- ストレスを根本的に解決したい
- 人間関係で悩むことが多い
- ストレス解消のテクニックがあまり効いていない気がする
今回は、認知行動療法をするにあたって思考の歪みのパターンを知っておくといいぜ~というお話です。
予備知識
↑まずは基本的な認知行動療法のやり方から押さえておきましょう。
【おさらい】認知行動療法とは?
自動思考をキャッチしてストレスの受け取り方を変える
認知行動療法とは、ストレスの根本原因となる自動思考を強制する手法です。
「自動思考」とは、ある場面に直面したときに自動的に頭のなかに浮かぶ思考のことです。例えば、「知り合いに声をかけて反応してもらえなかった」というケースを考えてみましょう。
自動思考B:気づかれなかったのかな?まぁ忙しそうだったし。
Aのように受けとると、結果として怒りや不安を感じることになるでしょう。
同じケースでも、Bのように受けとるとさほどストレスを感じずに済むでしょう。
つまり、自分のなかに生じる自動思考に気づき、矯正することによってストレスを受けにくいメンタルをつくることができるのです。
自動思考の歪みのパターン
認知的行動療法を実践する上で、自分の思考に気づく必要があります。ただし、自動化してしまっている思考をいざ文字にしようとすると難しい場合があります。というのも、普段から自動的に考えている思考はわざわざ意識していないからです。
そこで今回の本題。自動思考の歪みのパターンを学んでおきましょう。
一般化のしすぎ
1つの良くないことで全てを判断してしまう思考の歪みです。
例:
- 1人の異性に振られて、「自分は異性には好かれないモテない人間なのだ」
- 一人の友人から拒否されて、「自分は付き合っても退屈な人間なのだ」
- 「自分は顔が醜いからモテないし子供なんて作るべきではない」と1つのコンプレックスだけで判断する
感情的な決めつけ
自分の今の感情で物事全てを判断し、真実だと思い込む思考の歪みです。
例:
- なんとなく無力感を感じた時に、「自分は暗い性格だし何をやっても続かない性格だ。将来も閉ざされているのだろう」
- 気分が落ち込んで何もやる気がわかない時、「こんなに気分が落ち込んでいるのだから何をやっても手につかないだろう」
- 「こんなにめんどくさいと思っているのだから部屋を片付けるなんて絶対無理だ」
すべき思考
自分にも他人にも厳しい。自分を追い込んでしまったり、他人の些細な行動にも腹を立てる思考の歪みです。
例:
- 電車で人に席を譲らない人を見て、「常識的に考えて譲るべきだろう」
- 気が利かない人を見て、「もっと周りを見て気を利かせるべきだ」
- 勉強で復習している時に、「きちんと覚えるべきだ。覚えられていないのは何かやり方が間違っているからだ」
個人化
全ての出来事は自分のせいだと思い込んでしまう思考の歪みです。
例:
- 誰かが仕事でミスをした時に、「私が余計なことを言ってしまったから集中力を削いでしまったのかもしれない」
- 新人が失敗した時に、「新人が失敗したのは自分の指導が至らなかったからだ」
- 夫が失敗した時に、「私が早く帰ってきてくれと急かしてしまったせいだ」
レッテル貼り
他人をステレオタイプによって「こういう人間」と決めつけてしまう思考の歪みです。
例:
- 「あいつは常識のない人間だ」
- 「あの人はA型だから神経質に決まっている」
- 「あの人は若いから礼儀がなっていないのだろう」
- 「年寄りだから空気を読めないのだろう」
- 店内で大声を出している子供を見て、「ああいう子供は親がしっかり面倒を見ていないから騒がしくするのだろう」
拡大解釈・過小評価
他人の成功や自分の失敗は大きく捉え、自分の成功は小さく見えてしまう思考の歪みです。
- 「うまくいったのはきっと偶然だろう」と成果を過小評価する
- 「この程度の仕事は自分ではなくても誰でもできることだ」と自信を失くす
- 「自分と違ってみんなは立派だ」と周りを持ち上げて悲観する
結論の飛躍
先読みのしすぎや他人の心の読み過ぎによってネガティブに考えてしまう思考の歪みです。
例:
- 1人の恋人に振られてしまった時に、「自分はこのように振られ続けて結婚なのでとてもできないのだろう」
- 相手の怪訝そうな表情を読んで、「自分は気が利かないやつだと思われたのだろう」
- 人と話してみてもあまり話が続かなくて、「話しかけてしつこいと思われたのだろうか。面白くないと思われたのだろうか」
マイナス化
全てを悪い方向に取られてしまったり、悪い部分しか目に入らなくなってしまう思考の歪みです。
例:
- 自分が褒められても、「ただの社交辞令だろう」と考える
- 友人に恋人ができたけど自分には教えてもらえなかったとき、「自分とは適当と付き合っていただけなんだ」
白黒思考
0か100かで物事を判断する。過度に完璧を目指してしまう思考の歪みです。
例:
- ダイエットをサボってしまったとき、「一度でも甘いものを食べたら今日はダイエットは失敗だ」
- やり方を変えるときに、「デジタルツールを使うと決めたのだから、紙でまとめたノートもすべて統一してを捨ててしまおう」
【今日のクエスト】思考の歪みリストを参考に認知行動療法を実践しよう
思考の歪みリスト
しばらくは、自分の自動思考に無意識だと思うので、このリストをヒントにしつつ、ストレス場面を分析してみるといいでしょう。
- 一般化のしすぎ
- 感情的な決めつけ
- すべき思考
- 個人化
- レッテル貼り
- 拡大解釈・過小評価
- 結論の飛躍
- マイナス化
- 白黒思考
ステップ1:今日はどんな思考をしたかな?と思い出してみる
1日の終わりなどに認知行動療法を実践してみましょう。ノートを広げて以下の項目を書き出していきます。
- 状況
- 思考
- 感情
- 根拠
- 反証
例:「知り合いに声をかけて反応してもらえなかった」というケース
思考:声をかけたのに無視されてしまった…。自分は嫌われているのだろうか?
感情:ショック80、怒り70
思考の根拠:嫌い、もしくは興味がないから無視するのだろう
思考に対する反証:(う~ん)
最初は、思考に対して反証を考えるのが難しいこともあります。自動思考が習慣になっていると、自分の思考が歪んでいること自体に気づけないからです。
ステップ2:歪みリストを参考にして、「どんな歪みに陥っているだろう?」と考える
例:
思考:声をかけたのに無視されてしまった…。自分は嫌われているのだろうか?
→「これは歪みリストのなかの『結論の飛躍』だな。他人の心を読みすぎて落ち込んでいるパターンだ。」
反証:単に忙しかっただけかもしれない。こちらに気づかなかった可能性もある
→「本当に無視された可能性もあるけど、他人の心は分からないのだから考えすぎてもしょうがない」と考え直す
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