- 健康的な方法でタンパク質を摂取したい
- 器材はないけど低温調理に挑戦してみたい

以前に鶏むね肉を蒸し器で調理する方法を解説しましたが、より手軽に作る「真空調理」をご紹介します。
今回は、分かりやすく理論編と実践編に分けて解説します 。理論編からじっくり見たいという方は最初から、レシピややり方だけ見たいという方は目次からスキップして見てみてください。
理論編
タンパク質は「プロトックス」を防ぐべし
「プロトックス」というのは酸化したタンパク質のことです。プロトックスが体の中で生じると関節炎やアルツハイマーなどの発症に関わると言われています 。
肉や魚を調理する時に工夫を凝らすことでプロトップスを最小限まで抑えることができます。
ハーブやスパイスで味付けをする
ある研究では、 スパイスを振ってから肉の状態の経過を観察したところ 12日経った後でもタンパク質の酸化が進まなかったという結果が出ています。

肉を保存する段階で、胡椒などのスパイスを振り、オリーブオイルやビネガーを使ったマリネ液に漬け込んでおくといいでしょう。
低温調理する
「低温調理」とは肉をフリーザーパックなどに入れて真空に近い状態にしてから低温で調理する手法です。
また、低温調理なら肉を硬くしないまましっとりと仕上がるので、とても合理的な調理方法です。健康面でも 高温で熱を加えてしまうとタンパク質の酸化が進んでしまうので 低温調理はリスクの低い方法と言えます。
しかし、低温調理器はそれなりにコストがかかってしまいます。そこで今回は普通のお鍋とフリーザーパック(もしくはポリ袋)を使った方法をご紹介します
理論編をまとめておくと…
- タンパク質は酸化が進むと体にデメリットを及ぼす
- タンパク質の酸化を防ぐには、ハーブやスパイスの活用・マリネ液に漬け込む・低温での調理が重要
実践編
さて、いよいよ実践編となります。といっても今回紹介する方法はフライパンやお皿すら使わないシンプルな方法です。
全体の流れ
- 鶏胸肉に下味をつけてフリーザーパックもしくはポリ袋に入れる
- 一晩寝かせる
- 大きめのお鍋(蓋があるやつ)でお湯を沸かす
- 寝かせておいた肉をパックごと投入し、弱火で3分間火を通す
- 火を消してそのまま1時間放置する
たったこれだけのプロセスです。時間はかかってしまいますが、ほとんど 放置するだけで完成してしまいます。 それぞれの行程を詳しくみていきましょう。
マリネ液を作って鶏胸肉に下味をつけて
まずは漬け込むマリネ液を作っていきます。
↑今回はマリネ液として以下のレシピを用意してみました。
- オリーブオイル:大さじ1
- 白ワイン:大さじ1
- レモン汁:小さじ2
- 白胡椒:適量
- 塩:5g
- ローズマリー:適量
↑材料(ローズマリー以外)をすべて混ぜ合わせる。
フリーザーパックもしくはポリ袋に入れる
肉とフリーザーパックを用意。
↑作ったマリネ液をパックのなかにざっと投入。
↑ローズマリーはあとからささっと入れます。これで下準備は完了。しっかりとパックの封を閉めて冷蔵庫で一晩寝かせましょう。
なお、肉を買ったその日にここまでの行程を終わらせておくと調理がスムーズです。買ったままチルド室に放っておくよりもマリネ液に漬け込んで保存した方が劣化も抑えられます。
~翌日~2 L の水を沸騰させる
大きめのお鍋(蓋があるやつ)でお湯を沸かしましょう。水の量は肉が完全に浸かるぐらいです。目安は2Lぐらい。
寝かせておいた肉をパックごと投入し、弱火で3分間火を通す
沸騰したら弱火にして袋に入れた鶏胸肉を投入。↓
鍋の蓋をして3分間煮る。ポリ袋の場合、結び目が鍋に入らないようにする↓
火を消してそのまま1時間放置す
3分経ったら火を止めて 鍋の蓋をしたまま1時間放置する。1時間たったら鍋から取り出してパックから出さない状態で布巾などで包みながら肉を軽くほぐす。
なお、肉汁が出ている場合、さらにしばらく放っておくと中にまた染み込んでくれる。
【関連】
紹介したマリネ液はこちらのレシピを参考にしました↓鶏むね肉のレモンマリネソテー | レシピ動画のクラシル

他にもマリネ液には、レモン汁・白ワインビネガー・トマトジュース…といった酸味のある液体と、ブラックペッパー・バジル・グローブ…などのスパイスを組み合わせればできます。基本の作り方さえ分かってしまえば、いろいろとレシピを調べたり試行錯誤していろんな味を楽しむことができるでしょう。
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