脳が32歳と変わらない「スーパーエイジャー」に学ぶ脳の劣化を防ぐ方法

探究力

 

「スーパーエイジャー」は積極的にストレスを求めていた!?

若々しい脳を保つためには、自分が苦手なことにチャレンジすることが重要なのかもしれません。

 

根拠となる研究

ノースイースタン大学のリサ・フェルドマン・バレットらがスーパーエイジャーの脳を調べた研究では、大脳皮質だけではなく前帯状皮質や島皮質といった部分も発達していることが示されています。

Youthful Brains in Older Adults: Preserved Neuroanatomy in the Default Mode and Salience Networks Contributes to Youthful Memory in Superaging
Decline in cognitive skills, especially in memory, is often viewed as part of “normal” aging. Yet some individuals “age better” than others. Building on prior r...

 

介入

20~30歳の人々と同等以上の記憶能力を維持しているスーパーエイジャーの脳を調べた。スーパーエイジャーは60~80歳で若者(18~32歳)と比べた言語評価テストの成績によって定義した。

結果
  • スーパーエイジャーにおける大脳皮質は普通の高齢者と比べて分厚く、若者と見分けがつかないほどであった
  • 海馬の大きさも保持されていた
  • 「前帯状皮質」を含むいくつかの領域が大きく、記憶能力と相関していた
考察

注目ポイントは、スーパーエイジャーは前帯状皮質とその周りの領域が大きかったことです。前帯状皮質とその周りの領域は、働き続けることによって疲労感や不快感といった感情も発生しやすくなる場所です。

つまり、前帯状皮質が大きいということは多くのスーパーエイジャーは困難なことに果敢に立ち向かい不快感を乗り越えているのだと言えるでしょう。

 

 

言い換えれば、「自分が嫌だな」と思うことにも挑戦することが若々しい脳を維持するための秘訣なのです。チャレンジするときには自分がいつもやっている活動ではなく、自分になじみのない分野に挑戦してみることが重要です。

例えば、本を読むのが好きな人なら読書や勉強以外に人と話したり、人前で話したりする機会に挑戦してみるといいでしょう。

 

【今日のクエスト】積極的にリスクをとろう!

ステップ1:リスクメーターを基準に自分に足りないチャレンジを考えてみよう

自分にとってなじみのない未知の分野にチャレンジするときは、リスクメーターを参考にしてみましょう。リスクメーターとは、スタンフォード大学のティナ・シーリグさんが提案する人生におけるリスクの指標です。

 

リスクメーター
  1. 社交リスク:新しい人と交流しているか。人前に出る機会があるか
  2. 知的リスク:難しい概念を学んだり、新しいスキルの獲得のために勉強したりしているか
  3. 身体的リスク:体を動かして自分を追い込んでいるか。新しい運動法を試しているか
  4. 経済リスク:自己投資のためにお金を使っているか。他人のためにお金を使っているか
  5. 感情リスク:緊張やプレッシャーを伴うことに挑戦しているか

 

例:
  • 「勉強は好きだけど人前に出るのは苦手」→知的リスクは足りているが社交リスクが足りていない
  • 本を読むのは好きだけど運動はあまりしない→知的リスクは足りているが身体的リスクが足りていない
  • 人と話すのは好きだけどいつも同じグループで話す→社交リスクは足りているが感情リスクが足りていない

 

ステップ2:自分に足りていないリスクを補充するアイデアを実践しよう

社交リスク
  • 有名人の公演を聞いてみる
  • 連絡をあまりとっていなかった友人に「最近何している?」とラインを送ってみる
  • 初対面の人に話しかける
  • SNSで積極的に「いいね!」やフォローをする
  • 住んでいる地域でサークル活動を探す
  • 異性に話しかける
  • バス停で待っている高齢者に話しかける
  • 上司に雑談を振る

 

 

知的リスク
  • 自分が詳しくない分野の勉強をする
  • 英語やフランス語などの外国語の勉強をする
  • Excelの動かし方などパソコンの基本操作を覚える
  • 若者の中で流行っているワードを検索してみる
  • 博物館や美術館に行ってみる
  • 有名なゲームをしてみる

 

感情リスク
  • 自分が苦手だと思っている人に話しかけてみる
  • ビブリオバトルに参加して人前で本の紹介をしてみる
  • 上司に反対意見を言ってみる
  • 有給休暇を申請する
  • イベントごとでスピーチを引き受ける
  • 地域の集まりや飲み会などで仕切りを引き受ける
経済リスク
  • 新しい運動器具を買う
  • サーバーを有料で借りて自分のサイトを開設する
  • 日曜大工のための工具を買う
  • 誰かのためにプレゼントをあげる

 

身体的リスク
  • 新しい筋トレの方法をYouTubeで検索する
  • 普段の移動手段を徒歩や自転車などに変える
  • ジムに通い始める
  • ダンスサークルに参加する

 

 

ステップ3:自分に馴染みのある分野から徐々に広げていこう

自分にとって馴染みのない分野でリスクを取るのはハードルが高いと感じる場合、得意分野から行動を広げていくのもありでしょう。

例:

「今の自分は知的リスクを十分にとっている」という人が新しい分野でリスクを取りに行きたいケースを考えてみましょう。

  • 運動法に関する書籍を購入して読んでみてそれから実践に移す(身体的リスクに広げる)
  • 最近読んでいる本を他人におすすめしてみる(社交リスクに広げる)
  • ビブリオバトルに参加し、自分の本の紹介を多くの人に向けて話してみる(感情リスクに広げる)

 

ステップ4:リスクをとるチャンスを日頃から意識しよう

リスクの考え方を日頃の行動にも定着させていくことが重要です。

例:
  • 母の日などのイベントごとがある場合なら、「照れくさいし、サプライズで物をあげても喜んでもらえるかわからないから…」ではなく、「母の日を祝うのは『プレゼントを買う』という経済的リスクと、『恥ずかしいけど渡す』という感情リスクを取る訓練だ!」という風に捉えるといいでしょう。
  • テレビで流行語などが特集されているケースなら、「若者の文化はわからない…」と片付けるのではなく、「どういう意味なんだろう?」と興味を持ってみましょう。「新しい文化に対してオープンに学ぶというの『知的リスク』を取っているのだ」と考えるのです。

 

【獲得経験値】

コメント

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