今回はプレゼンや発表で説得力を高めたい人に向けた内容です。
- 相手の好みを意識しながらプレゼンを準備してみたものの、いざ発表してみると、どこか自分でも納得感がない。
- 審査員の好みを考えるうちに、「ちょっと無難な方向に寄せた方がいいかも…」と考えてしまう。
- プレゼンをしている最中に、「今の説明、つまらなかったかな?」と考え始め、自分のペースが崩れてしまう。
プレゼンでは、つい相手の反応を気にしてしまいますよね。実際に、「ターゲットに刺さるプレゼンをしろ!」とはよく言われるものです。
しかし実は、聞き手の好みに合わせて発表するよりも自分の思うように発表した方がいいプレゼンができるのです。
相手に迎合しない方が説得力は高まる!
2020年にハーバードビジネススクールの研究者らが発表した論文によると、自分を偽らず好きなようにプレゼンする方が説得力が高まることが知られています。
内容
166人の起業家を対象。被験者が自分で考えたビジネスプランを投資家にプレゼンするように指示。その際、被験者は以下の二つのグループで比較された。
- 投資家の期待や好みに合わせたプレゼンをしたと自己評価したグループ
- 投資家に合わせず好きなようにプレゼンしたと自己評価したグループ
結果
投資家に迎合したグループよりも、自分を偽らずにプレゼンを行ったグループの方が「説得力がある」「好感を持てる」と評価を受け、プレゼンを勝ち抜く確率が高かった。
考察
好きなように発表した方がいい理由は、自分が伝えたいことに集中した方が発表に集中できるからです。
たとえば、プレゼンしている最中に「相手の反応が悪いから話す順番を変えようか」などと考えてしまうと、自分のペースが崩れてベストなパフォーマンスを発揮できないでしょう。
これはビジネスプランのプレゼンだけでなく、面接やコンペなどの場でも使える知識です。
たとえば、企業面接においても、「頑張って企業研究して企業に合わせた回答をしたつもりなのに落とされてしまった」という経験はありませんか?それは相手の機嫌を伺いながら喋ることで、自信がないように見えたり、誠実でないように見えたりすることが原因かもしれません。
【実践】自分の本音と聞き手の希望が重なっているところを探して発表に活かそう!
おすすめの習慣プラン
- 相手の反応が気になったら
- → 下手にアドリブを入れようとせず、決めておいた原稿の流れを最後まで貫く
- プレゼン内容を考えるときに「相手に合わせすぎているかも」「書いていて自分的につまらない…」と感じたら
- →「自分が一番伝えたいポイント」を1つ書き出して、それを中心に構成を組み直す。
ステップ0:「本音と迎合」は「メインディッシュと調味料」と捉えてみよう
プレゼンでは本音と迎合のバランスを取りながら、自分が言いたいことを言っていくことが重要です。
「聞き手の評価を気にしすぎない」と言っても、ある程度審査員が求めていることはありますよね。たとえば、「革新性」がテーマのゲームコンテストで、王道すぎるゲームや他のゲームのパロディといったものでは当然通過しないでしょう。そこで考えてほしいのがメインディッシュと調味料です。
- メインディッシュ:自分が一番伝えたい内容
- 調味料:審査員が好みの味付け
ケーススタディ:幽霊RPGをプレゼン
理解しやすいように、適当な事例を挙げて解説してみます。ゲームのコンテストで、幽霊を戦わせるRPGゲームの企画をプレゼンするとします。
- コンセプト:戦争で死んでしまった勇者や魔法使いの成仏できない幽霊を成仏させると仲間になって、霊界でのクエストに召喚することができる。
- 自分のこだわり:キャラクターの個性に力を入れる。
- 聞き手が求める要素:コンテストが求めるのは「革新性」
もしも、「自分は奇をてらったゲームではなく、キャラの育成に力を入れた昔ながらのRPGを作りたいんだけどな…」とギャップを感じてしまったとします。
それなら、聞き手が求める要素と自分がこだわりたい要素でバランスをとり、説得力を高めてみましょう。
- 聞き手が求める要素を深掘り:
- 革新性とは何か?
- まったく新しいゲームシステムでなくても、従来にない遊び方や設定を評価してもらえるかも。
- 自分がこだわる要素と重なる部分を探す:
- 王道のゲームで出てくる勇者や魔法使いの死んでしまった姿を育成するのは結構新しいかも?
このように、自分がこだわる要素の中から、聞き手が求める要素を探り出していくことで、本音で話しても相手に受け入れてもらいやすい内容になるでしょう。
ステップ1:相手が求める条件を箇条書きにしてみよう
例:ゲーム企画(幽霊RPG)の場合
- 求めるテーマは「革新性」
- 従来にない遊び方や設定を評価
- プレイヤーを引き付ける物語性も評価
例:企業面接の場合
- 企業の理念は「信頼」
- 顧客との信頼関係を大切にしている
ステップ2:自分が情熱を持てるポイントを抽出しよう
ステップ1で、相手が求めていることをなんとなく把握することができました。早速プレゼンのアプローチを考えていきましょう。
まず考えるべきはメインディッシュです。自分の企画についてのこだわりや萌える部分を洗い出しましょう。
例:ゲーム企画(幽霊RPG)の場合
- キャラクターの個性作り(背景・口調・行動の一貫性)
- 幽霊キャラの生前エピソードを通じた感情の深掘り
- 仲間にした幽霊との掛け合いによるドラマ
例:企業面接の場合
-
入社後に継続的に学び、スキルを高めていける環境を特に重視
ステップ3:条件と情熱が重なっている部分をピックアップしよう
例:ゲーム企画(幽霊RPG)の場合
→「革新性」✕「キャラの個性」の重なっている部分を掘り下げてみる。
- ゲームシステムの革新性→「育成対象が幽霊」で、仲間にする条件が「成仏させること」
- 個性を活かした革新性→生前の物語がバトル性能やスキルに直結(例:生前が料理人→幽霊化しても料理で仲間を回復)
例:企業面接の場合
→「信頼関係」✕「スキルを高める環境」の重なっている部分を掘り下げてみる。
- 「顧客との信頼関係を大切にする」という理念を実現するためには、常に最新の知識や技術を学び、相手に安心感を与えることが欠かせないと考えている
「研修制度を活用し、知識面・人間力の両方を伸ばすことで、お客様との信頼構築に貢献できるよう努力していきたいです」とアピールしてみましょう。これなら、充実した研修内容に興味を持っているという本音は偽らず、企業理念への共感を示すことができます。
まとめ
- プレゼンでは、相手に迎合するよりも自分の考えを素直に伝えた方が説得力が高まりやすい。
- 相手の条件を理解したうえで、自分の情熱と重なる部分を探すことが重要。
- 「メインディッシュ(本音)」と「調味料(聞き手の好み)」を組み合わせて構成すると説得力が高まる。
プレゼンでは、相手の反応を気にしすぎると自分のペースが崩れてしまいがちです。研究でも、自分の考えを偽らずに伝える方が説得力が高く評価されることが示されています。
相手の求める条件を理解しつつ、自分が本当に伝えたいポイントを中心にプレゼンを組み立ててみましょう。

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