意図のリマインダーを送信
  2. 夜の8時:その日の実行意図の達成状況を確認するアンケートのリンクを送信
なお、介入は「MobileCoach」というスマホアプリで行われました。チャットベースでプログラムを作成し、取り組んでもらい評価するためのツールです。研究者がプログラムを作り、被験者に対してテストする目的でよく用いられます。過去の研究でも飲酒や喫煙対策のプログラムで活用されています。
MobileCoach - Google Play のアプリ
チャットボット主導のデジタル コーチング プログラムを作成する

 

介入前後の性格の評価

被験者に対して測定した項目は以下の通り。

  1. 自己診断による性格の評価①:「NEO-PI-R」というビッグファイブの尺度に回答してもらい、「自己制御」「行動の開放性」を評価。介入前・介入後・介入後2週間・介入後6週間のそれぞれのタイミングで実施。
  2. 自己診断による性格の評価①:「NEO-FFI-30」というビッグファイブの尺度に回答してもらい、勤勉性・開放性に加えて、外向性・神経症傾向・調和性を評価。
  3. 第三者による性格の評価:最大3人の親しい人(家族、友人、恋人など)に被験者の性格の評価を行ってもらう。「NEO-PI-R」および「TIPI-G」というビッグファイブの尺度に回答してもらった。なお、介入前・介入後のそれぞれのタイミングで実施。

 

結果
  • 加入期間の14日間で、全ての被験者の16.22%は毎日チャレンジを達成した。 52.97%は10日から13日達成した。
  • 自己制御を向上させたいと考える人は、介入前の時点で自己制御が低い傾向があった。
  • 同じく、行動の開放性を向上させたいと考える人は、介入前の時点で行動の開放性が低い傾向があった。

 

介入期間後の被験者による自己評価では以下の傾向が見られた。

  • 自己制御を選択した被験者は、介入期間で自己制御が向上した。また、自己事実の特性だけでなく勤勉性全般も向上した。ついでに、外向性が向上し神経症傾向が減少した。
  • 行動の開放性を選択した被験者は、介入期間で行動の開放性が向上した。ただし、開放性全般や勤勉性全般には変化がなかったが、神経症傾向が減少した。

 

  • なお、第三者による被験者の性格の評価でも、自己制御と行動の開放性の評価で同じような向上の傾向が見られた
  • 介入後から2週間後、および6週間後のフォローアップ調査でも性格の変化が維持されていた
要約・考察

研究で示されたことを要約すると以下の通りになります。

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