気分が乗らないので今日の恐竜紹介はいいです。

今日の恐竜紹介はいいです。

「いや、いいですじゃなくて。早く紹介しろよ」

いやいや、いいです。

「なんだよ!せっかく恐竜ブログ始めたのにもう止めるのかよ」

いやいやいや!「いい」です!!!
おっと失礼しました。「イー」という恐竜なんです。

 

なんとも手抜きな名前の恐竜です。僕がもし今死んで4000万年後に化石として発見されて、「これは哺乳類のイーだ!」とか「ヨーだ!」とか命名されたら僕は成仏できません。

「イー(Yi)」というのは、「奇妙な翼」という意味なんだとか。文字数と意味がまったく合っていないような気がしますが、それは置いといて。

 

翼が奇妙といっても、肛門から生えていたとかではなく、ちゃんと肩から生えています。

じゃあどこが奇妙なのかというと、コウモリと鳥の要素をどちらも持ち合わせているんです。

正確にいうと、コウモリのような皮膜と鳥のような羽毛をどちらも持っているんです。実はこれすごく珍しいんですね。

 

皮膜(コウモリの翼)

まずは皮膜というものが何なのかを解説しましょう。

コウモリのような皮膜を持つ有名な古代生物は、「プテラノドン」をはじめとする翼竜でしょう。

皮膜というのは羽毛で覆われている翼とは違い、ツルツルの布っ切れみたいなのがついている翼のことです。(ハンググライダー的な)

 

皮膜はあまり飛行能力は優れていません。高いところから、ゆっくりと降りる「滑空」はできますが、地面から羽ばたくのはあまり上手ではなかったと考えられます。

なぜなら、皮膜では下向きの空気抵抗をうまくかわせないからです。

翼で上に羽ばたこうとするときには、翼を下に振りおろします。振り下ろすと上向きの空気抵抗をキャッチできるので、体は上に上昇します。

ただ、もう一度羽ばたくためには、下に振り下ろした翼をもう一度上に振り上げる必要がありますよね。上に振り上げるということは、今度は下向きの空気抵抗がかかります。体は下降します。

 

つまり、皮膜で飛び立とうとすると上がっちゃー下がり、上がっちゃー下がり…を繰り返してしまうわけです。

たまに平泳ぎのキックをすると前に進んだ分後ろ向きに戻る人がいますが、あんな感じです。

 

実際にはうまいこと羽を動かして、ぎこちないながらも何とか上には進めますが、鳥と同じようにはいかないようでしょう。

つまり、皮膜を持っている恐竜や翼竜は自由自在に空を支配していたというよりは、高いところにとまって滑空しながら移動するというスタイルだったそう。

ハンググライダーを使う怪盗キッドも高いビルから降りるときにしか使いませんよね。(ただし最近の映画を見ると、後ろにプロペラみたいなのをつけて上向きに飛んでいましたが。)

 

実際にイーの足は高い木にとまりやすいような足に進化していたそうです。(親指が反対についているような足です。)

 

鳥の翼

皮膜に対して、羽毛の翼を持つ鳥は飛ぶのが上手です

羽毛の翼の場合、皮膜の場合とは違い、下向きの空気抵抗を羽毛の間から逃がすことができたそうです。

羽毛の翼はよくできていて、ぎゅっとしたり、ゆるめたりするのが自由に調整できるそうです。

上から翼を振り下ろすときには空気をキャッチできるように羽毛の間をぎっちり閉め、振り上げるときには羽毛をゆるめて間から空気抵抗を逃がせるようにできるのです。

 

つまり、上がって戻して、上がって戻してという飛びかたができたので、スムーズに上に飛べるんです。

羽毛ってすごいですね。

 

イーが使っていたのは、羽毛の翼?皮膜の翼?

飛び上がるのに便利な羽毛(翼)ですが、最初から飛ぶためにあったのではありません

 

実は初期の羽毛は体温を逃がさないために発達してたんです。

それから異性にアピールするためとか、タマゴを抱えて温ためるために大きく発達していきました。

それからなんやかんやあって「これ使えば飛べんじゃね?」と誰かが思い付いたため、空を飛ぶための翼となったんですな。まさに古生代のライト兄弟です。

 

さて、イーの話に戻りますが、イーの羽毛は翼として使うには発達していません。

というか、翼として十分使えたなら皮膜は退化したはずです。おそらく羽毛は体温を保つ役割と思われます。

 

ですので、皮膜を主に使って木から木に滑空していたと思われます。体調は0.6メートルなので木が生い茂っている森のなかでもうまく飛べたのではないでしょうか。

 

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