リア充を黙らせろ!科学が告げた内向型の才能

陰キャのためのメンタルアップコース

外交的な人間というのは、「外向的で華やかな性格を持っている」というだけで、内向的な人間を下に見ている節があります。

実際に「内向的」という言葉はマイナスのイメージが強いでしょう。「自分の内向的な性格が嫌いだ」という方はすごく多いことと思います。

 

そこで今回は科学的に分かった内向型の強みについて解説します。

この記事を読んでいただければ、「内向性」が自分の長所として受け入れられることと思います。

 

内向的と外向的は脳で決まっている

外向的な脳は欲深い

内向的な性格と外向的な性格 の特徴を挙げるとするならば、外交的な性格の人は大脳辺縁系の活動が活発であることが挙げられます。

 

人間の脳には、原始的な反応を司る比較的古い脳である大脳辺縁系と、比較的新しい脳である大脳新皮質に分けられます。

大脳辺縁系はいわゆるアクセルです。大脳辺縁系には側坐核という報酬を司る領域も含まれており、目の前の報酬(遊びとか、お菓子とか、綺麗なお姉さんとか)に対して今すぐ行動を起こすように促します。

逆に大脳新皮質はブレーキと言えます。人間の感情を抑制しつつ、思考・計画・意思決定などを司ります

 

外交的な人の脳は内向的な人の脳よりも大脳辺縁系の活動が活発です。ですから、外向的な人の方が性欲・権力・お金などといった報酬に敏感なのです。

実際に、内向的な人よりも外交的な人の方が、脳の報酬が感じられた時に分泌されるドーパミンの分泌量が多いことが分かっています。

コーネル大学の研究では、内向的な人と外交的な人それぞれに「アンフェタミン」というドーパミンを出させる物質を与えたところ、外向的な人の方がより活発に反応したという結果が得られています。

 

つまり、外向的な人の脳はより報酬に敏感で、その分自分を自制するのが難しいと言えます。

 

内向型の才能

楽しみを後にとっておく才能

内向的な人は外交的な人よりも楽しみは後に取っておくスキルが高いです。いわば自制心です。

 

ある実験を紹介します。

  1. 被験者に「今すぐもらえる少額のギフト券」と、「2週間後にもらえる高額なギフト券」を選ぶように選択させる
  2. 結果、2週間後にもらえる高額なギフト券を選んだ被験者(=自制心の高い被験者)は前頭前皮質の活動が活発であった。
  3. たいして、今すぐもらえるギフト券の誘惑に負けてしまった被験者(=自制心が低い被験者)は報酬系の活性が見られた。

つまり、報酬系の活性化が強い外交的な人物ほど、楽しみは後にとっておくスキルが低いと推測できるわけです

 

「自制心」は現代を生き抜く最強のスキル

「自制心がなんぼのもんじゃい」「今を楽しむ方がいいに決まってる」という考えを持つかたもいるでしょう。

確かに自分を律してばかりの人生はつまらないに違いありません。

 

しかし、「誘惑に負けること=自由を楽しむこと」なのでしょうか。「自制する=自分を縛る不自由なこと」なのでしょうか。

「何にも縛られず生きる」と言えば格好はいいですが、ようは誘惑にコントロールされ、搾取されているだけです。ゲームがやめられない人はゲームクリエイターに、スマホがやめられない人は携帯会社に操られている不自由な人です。

自制心は誘惑が多すぎる現代のなかで、自分が本当に欲しいものを自由に選ぶための能力なのです。

 

外向的な人からすれば、内向的な人の行動は不自由に見えるかもしれませんが、実際は逆です。

外部の誘惑に惑わされずに、本当にやりたいことをやる人生こそが真の「自由」なのではないでしょうか。

 

クリエイティブさを発揮する才能

カリフォルニア大学バークレー校の実験を見てみましょう。

  1. 科学者・数学者・建築家・エンジニア・作家などにおいて、大きな業績を上げた人と、そこまでの業績を上げていない人を比べる実験
  2. 結果、大きな業績を上げた創造性に富む人は、内向的で落ち着いた人であり、学生時代には孤独を経験している人が多かった

Appleの創業者スティーブ・ジョブズの相棒、「もうひとりのスティーブ」こと、スティーブ・ウォズニアックもまさに内向的な人物でした。魅力的なプレゼンをする外向的なジョブズとは対照的な人物で、寡黙ながら高い技術力を持っている人でした。僕たちが目指すべきは、キラキラしているジョブズではなく、影で暗躍するウォズニアックのような存在です。

 

ついでに心理学者チクセントミハイの研究も見てみましょう。

  1. 科学・ビジネス・芸術などにおいて優れた創造性を発揮した人物91人を調査
  2. その結果、創造的な人物たちは学生時代に孤独な経験をした人たちが多く、周りからは理解されない奇抜な趣味を持っていた

創造性の高い人は、周りから理解されないことが多く、ひとりぼっちを経験していることも多いようです。

今現在周りに溶け込むことができなかったとしても、「僕って天才なんじゃない?」ぐらいに思っておけばいいのではないでしょうか。

 

「内向性」は「頭のよさ」よりも正確に学業成績を推測できる

内向性は学業成績を推測する上で、認知能力よりも有効な手がかりだとされています。

実際に、ある研究によると、芸術・天文学・統計学など様々な学問の成績を比較したところ、ほぼすべての科目で内向的な人の方が成績が高いことが分かっています。

 

 

ひとりで没頭する才能

孤独な方が集中的実践が可能になります。ひとりの時間を有効に使えることが内向型の力の正体なのです。

 

前項で内向型の方がクリエイティブであり、学業成績も高くなる傾向があると示しました。

しかし、発想力や知能に関して言えば、外向型と内向型で差はないと考えられています。それでも内向型の方が学業成績が優秀だったり、発想力を発揮する機会が多い理由は、一人になる時間が多いからです。

 

孤独は集中的な実践を可能にし、物事の熟達や、クリエイティビティの発揮を助けます

 

物事を極めるためには、ひとりの時間が欠かせないことを示した実験をご紹介しましょう。

  1. バイオリン専攻の学生たちを対象にした実験。学生たちを三つのグループに分ける
  2. ①将来世界的なソリストとして活躍が期待される学生
  3. ②①ほどではないが「優れている」と評価されている学生
  4. ③演奏者としては活躍が期待できず、ヴァイオリン教師を目指すのに止まる学生
  5. それぞれの学生たちの時間の使い方を調べた結果、全ての学生の練習量は週50時間程度で大体同じだったが、①と②の優秀な学生たちは個人レッスンに当てる時間が多かった 

つまり、優秀な人ほどひとりになる時間が多かったということです。

 

確かに経験則から言っても、もっとも自分の能力が高まるのは、やっぱり一人のときです。誰かと一緒に勉強したり、スポーツを練習したりすることもありますが、結局気を使ってしまったり、関係のないおしゃべりに時間を使ってしまいますよね。

 

【今日のクエスト】(特になし)

今回の心トレは特にありません。内容を読んでいただいて、自分のありのままの性格が少しでも好きになってもらえたらと思います。

【獲得経験値】

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