「女の子として意識してほしいのに友だちとしてしか見てくれない」と悩む人は多いでしょう。実は、笑いを狙おうとしすぎる女性は友だちで終わってしまう可能性が高いのです。
恋人として見られたいなら「面白い女」より「笑ってくれる女」
女性の場合、恋愛対象の男性に対しては笑いを狙わない方がいいかもしれません。
実際に2006年に発表されたウエストフィールド州立大学の研究によると、男性は面白い女性よりも笑ってくれる女性を好ましく思うことが示されています。

- 被験者:平均18.9歳の129人の大学生(スクリーニング)
- 内容:性別とユーモアの好みの関係性について調べる実験を行った。
方法
まず、被験者にはパートナーに求めるユーモア性に関する14項目の質問票に回答してもらった。なお、質問票では以下の3つの要素が測定された。
- パートナーのユーモアのセンスを重視するか(質問例:「私はユーモアのセンスがない人とデートすることに興味がありません」「私はユーモアのセンスが素晴らしい人に性的に惹かれます」)
- 被験者のユーモアに対するパートナーの反応を重視するか(質問例:「私がこれまで交際した、または交際したいと思っていた人は皆、私のユーモアのセンスを特に高く評価してくれました。」「私のユーモアを楽しめない人と付き合っていたとしたら、私はその関係を終わらせる可能性が高いでしょう」)
- パートナーがユーモアを言うことを重視するか(質問例:「誰かが私を笑わせることができなければ、私はその人を交際相手として興味がありません」「私がデートした人は皆、私を笑わせるのがとても上手な人でした」)
次に、架空の異性に関する2パターンの文章を読んでもらい、登場する異性への好みを尋ねた。その際、異性のユーモア性の傾向は以下の通りになっている。
- 1つ目の文章:登場する異性は被験者のユーモアを楽しんでくれるが、被験者が楽しめるユーモアを言わない
- 2つ目の文章:登場する異性は被験者が楽しめるユーモアを言うが、被験者のユーモアを楽しんでいない
以上の2パターンの文章を読んでもらった後、異性として好ましい方を選んでもらう。なお、選ぶ基準として、以下の5つの関係性を想定して選んでもらった。
- 一夜限りの相手として
- デートの相手として
- 短期的な関係性において
- 長期的な関係性において
- 友だちとして
結果
パートナーに求めるユーモア性に関しては以下の傾向が見られた。
- 男性も女性もパートナーのユーモアのセンスとユーモアに対する反応を重視する傾向があった。
- しかし、パートナーがユーモアを言うことを重視する傾向があったのは女性だけだった。
文章を読んで好きな異性を選ぶ課題では以下の傾向が見られた。
- 女性はデートの関係性、長期的な関係性、友人の関係性、一夜限りの関係性、短期的な関係すべてにおいて、自分が楽しめるユーモアを言う男性を好む割合が高かった。
- 男性は、自分のユーモアを楽しんでくれる女性を好む割合が高かった。特に、男性は友だちに対してと比べてデートのパートナーに対してはユーモアを楽しんでくれる女性を好む割合が大きく高かった。しかし、それ以外の関係性については大きな違いは見られなかった。
- 男女間の違いに注目すると、男性と比べて女性はデートの関係性と長期的な関係性において自分が楽しめるユーモアを言う男性を好む割合が大きく高かった。しかし、短期的な関係性、一夜限りの関係性、友だちの関係性では男女間でそこまで大きな違いは見られなかった。
要約・考察
研究結果を要約すると以下のようになります。
- 女性は面白い男性を好むが、男性は自分を面白いと思ってくれる女性を好む。
- 女性は特に恋愛関係や長期的な関係性において面白い男性を好む。
- 男性は友だち関係においては面白い女性も好むが、恋愛関係においては自分を面白いと思ってくれる女性を好む
- 男性は女性に対してユーモアのセンスを求めるが、ユーモアを発するセンスではなく自分のユーモアを理解してくれるセンスを求める
まず、女性は恋人に対しても友だち一夜限りの関係など様々な面において面白い男性を好みます。面白い男がモテるという世間のイメージは合っていると言えそうです。
それに対して、女性は積極的に男性に対して笑いを取りに行く必要はないと言えます。ただ、実際に「ノリがいい女の子が好き」と言う男性も多いでしょう。
しかし、男性にとっての「ノリがいい女の子」「ユーモアのセンスがある女性」の捉え方は注意が必要です。男性にとって女性のユーモアのセンスがあるという評価は、女性が笑いを生み出す能力を期待しているわけではありません。あくまでも自分のユーモアを理解してくれて笑ってくれる女性がいいという意味なのです。
なお、一夜限りの相手や友だちとしてなら、男性も異性の面白さをそこそこ重視しています。しかし、恋人として真剣に交際を考える場合は、男性は女性の発するユーモアをあまり重視しないので、面白い女になろうとする必要はなさそうです。
つまり、笑わせてくれる女性は確かに愉快ですがあくまでも友だち関係にとどまりがちだということです。女性は恋人に対してユーモアのあることを言って笑わせるのではなく、相手のユーモアに対して笑ってあげることの方が重要と言えるでしょう。
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