- 学生時代の経験をどのようにPRに盛り込むのかが分かる
- PRのテンプレートで効果的な要素を網羅できるので、自分で一から組み立てる必要がなくなる
- PRでいちばん重要な「その強みが会社の利益にどう役立つか」をアピールして、思わず面接官が納得するPRを作れる
自己PRを考えるときには「どんな要素を盛り込めば、効果的にアピールできるのか」と悩んでしまいますよね。また、「業界の経験もないのに堂々とアピールするのは怖い」という気持ちもあります。そこで、今回は採用面接が怖くなくなる自己PRのポイントを徹底解説していきます。
自己PRで重要なのは潜在的能力を示すこと
PRポイント①「成功」だけではなく、「可能性」を示す
結局のところ、面接官が一番見ているのは「この人はどのように会社の利益に貢献できるのだろうか」というところです。というのも、採用者は利益を上げて会社を存続させていくことが一番の目的だからです。
ですので、PRをするときには過去の成功体験を語るだけではありません。会社の利益のためにどのように自分の強みを活かせるのかという可能性を示すことが重要です。例えば、自分が持っている知識やスキル、大学で力を入れたことなどをアピールするだけでは足りません。
実際に、スタンフォード大学などが行った研究では、人は過去の業績よりも未来の可能性を魅力的だと思うことがわかっています。
求人に応募してくる人たちを研究の被験者に評価してもらう。その際、以下の2つのパターンの応募者がそれぞれどのように評価されるか調べた。
- 関連する経験が2年あってリーダーシップ能力判定テストで好成績を収めた人
- 経験はないがリーダーシップ潜在能力テストで好成績を収めた人
結果
被験者はリーダーシップの経験がある人(1のパターン)よりも、経験はないがリーダーシップの潜在能力を持つ応募者(2のパターン)の方が新しい会社で成功すると見積もった
要約・考察
つまり、経験がなくても潜在能力をアピールすることができれば高評価につながるということです。「業界の経験もないのに会社の利益につながるアピールなんてしていいの?」と不安になっている応募者としては、とても励まされる研究結果ですよね。
理由としては、未来の可能性を持つ人の方が不確実性があるからです。人間は不確実性に惹かれてしまいます。人間の脳は不確実なものに出会うと、「何なんだろうか?」と興味を持ち、より情報を集めるようになります。よって、業績が確実な人よりも未来の業績がどうなるかわからない人の方がじっくりと時間をかけて考えるようになります。じっくりと時間をかけて考えた分、無意識に応募者のことを肯定的に捉えやすいのです。
ただし、可能性の大きさだけが語られていてその根拠がない場合には効果が薄くなります。
つまり、面接のPRにおいて大事なのは以下の二つの点と言えるでしょう。
- 会社の利益に貢献できそうなことは恐れずPRする
- 未来の可能性を示すことに加えて、過去の成功体験で裏付けする
PRポイント②「分かっているな」と面接官が思わず唸る受け答えを。
面接では応募者の受け答えをする能力もみられています。なぜなら、面接官の質問の意味を汲み取り、適切な答えをする必要があるからです。
なので、面接官がしてくる質問の「意図」を理解することが重要です。例えば、面接では意図が見えづらい質問がされることもあります。例えば、「自己紹介をお願いします」「趣味は何ですか」といった質問です。しかし、これらの質問にも必ず採用側の意図が存在しています。
質問に隠れた「意図」の例:
- 「自己PRをお願いします」→「あなたの強みを踏まえて当社で何ができますか?どんな利益に貢献することできますか」
- 「あなたの弱みはなんですか?」→「弱みや短所をどんな風に改善しようとしているかを教えてください」
- 「あなたが失敗した経験は何ですか?」→「失敗をしたことによって何を学びましたか?」
- 「簡単に自己紹介をお願いします」→「あなたの性格や取り組んでいることで人物像が伝わるように教えて下さい」
- 「入社してやりたいことは何ですか?」→「企業研究はきちんとしましたか?事業内容の中でどんな仕事がしたいと思っていますか」
面接官の意図をしっかり汲み取ってから対応することで、「この応募者は質問の裏を読んで対応する能力が高いな」という評価を得ることができます。
例えば、「あなたが失敗した経験は何ですか」と聞かれたときは、単に失敗した経験だけを話すのではなく、その失敗から何を学んだかという学習能力の高さをアピールする必要があるのです。他にも、「入社してやりたいことは?」と聞かれたときには、「率先して技術を吸収して仕事を任せてもらえるようになりたいです」といった抽象的なことを言うよりも、企業研究の成果を反映した具体的な内容を述べた方がいいです。
意図を汲んだ回答の例:
隠れた意図:「企業研究はきちんとしましたか?事業内容の中でどんな仕事がしたいと思っていますか」
回答例:一般の人にもアプリ開発に興味を持ってもらえるようなサービスを開発してみたいと考えています。なぜなら、IT企業としての課題として、人材不足の課題があるからです。人材が不足しているのは、ITエンジニアがどんな仕事をしているのか認知されていないことが原因だと思っています。
そこで、一般の人が気軽にプログラミングの考え方を使って、カジュアルにアプリを作ることができるサービスを作ってみたいなと考えています。
PRポイント③会社の「価値基準」を把握してアピール戦略を立てる
面接では会社がどのような価値観で人材を求めているのかを理解しておきましょう。価値観とは、組織としてどんなことを重要視しているかです。
会社が重視している価値観を把握するためにはホームページや応募要項をしっかりと見てみましょう。例えば「挑戦」「学び」といったキーワードがよく出てくるようなら、「この会社は新しいことを学び、時代に適応していく人材を求めているのだな」と推測することができます。会社が求める価値観を知っておけば面接で地雷を避けることができます。
例えば、挑戦という価値観を重視している会社の面接で、「短所は?」と聞かれたとき「私は新しい物事に対して保守的な一面があります」などと言ってしまうとポイントが一気に下がってしまうのです。
例:会社によって異なる価値基準
- 幅広い知識を得ることが利益に直結する業界や、充実した研修・資格取得の応援などがある会社→新しい学びを自分のスキルアップを重視しているのか→「常に学び続けることや新しい環境に適応していくことを大切にしている」とアピール
- クライアントの声に寄り添うことをアピールしている会社→「人の話を謙虚に聞き、柔軟に他人の意見を取り入れることを大切にしている」とアピール
自分の価値基準をはっきりとさせる示すことができるのは、自己紹介をするタイミングです。実際に、面接ではよく「自己紹介をお願いします」と聞かれます。自己紹介では現在の職業を言うだけでなく、自分の価値観や人生で大事にしていることなどに触れてみるといいでしょう。実践編のPRにつながる具体的な質問例で解説していきます。
会社の価値観に沿った自己紹介の例:
「自己紹介をお願いします」→~~と申します。現在は~~で勤務しています。今私が取り組んでいることとしては、生活や仕事の効率を高めるための論文を読むことです。心理学や栄養学といった生活に役立つ分野の論文を読み、それらをテーマにしたブログの執筆を行っています。このように、私は人生において知識を重要視しています。
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