- 論理的に考えるのは得意だけど奇抜な発想力がない
- ありきたりな発想しかできない
- 新しい文房具のデザインや、キャラクターデザインに興味がある
今回は、前提を取り払うことで面白いアイデアが湧くぜ~というお話です。
無意識の思い込みを取り外す「前提逆転発想術」
奇抜な発想を出したい時には、ありきたりの逆をついてみるといいでしょう。
例えば、面白いペンを発明するとします。まずは、ペンについての前提を列挙してみるのです。
- ペンは書くもの
- ペンはキャップがついている
- ペンは棒状である
- ペンは色がある
- 紙に書く
次に列挙した前提の逆を考えてみるのです。
- ペンは書くもの→消すものにしてみる。先が細く細かいところが消せる。多色ボールペンのように消ゴムとペンを一体化させれば、文房具を持ち変えずに済む
- ペンはキャップがついている→キャップがついておらず裸の状態ですぐ書ける
- ペンは棒状である→棒状ではなく三角になっている「デルタペン」。どこかに引っ掻けやすい。
- ペンは色がある→無色のペンにしてみる。照らして文字が出るので秘密の暗号や見られたくないアイデアを秘密裏に書ける
- 紙に書く→紙がなくてもかけるペンにする。ペンの動きをコピーしてスマホ上に出せる
この前提逆転発想術のヒントとなった研究を紹介しておきましょう。
ドイツの心理学者カール・ドゥンカーが行った研究によると、道具の用途に縛られると柔軟な発想ができなくなるということが示されています。
実験①
被験者たちを一人ずつ部屋に入れて、ひらめきが必要な課題に取り組んでもらう。
部屋の机の上には、画鋲の入った箱・ろうそくの入った箱・マッチの入った箱…などが置いてある。
被験者たちに、「3本のろうそくを火をともせるように扉の目の高さの位置に固定してください。机の上にあるものは何でも使って結構です」と課題を出す。
一種の謎解きのようなものですが、皆さんは答えをひらめくでしょうか?ここまでの情報だけで少し考えてみてください。
実験②
次に、マッチ・画鋲・ロウソクなどが入った箱の中身を全て机の上に出して、中身と箱を別々に机の上に出した状態で、同じ課題を出す
実験②は、実験①よりも少し難易度を下げたものになります。こちらならひらめくでしょうか?
実験の結果の前にまずは謎解きの答え合わせをしてみましょう。正解は下の図のようになります。
↑つまり、「画鋲やろうそくなどの中身が入った箱の中身を全て取り出して、箱を画鋲で固定し、ろうそくを立てて火を灯す」が正解となります。
さて、実際の研究ではどうだったでしょうか?
結果
- 被験者は実験①では、画鋲でろうそくを壁に止めようとするなどのいくつかの方法を試して行き詰まった
- 実験②においては正解をひらめく確率が劇的に上がった
考察
この研究の重要なポイントは、「そうか!道具が入っている箱も道具として使ってもいいのだ!」というひらめきです。
「マッチ箱」という状態で出されていると、「箱は単なるマッチの入れ物」という無意識の思い込みが生じてしまいます。つまり、最初から「こういうもんだろう」と道具の用途を決めつけていたことが、豊かな発想を妨げていたのです。逆に、前提にとらわれていることを自覚すれば新しい発想を得ることができると言えるでしょう。
最近ではクリエイティブな仕事が注目されています。実際に、斬新なビジネスモデルや面白い文房具、Twitterなどに投稿されるオリジナルキャラクターのイラスト…などを見ていると、「自分にもこんな自由な発想があったらな…」と思ってしまいますよね。
ですが、最初のうちはありきたりな発想になってしまいます。そんなときは前提逆転のテクニックを使ってみてください。
【今日のクエスト】前提逆転発想術をしてみよう
ステップ1:自分が考えるテーマを決める
例:動物をモチーフにした新しいモンスターを考える
ステップ2:そのテーマについて前提となっていることをピックアップしてみる
・モンスターの属性は火・水・雷…などが定番
・動物は四足歩行である
・動物には哺乳類・鳥類・爬虫類…などがいる
・動物は指が手にくっついている
・動物は左右対称である
そのテーマの前提を列挙することによって、自分が無意識に陥っている思い込みをあぶり出していくイメージです。
ステップ3:ステップ2で挙げた前提の逆を考えてみる
・モンスターの属性は火・水・雷…などが定番→花・熱・麻痺…などあまり使われない属性で考えてみる
・動物は四足歩行である→三足歩行のモンスターにする
・動物には哺乳類・鳥類・爬虫類…などがいる→まったく新しいカテゴリの動物を考えてみる
・動物は指が手にくっついている→手から指が生えているのではなく、顔から指が生えている
・動物は左右対称である→左右非対称のモンスターにしてみる
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